君こふる涙のとこにみちぬればみをつくしとぞ我はなりぬる(古今和歌集)
おもひのみ深き入り江のみをつくし知る人なしにくちやはてなむ(嘉元百首)
何をかは涙のうみのみをつくし千尋(ちひろ)にあまの底は知らせむ(芦雲和歌集類題)
わたつうみのしほひにたてるみをつくし人のこころぞしるしだになき(新勅撰和歌集)
うらみてもなほたのむかなみをつくし深きえにあるしるしと思へば(新続古今和歌集)
なみだ河くちぬる袖やみをつくしふかき思ひのしるしなるらん(正治初度百首)
淵となるなみだの河のみをつくし逢ふ瀬もしらぬなげきをぞする(文保百首)