ある日、ミモロは、久しぶりに大阪でお友達と会うことに。「ミモロちゃんは、京阪電車で京都から来るでしょ。だから便利な淀屋橋の近くのレストランで会いましょ」と。
ミモロが向かったのは、淀屋橋駅から徒歩1分の「芝川ビル」の地下1階にあるフランス風ベトナム料理の「レストラン リヴ ゴーシュ」です。


「え~こんな素敵なレトロなビルにあるんだ~」ミモロは、お友達が待つ店内へ。


「ごめんね~遅れちゃって~」とミモロ。実は、待ち合わせの時間に間に合うように出かけたのに、淀屋橋駅で迷ってしまったのでした。
「なんて素敵な雰囲気のお店なんだろ~。このレトロな感じいいなぁ~」と。

ベトナム料理といえば、生春巻きやフォンくらしか知らないミモロ。お友達が選んでくれた料理は、初めて食べるものばかり。


サイゴン風揚げ春巻きや鶏のつくねのレモングラス串焼き。「ソースが美味しいんだよね~」


青パパイヤのサラダや五目焼きビーフンも食べました。「どれも美味しいね~。なんかあっさりしたお味で、食べやすい」とすっかり気に入った様子。
久しぶりに会ったお友達との楽しい会話。そして美味しいお料理と、素敵な時間を過ごしたミモロでした。
お腹がいっぱいになったミモロは、お店の外へ。


さて、この「芝川ビル」は、船場では有名なビル。昭和2年竣工のビルは、国の登録有形文化財です。



「ちょっと中に入ってみよう~」と、ミモロとお友達は、ビルのエントランスから中へ。
外壁、柱などに施された彫刻なども見事です。


では、少しこのビルのお話を…。
ビルの施主は、江戸時代、呉服商や唐物貿易などで財をなした豪商の芝川家の4代目当主の芝川又四郎。

鉄筋コンクリート造地上4階地下1階の建物は、木造家屋がほとんどだった船場で、注目を浴びたビルでした。又四郎は、このビルを当初、すべて自家用の施設として使うつもりでしたが、いかんせん大きく、あまりに使わないスペースがあったため、教育にも関心を抱いていた又四郎は、「芝蘭社家政学園」という料理や裁縫などを教える花嫁学校を開校します。そこには、大阪のお嬢様たちが大勢通っていたのだとか。


ビルの階段の壁には、その当時の様子を伝える資料や写真が展示されていました。


現在、建物は、レストラン、ファッション雑貨ショップ、バー、カフェなどが入っていて、大阪の若者に人気なのだそう。


本当に建物の意匠など、細部にまでこだわりを感じさせる造りです。



「絶対、今度、昼間に来ようね~」とミモロ。
ほとんど大阪を知らないミモロにとって、近いけど遠い大阪。
でも、今度また散策しましょうね。

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