「終戦当時の弁当のにおい 教室に満ちて記憶に鮮やか」
誰もが経験したものではありません。終戦直後の弁当の匂いが今でも私の心に残っています。
心に残っているのか、脳に残っているのか、嗅覚に残っているのかよく分かりませんが、鮮やかに思い出されるのです。
以下の詩は 道新 「短歌」 時田則雄選(2021.1.17)に載っていたものです。
たくあんの匂いただよう教室のペーチカの上の弁当並ぶ 小原幹子(長沼)
(評) 小原さんは84歳。つまりこの歌は敗戦直後のころを思い出して詩っておられるのだ。当時は食料事情が悪く、弁当のおかずは粗末で
「たくあん」だけのこともあったのだ。ただし温められた「たくあん」は良い匂いだった。
選者の時田則雄さんもご高齢なのかこの詩の様子がよく分かってられるようです。
終戦当時カムイラビットは尋常小学1・2年。給食は勿論なく、弁当持ちで学校へ行きました。弁当は石炭ストーブの上や横に皆が持って行って温めます。弁当の中身はたくあん、梅干しなどの簡単なおかずです。今のような立派な弁当は誰一人持ってきていません。
ストーブで温められた弁当は昼の時間になるとたまらなく美味しい匂いが教室に満ちます。
先に挙げた詩でおかしな部分があります。学校での暖は投げ込み型の石炭ストーブ(鋳物製)で、ペチカは設置されていませんでした。終戦当時にはまだまだペチカなどの洒落た暖房などあるはずはないのです。
これが今でも忘れられない匂いなのです。
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