暮れそむる夕日は野べにうつろひて山もと遠くうづ ら鳴くなり(茂重集)
秋風にした葉やさむくなりぬらむ小萩が原にうづら鳴くなり(後拾遺和歌集)
うら枯れてした葉いろづく秋萩の露ちる風にうづ ら鳴くなり(続古今和歌集)
小萩さくみやぎが原のゆふぐれに露にそほちてうづら鳴くなり(経盛集)
見わたせば野かぜをさむみ日は暮れて尾花がくれにうづら鳴くなり(新撰和歌六帖)
うづら鳴くふりにしさとゆおもへども何をぞ妹(いも)にあふよしもなき(万葉集)
野とならばうづ らとなりて鳴きをらむかりにだにやは君は来ざらむ(伊勢物語)
来ぬ人をまつ夕暮れの秋風にうづら鳴くなりみやまべの里(言葉和歌集)
秋をへてあはれも露もふかくさの里とふものはうづ らなりけり(新古今和歌集)
夕されば野べのあきかぜ身にしみてうづ ら鳴くなり深草の里(千載和歌集)
しのにおく露ふかくさの秋風にうづら鳴くなり野べのゆふぐれ(後鳥羽院御集)
(2009年10月30日の「鶉(うづら)」の記事は削除しました。)