たちそむる霧かとみれば秋の雨のこまかにそそく夕暮の空(風雅和歌集)
野わきだつ夕べの雲のあしはやみしぐれに似たる秋の村雨(風雅和歌集)
風にゆく峰の浮き雲あとはれて夕日にのこる秋の村雨(玉葉和歌集)
いかにせんぬれぬ宿かす人もなきかた野のみ野の秋の村雨(続拾遺和歌集)
さらぬだに秋のあはれはたえせぬに心ぼそさをそふる雨かな(六百番歌合)
行(ゆ)くへなき秋の思ひぞせかれぬる村雨なびく雲の遠(をち)かた(拾遺愚草)
数々に思ひおもはず問ひがたみ身をしる雨はふりぞまされる(古今和歌集)
君しのぶこころのうちもかきくらし身をしる雨のわびつつぞふる(宝治百首)
とへかしな桐の葉おつる山里の夕べの雨のあきのあはれを(竹葉和歌抄)
人は来ずはらはぬ庭の桐の葉におとなふ雨の音(おと)のさびしさ(夫木抄)
(2009年10月27日の「秋の雨」の記事は削除しました。)