「雪が融けやらぬ時期に花を咲かせるのは エゾノリュウキンカでしょう」
十勝管内の足寄町に住んだ2年間、父兄の方と親しくしていただきました。
付き合っている内に私が山菜好きであることが知られ、山菜(クレソン)を玄関のノブにそっと下げてくださった方もいたり、隣町の陸別の山にまで案内して下さる方もいたりしました。
足寄町での生活は楽しかったですね。
陸別の山菜取りはヤチブキでしたが、陸別の沢にはまだまだ雪があって、目当てのヤチブキは雪から花芽を出したばかりで採取することはかないませんでした。雪のある中、目出しするのは山菜ではヤチブキです。雪の中から目出しした黄金色の花には力強さがあります。
この日は収穫が無かったのでその地の酪農家に上がり、冷蔵庫に保管されていたヤチブキのおひたしを御飯とともにいただきました。
案内していただいた方は獣医さんでしたので、酪農家と深い関係があったからでした。私はご相伴にあづかったのでした。
まだまだヤチブキは知る人も少ないのですが、地方の道の駅には花を除いて茎・葉だけを売っていることがあります。
正式名は「エゾノリュウキンカ」で、キンポウゲ科です。
アイヌは火傷、切り傷に根を煎じた汁で傷口を洗い、根も一緒に縛り付けた。産後にはハマナスの実と一緒に煎じ飲むところもあったらしいと言います。