こんにちは、永々翁でございます。拙生の酒場修行の留書、本日は拙生が師匠と仰ぐA氏の教えをお話したいと思います。A氏は一回り年嵩で、厳めしい顔付きにもかかわらず、なぜか女性にも人気がある御仁でした。
A氏と初めて盃を交わしたのは二十数年前。拙生まだヒヨッコでした。その席で「今の給料は安いと思うか」と訊ねられたことを覚えています。何と応じたかは忘れてしまいましたが、「お前はもらいすぎだ」と断言されました。A氏は価値という目に見えないものに対しても御自身の物差しをお持ちでした。そして価値を高める術をよく御存知でした。
それは酒席でも同様。A氏はよく酒席にプレゼントを持参してこられました。その小さなサプライズがその時間を一層楽しい時間、価値ある時間に昇華させてしまうのです。
拙生も折につけプレゼントを持参するよう心がけておりますが、まったく女性にモテません。何が違うのでしょうか。
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