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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 秋 斎宮群行/長奉送使

2015年09月17日 | 日本古典文学-秋

規子内親王伊勢のいつきにてくたり侍けるに、中納言庶明長奉送使にてかへりまうしの時、禄なと給て人々歌よみ侍けるに 順
神のます山田の原の鶴の子はかへるよりこそ千世はかそへめ
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

天暦御時、斎宮くたり侍ける時の長奉送使にて、まかりかへらむとて 中納言朝忠
よろつ世のはしめとけふを祈をきていま行すゑは神そしるらん
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

天暦御時、九月十五日、斎宮くたり侍けるに 御製
君か代をなか月とたにおもはすはいかにわかれのかなしからまし
天暦十一年九月十五日、斎宮くたり侍けるに、内よりすゝりてうしてたまはすとて 御製
おもふ事なるといふなるすゝか山こえてうれしきさかひとそきく
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

文永元年九月斎宮群行のとき、たき物たてまつるとて 月花門院
わかるとも立もはなれし人しれすそふる思ひのけふり計は
おなし群行の長奉送使にてまかりくたりて、かへりまうしの暁、女房の中へつかはしける 権中納言長雅
なれきてもわかるゝ道の旅衣露より外に袖やぬれなん
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

斎宮群行のすゝかの頓宮にて、旅歌読侍けるに 権中納言通俊
いそくとも今日はとまらん旅ねするあしのかり庵に紅葉散けり
(新勅撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

もの申ける女の、斎宮のくたり給けるともにまかりけるに、いひつかはしける 藤原道経
かへりこむ程をもしらてかなしきはよをなか月の別なりけり
(詞花和歌集~国文学研究資料館HPより)

西四条の斎宮の、九月晦日くたりはへりけるともなる人に、ぬさつかはすとて 大輔
もみちはをぬさと手向てちらしつゝ秋とゝもにやゆかんとすらん
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

弘仁二年九月乙未(四日)
斎内親王が伊勢へ向かった。諸司の陪従は慣例どおりであった。
(日本後紀~講談社学術文庫)


古典の季節表現 秋 野宮

2015年09月17日 | 日本古典文学-秋

齋王の野宮におはしますありさまこそ、やさしく面白き事のかぎりとは覺えしか。
(徒然草~バージニア大学HPより)

承和元年八月乙巳(二十七日) 久子内親王が伊勢斎宮として奉仕するため、先般、賀茂川で禊をし、初めて野宮へ入った。
(続日本後紀~講談社学術文庫)

(長和二年九月)二十七日、丙辰。 伊勢斎宮、野宮に遷御
この日、伊勢斎宮(当子内親王)が野宮に遷御された。わたしは、これを見物した。女方(源倫子)も、また同じく見物した。中宮大夫と太皇太后宮大夫(藤原公任)と同車した。時は申剋であった。ところが、その頃、雨が降った。晴れるのを待っているうちに、日はすでに暮れて、夜になった。
(御堂関白記〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)

(寛仁元年九月)二十一日、丙辰。 伊勢斎宮、野宮に入る
伊勢斎宮(嫥子女王)は、野宮に遷(うつ)った。一日中、雨が降った。申剋に雨が止んだ。この時、吉時であった。摂政と共に、斎宮の行列を見物した。(略)
(御堂関白記〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)