照射を読侍ける 藤原義孝
五月やみそこともしらぬともしすとは山かすそにあかしつる哉
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)
さつきやみあまつほしだにいでぬよはともしのみこそ山にみえけれ
(長元八年五月十六日 関白左大臣頼通歌合~「平安朝歌合大成 二」)
さつきやまゆすゑふりたてともすひにしかやあやなくめをあはすらむ
(久安百首~日文研HPより)
かひなしやいくよもえてもさをしかにあはぬほくしのむなしけふりは
(慶運法師集~日文研HPより)
大和國に龍門といふ所に聖ありけり。すみける所を名にて龍門の聖とぞいひける。そのひじりのしたしくしりたりけるさと人の、あけくれしゝをころしけるに、ともしといふことをしける比、いみじうくらかりける夜照射に出にけり。鹿をもとめありく程に目をあはせたりければ、「しゝありけり。」とておしまはし\/するに、たしかに目をあはせたり。矢比にまはしよりてほぐし(*火串)に引かけて、矢をはげていんとて弓ふりたてみるに、(略)
(宇治拾遺物語~國史大系17)