うづみ火にすこし春あるここちして夜ふかき冬をなぐさむるかな(風雅和歌集)
消えのこる火桶の灰にかく文字の手すさびうすき夜半のともしび(草根集)
風さむみ暁ふかく寝覚めしてまたおきむかふ閨のうづみ火(新後拾遺和歌集)
いふこともなきうづみ火をおこすかな冬の寝覚めの友しなければ(堀河百首)
埋み火に炭さしそへてしづかなる寝屋のひかりに明くるをぞ待つ(草根集)
いかにせむ下にかくるる埋み火のおもひしらさむけぶりだになし(夫木抄)
うづみ火の下にこがるるかひなしや消ゆも消えずも人し知らねば(堀河百首)
いかにせむ灰のしたなる埋み火のうづもれてのみ消えぬべき身を(風雅和歌集)
埋み火をよそにみるこそあはれなれ消ゆればおなじ灰となる身を(玉葉和歌集)
(2009年12月30日の「炉火/埋火」の記事は削除しました。)