「夜(よ)すが」という単語は、「よすがら(夜―)」の変化した語で、日本国語大辞典・精選版では、1687年の咄本からの用例をあげていますが、300年以上さかのぼる用例があります。
きりぎりす啼きてよすがにあかずなりまののうら萩色変る比
(夫木抄、巻第十一、萩)
『校註国歌大系 第21巻』国民図書、1930年、299ページ
いほりさすかひのしらねの旅枕よすがに雪をはらひかねつゝ
(夫木抄、巻第三十、廬)
『校註国歌大系 第22巻』国民図書、1930年、415ページ
一首目の和歌の出典は「千五百番歌合」のようですが、日文研HPの和歌データベースで確認したところ、「きりきりす-なきてよすから-あかすなり-まののうらはき-いろかはるころ」という語形でした。
二首目の和歌も「秋篠月清集(日文研HPの和歌データベース)」では「いほりさす-かひのしらねの-たひまくら-よすからゆきを-はらひかねつつ」という語形。