規子内親王伊勢のいつきにてくたり侍けるに、中納言庶明長奉送使にてかへりまうしの時、禄なと給て人々歌よみ侍けるに 順
神のます山田の原の鶴の子はかへるよりこそ千世はかそへめ
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
天暦御時、斎宮くたり侍ける時の長奉送使にて、まかりかへらむとて 中納言朝忠
よろつ世のはしめとけふを祈をきていま行すゑは神そしるらん
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
天暦御時、九月十五日、斎宮くたり侍けるに 御製
君か代をなか月とたにおもはすはいかにわかれのかなしからまし
天暦十一年九月十五日、斎宮くたり侍けるに、内よりすゝりてうしてたまはすとて 御製
おもふ事なるといふなるすゝか山こえてうれしきさかひとそきく
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
文永元年九月斎宮群行のとき、たき物たてまつるとて 月花門院
わかるとも立もはなれし人しれすそふる思ひのけふり計は
おなし群行の長奉送使にてまかりくたりて、かへりまうしの暁、女房の中へつかはしける 権中納言長雅
なれきてもわかるゝ道の旅衣露より外に袖やぬれなん
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
斎宮群行のすゝかの頓宮にて、旅歌読侍けるに 権中納言通俊
いそくとも今日はとまらん旅ねするあしのかり庵に紅葉散けり
(新勅撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
もの申ける女の、斎宮のくたり給けるともにまかりけるに、いひつかはしける 藤原道経
かへりこむ程をもしらてかなしきはよをなか月の別なりけり
(詞花和歌集~国文学研究資料館HPより)
西四条の斎宮の、九月晦日くたりはへりけるともなる人に、ぬさつかはすとて 大輔
もみちはをぬさと手向てちらしつゝ秋とゝもにやゆかんとすらん
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
弘仁二年九月乙未(四日)
斎内親王が伊勢へ向かった。諸司の陪従は慣例どおりであった。
(日本後紀~講談社学術文庫)