吹く風に散りかひくもる冬の夜の月の桂の花のしら雪(後二条院御集)
たとふべきかたなきものは冬ふかみ雪ふりしける夜半の月かげ(風葉和歌集)
冬の夜は天霧(あまぎ)る雪に空さえて雲の波ぢにこほる月影(新勅撰和歌集)
天の原おなじ空よりふる雪にひかりを分(わ)くる冬の夜の月(夫木抄)
山の端はそれとも見えずうづ もれて雪にかたぶく有明の月(続拾遺和歌集)
尋ぬべき友こそなけれ山かげや雪と月とをひとり見れども(続古今和歌集)
しろたへの雪もわが身もふりはてぬあはれ名残のありあけの月(続古今和歌集)
ながめわび心もそらにかきくれてふる白雪にかすむ月影(中務内侍日記)
(2009年12月30日の「雪と月」の記事は削除しました。)