花と緑を追いかけて

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いっぱいの主婦の日記です

ジャワ島へ・「ボロブドゥール仏教遺跡」その2

2009年03月23日 | バリ島紀行

「ボロブドゥール仏教遺跡」は高さ31.5m、最下部の基壇は1辺約123mという威容を誇り、ジャワ様式の下部方形6層とインド様式の上部円形3層のピラミッド構造だそうです。

遠くからも見えていましたが、壁には仏龕(ぶつがん)があり、計432体の仏像が蓮の花の台座の上に据えられています。
仏像は向いた方角によって結ぶ印(両手の形と位置)が異なるそうです。

私たちは真ん中の直登の階段には行かず、まず左側に進み、下部の基壇にあるレリーフの説明を受けました。

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マウスオンでご覧下さい
因果応報を描いた160面のレリーフがある旧基壇は「俗界」を表わします。

飲酒の訓戒を物語るレリーフなどがあり、人間の欲や煩悩を因果応報で説いています。
ガイドさん曰く「男の煩悩は飲む、打つ、買う」が描かれていて、女は「噂話や悪口」だそうです。昔も今も変わりませんね。


階段を少し登ったその上の二層目は・・・
1300面のレリーフと、432体の仏像がある第一回廊から第四回廊までが「色界」です。



第2層の色界では4重に巡る幅約2mの回廊を時計回りに進み、仏教の経典などを見て廻ります。
第一回廊のレリーフにはお釈迦様の生涯が描かれていました。


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マウスオン・クリックで三枚のレリーフをご覧下さい

釈迦は現在のインドとネパール国境付近の釈迦族の出身で、家柄は王 とよばれる名門であったそうです。
シュッドーダナを父とし、隣国の同じ釈迦族のコーリヤの執政の娘・マーヤーを母として生まれ、ゴータマ・シッダールタと名づけられます。

釈迦は母親がお産のために実家へ里帰りする途中、花園で休んだ時に誕生しました。
そして、生後一週間で母のマーヤーは亡くなり、その後は母の妹、マハープラジャパティーによって育てられたそうです。
釈迦には二人の母が居たのです。

釈迦は産まれた途端、七歩歩いて右手で天を指し左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と話したと伝えられていますね。
そこまでの「釈迦誕生」のお話を、ガイドさんは熱心に説明してくれました。



回廊の右手の壁にはレリーフが更に続き、釈迦が菩提樹のもとで悟りを開くまでのお話をユックリと見て廻りました。

正直「我が家は仏教の禅宗です」などとオージーに話していたことが恥ずかしいくらい、仏教に関しては無知でした
この「イスラム教徒」が圧倒的に多い国の遺跡で教わるとは・・・



日本人には御馴染みの「仏像」の姿です。何故か心休まりますね。

1000年近くも密林の中に眠っていたそうですが、「イスラム教徒」から破壊を免れるために、信者が埋めたという説もあるようです。



仏像の後ろ側に立つと周囲の山々が見渡せます。
この山々のシルエットが、仏が横になった「涅槃像」の姿にも見えると有名だそうです。
反対側には遠くうっすらと、煙を吐いている火山も見えました。



さていよいよ最後の急階段を登ると、正面に大ストゥーパー(卒塔婆)が現れました。
このてっぺんには以前チャトゥラ(相輪)という装飾物が備え付けられていたそうですが、カミナリで破壊され今はありません。

階段を登りきるとそこは「無色」の世界・・・
大乗仏教の世界観を表わす風景が広がっていました。 
 

                               

話は変わりますが、前回紹介した我が家の「ハクモクレン」は春の嵐に見舞われた日曜日にあっと言う間に散りました。
わずか三日の短い花の命でした。
今では少々無残な姿をさらしています。

これも仏教でいう所の「無常の世界」なのでしょうか・・・?
ふと「平家物語」の冒頭が口から出ました。

       祗園精舎の鐘の声、
       諸行無常の響きあり。
       娑羅双樹の花の色、
       盛者必衰の理をあらは(わ)す。
       おごれる人も久しからず、
       唯春の夜の夢のごとし。
       たけき者も遂にはほろびぬ、
       偏に風の前の塵に同じ。

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆ekoさんへ (naoママ)
2009-03-27 09:02:09
私も去年から花粉症が出て、今は目が痒くて鼻の奥が痛いです。60を過ぎたら色々出てきました。
体力があるうちに出かけなくてはと焦りますが・・・
だんだん気力も失せてきそうです。

でも今回のボロブドゥール見学では70代のご夫妻が一緒でしたから、まだまだ大丈夫!と元気をもらいました。

旅は三回楽しめると言います。
行く前の計画で楽しみ、行って楽しみ、帰ってからの写真整理で楽しみ・・・
私は今「バリ旅行」三度目の楽しみを味わっています。
お付き合いいただき感謝しておりますよ。
ありがとうございます。
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☆モカさんへ (naoママ)
2009-03-27 08:48:53
ハクモクレンはあっと言う間に終わりましたが、桜の開花宣言は出たものの寒い日が続き、いつ満開になるのやら?
お花見の日程が中々決まりません。

このボロブドールでは曇り空の生憎のお天気でしたが、スコールのような雨には降られず良かったです。
叉、太陽の光がない分、画像もモノクロ風とナリ「無の世界」を感じていただければ幸いです。

私などとても仏教徒とは言えない様な、浅い知識しかありませんが、仏像を見ると何故かホッとしますね。
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☆siawasekunさんへ (naoママ)
2009-03-27 08:37:35
この「ボロブドゥール仏教遺跡」はアンコールワットと並ぶ世界三大仏教遺跡の一つです。
青い空を背景にした写真を撮りたかったのですが、生憎の曇り空・・・
それが返って「無の世界」が感じられ良かったかもしれません。

我が家も、外人さんなどから「何教徒か?」と問われれば、一応は「仏教徒」と答えていますが、お釈迦様の事などは何も知らず、ここで教えられました。
お恥ずかしい限りです。

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仏教遺跡 (eko)
2009-03-26 18:21:15
naoママさん今晩は。ちょっと、怖そうな飛行機でジャワ島へ行かれたんですね。
ボロブドゥールの仏教遺跡、規模が大きいですね。
いつもながらの解説、凄いです。
暑い中、歩き、写真を撮り、整理して見せて頂き、私などありがたいです。
白木蓮、3日で終わりでしたか。さびしいですね。
私も、いつ散るか分からない、花です。花粉症でぐずぐずしていると、気持がしますね。
naoママさんの元気の気を、いただきました。
又教えて下さい。ありがとうございます。
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ボロブドゥール仏教遺跡 (モカ)
2009-03-26 11:28:13
naoママさま、こんにちは~~♪

ボロブドゥール仏教遺跡、立派な遺産ですね。
神聖な空気が漂っているようで感動しております。

naoママさまがの細かいご説明によりレリーフなどひとつ一つ
ゆっくり見て回りたい気持ちになります。
大した仏教徒ではありませんが、仏像の姿に安心感を覚えます。
仏像から見た山々が涅槃像に見えました。

綺麗なハクモクレンの姿でした。
たった3日の命だったとは、実に儚いものです~。
美しさと引き換えのようですね。
今、拝見しましてジ~ンときております。
いつもありがとうございます。
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おはようございます (siawasekun)
2009-03-26 04:47:26
ジャワ島へ・「ボロブドゥール仏教遺跡」、・・・・・・。
素敵なショットから、様子、雰囲気、伝わってきました。

居ながらにして、眺められ、とても、嬉しかったです。
いろいろ見て、楽しめました。

見せていただき、siawase気分です。
ありがとうございました。
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☆ミンゴさんへ (naoママ)
2009-03-26 02:28:17
シモクレンはハクモクレンよりも少し後ですね。
我が家のご近所のシモクレンは三分咲きくらいでした。
今週は先週の暖かさがウソのようで、桜も開花したものの満開は少し先になりそうですね。

平家物語、まだ暗記していますか?
今回、私は「ただ春の夜の夢の如し」の後が中々出てきませんでした

ここは丘全体がまるごと仏教遺跡で、その規模の大きさに圧倒されました。
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☆marriさんへ (naoママ)
2009-03-26 01:51:46
行きたい所はたくさんあり、アンコールワットも是非行きたいのですが・・・
気力・体力・財力がいつまであるのかと不安です。
この「ボロブドゥール」とよく似ているのですね。

阿蘇は昔昔若かりし頃に行きましたが、「大観峰」からの眺めも知りません。
やはり「涅槃像」に見えるのですね。

「元気な内に行きたい所に行こう!」と思っても、手かせ足かせがあり、叉、自分の活動できる時間も先が見えてきたような気がして焦ります。
もっとプラス思考で行かなくては思いつつ、ちょっと弱気になってきている昨今です。
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☆山小屋さんへ (naoママ)
2009-03-26 01:33:05
伊豆の下田の「寝姿山」、昔、家族旅行でロープウェーに乗って行きました。
ハイキングコースは歩いていませんので、今度検討してみますね。
伊豆の山は主に冬から春に歩いています。

この「ボロブドゥール仏教遺跡」のすぐそばに、山小屋さんが海南島編で紹介していた黄色いお花と同じお花が咲いていました。
次回UPする予定なので、山小屋さんの所で名前を調べなくては・・・
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☆だんだんさんへ (naoママ)
2009-03-26 01:21:22
お釈迦様の事さえよく知らないのに、「私は仏教徒です」などととてもいえないなぁ~と思いました。
イエス・キリストを知らないキリスト教徒なんていないでしょうね。

日本人が拝むのはお釈迦様ではなく、ご先祖様やヤオヨロズの神様だと思います。
ですから最近の日本では宗教戦争などは起こらないのが当たり前なんでしょうね。
これはこれで好いのかも知れませんね。
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Unknown (ミンゴ)
2009-03-25 17:27:57
仏像の周りにレリーフもあるとは!凄いですね。
山のシルエット涅槃像に見えるような・・・

ハクモクレンは3日でしたか。
実家のシモクレンは昨日まだ蕾でした。
少し遅いですね。

平家物語、学生の頃暗記して皆の前で発表でしたーー;
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大観峰 (marri)
2009-03-25 16:26:14
熊本・阿蘇山の大観峰からの山の姿がこのようです。
柔らかな寝姿に見えるんですよ^^

アンコールワットと良く似ていますね。
石で掘った壁画に、物語が絵で表現されています。
グルリと廻って全部見ました。忘れました。
お釈迦様の誕生のお話なんかも色んな形で聞かされました。
でも、貴女の様に、はっきりと説明できないです^^;;
何かと詳しく掲載されていて、読みやすいです。

仏像の後ろに廻っての山の風景、素敵な構図になってますね。
いいなぁ~!
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仏教遺産 (山小屋)
2009-03-25 14:13:31
立派な仏教遺産ですね。
たくさんの仏像をゆっくり見て歩きたい感じでした。

山は確かに「涅槃像」に見えました。
伊豆の下田にも「寝姿山」というのがあります。
お釈迦様が寝ている姿に見えるそうです。
ロープウエイですぐに登れる山です。
ハイキングコースもありますから、naoママさんはもう歩いているでしょうね。
また海が見たくなりました。
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ボルヴドウール (だんだん)
2009-03-25 12:20:45
モノクロに近い画像が、仏教遺跡を神聖なものにしていて、心打たれました!

日本人は、仏壇備えて手を合わせますが、アジアの人ほど祈りを真面目にしてるのか?
そういう疑問はありますね。
自分が無宗教みたいなものなのに、家の仏壇にお参りし、寺に賽銭あげて手を合わせ・・・

何かのきっかけがなければ、本気で仏を考えるようにはならないでしょうか
返信する
☆風の旅人さんへ (naoママ)
2009-03-25 11:02:10
極東の島国の日本と違い、インドネシアはマレー系と言っても人種的には200以上の多民族国家です。
様々な宗教、様々な人種によっての統治が繰り返されたようですね。

近年、大統領が「この遺跡がインドネシアの国家的文化遺産」と宣言した後に、イスラム教徒による爆破事件もあったとか・・・

王朝が滅びると同時に密林の中で忘れられ、火山灰に埋もれていったと言われているこの仏教遺跡ですが、イスラムからの破壊を免れるために、信徒達が埋めたと言う別説もあるようです。

1000年経った今でも宗教戦争はあり、アルカイダによる「石壁の仏像」が爆破されたニュースを見て心痛めました。
悠久の眠りから目覚めたこの「ボロブドゥール仏教遺跡」
大事に守りたいですね。
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☆ごん魔女さんへ (naoママ)
2009-03-25 10:43:37
お婿さんがオプショナルツァーを利用して行かれるのですか・・・
悠久の歴史がありロマンがある遺跡は男性にも好まれるのでしょうね。
個人で行ってもガイドさんをつけなくては理解できないので、ツァーの利用は正解でした。

この後もう一つ遺跡を見て、ランチ、ジャワ更紗の工房、世界遺産「プラバナン寺院群」と目いっぱい廻りました。
朝5時前にホテルを出発し、帰ったのが夜中の11時過ぎ!
体力があるうちでないと見て廻れませんね。
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遺跡の保護 (風の旅人)
2009-03-24 23:45:41
1000年の眠りから覚めたような遺跡の数々。
その間政治的にも宗教的にも変遷があっただろうに、よくぞこのような形で残っていたんですね。

突然の政変が起きて、廃墟となった後に忘れ去られてしまう。
日本では考えられないことだけど、ジャングルという特殊な環境のもとでは、全体を覆い尽くすのに多くの歳月はいらないかも。

こうした貴重な遺跡は、これからも保存されると良いですね。
怖いのは政治や宗教観の違いから、破壊する心が生まれることです。
そうならないように願うだけです。
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二度目 (ごん魔女)
2009-03-24 19:22:28
詳しい説明とともにもう一度歩いた気分です。
あの時より楽ちんで階段もしんどくないしね。(笑)
今度は私は行きませんが娘の旦那さんはオプションで日帰りツアーを申し込んでいます。私と娘はその間エステ三昧(笑)
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