野わきする空のけしきになりにけり村雲はやき秋の夕暮(宝治百首)
夕まぐれ風も野わきと吹きたてばよものちぐさぞしづ ごころなき(玉葉和歌集)
思ひやるわが心までしをれきぬ野わきする庭の花のいろいろ(夫木抄)
夜すがらの野分の風のあと見ればすゑふす萩に花ぞまれなる(玉葉和歌集)
野わきするのべのけしきをみる時は心なき人あらじとぞ思ふ(千載和歌集)
けさ見れば野分の後の雨はれて玉ぞのこれるささがにの糸(拾遺愚草)
草の原のわきにあへる白露のあはれいくたびおきてちるらむ(沙玉集)
あさぢはら野わきにあへる露よりもなほありがたき身をやいかにせむ(新勅撰和歌集)
身のうさは野分にあへる花なれやちりひぢになるここちのみして(和歌一字抄)
花も露もいかにこころをくだけとて秋に野分の吹きはじめけむ(長秋詠藻)
(2009年10月26日の「野分」の記事は削除しました。)