例幣
長月やをくるにきてに伊勢の海の波のしらふゆ懸やそふらん
右九月十一日例幣とて。伊勢太神宮へ御幣を奉らせ給ふ事の有也。毎年の事なれば。殊なる儀侍らぬにこそ。
(年中行事歌合~群書類従6)
承和元年九月戊午(十一日)
天皇が大極殿に出御して、伊勢大神宮へ奉幣した。
(続日本後紀〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)
承和七年九月癸未(十一日)
使いを遣わして、伊勢大神宮へ幣帛を奉納した。慣例(神嘗祭)となっていることによる。
(続日本後紀〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)
寛弘六年九月十一日、壬戌。
内裏に参った。
左府の許に参った。内豎(ないじゅ)が来て、召しているということを告げた。世尊寺から帰って、すぐに殿上間に参り、伺候した。蔵人(源)頼国が勅を伝えて云ったことには、「やはり参着して奉幣の上卿を勤めるように」と。すぐに陣座に就いて、外記に伝えた。外記は内記を召した。大内記(菅原)宣義朝臣が来た。すぐに宣命を書くよう命じた。一見した後、御所の辺りに赴いた。頭弁(源道方)を介して、これを奏上させた。通例によって、宣命は草案を奏上せずに、ただ賜わった。陣座に就かずに、直ぐに陣の前に出て就き、行事を勤めた。すぐに東廊に赴いた。御幣を賜う中臣以下を伺候させた。使が参入して、これを賜わった。神祇伯秀頼王を召して、宣命を賜わらせた。退出した。左府の許に参った。雑事を申した。
(権記〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)