冬の日を春よりながくなすものは恋ひつつ暮らすこころなりけり(千載和歌集)
峯の雪みぎはのこほりふみわけて君にぞまどふ道はまどはず(源氏物語)
冬の夜のなみだのかかるむば玉の髪はこほりにむすぼほれつつ(加茂保憲女集)
閨(ねや)さむきねくたれ髪のながき夜になみだのこほりむすぼほれつつ(新勅撰和歌集)
ひとり寝て恋ひあかしつる今宵しもいとど降りつむ雪のわびしさ(天慶二年二月二十八日貫之歌合)
思ひ侘びかへす衣のたもとより散るやなみだのこほりなるらむ(後拾遺和歌集)
こころさへ空にみだれし雪もよにひとりさえつる片敷きのそで(源氏物語)
いかにせむ片敷きわぶる冬の夜のとくるまもなき袖のこほりを
涙せく袖のこほりをかさねても夜半のちぎりはむすびかねつつ(続拾遺和歌集)
かたしきの袖ゆく水のうすごほり思ひくだけていく夜ねぬらん(新続古今和歌集)
(2009年12月30日の「冬の恋」の記事は削除しました。)