自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

銀河英雄伝説 第38話 その2

2006-06-29 | 銀河英雄伝説
続きです。その1よりお読み下さい。

***

ムライが、メルカッツ提督のご見識は分かりましたが、具体的にはどうされるおつもりか・・・とさらに問うと、ヤンが、組織の中に居るものが、自分自身の都合だけで身を処する事が出来たら、さぞいいだろうと思うよ。私だって政府のお偉方には、言いたい事が山ほどあるんだ。特に腹立たしいのは、勝手に彼らが決めた事を無理に押し付けてくる事さ。と返し、本国政府の出方を待とうと締めくくった。

シェーンコップはヤンに、言いたい事があるのなら言ってみたら良かったのです。「王様の耳はロバの耳」と怒鳴れば少しは気が晴れるでしょう、と言うが、ヤンは、公の席で現役の軍人が、政治批判をする訳にはいかないと言う。
思うのは自由だが、言うのは必ずしも自由じゃないのさ、とヤン提督。
シェーンコップは、言論の自由は思想の自由よりテラトリーが狭いと言う訳ですな。
自由惑星同盟の「自由」とはどちらに由来するんですかな?と返した。

メルカッツ提督とシュナイダーの会話です。

メルカッツ(納谷悟朗)「人間の想像力等、たかの知れたものだな。まさかこういう運命が待ち受けていようとは、つい一年前には考えもしなかった。」
シュナイダー(目黒裕一)「小官は自分なりに閣下の為に良かれと思って亡命をお勧めしたのですが・・・。」後悔している気味のシュナイダー君です。
メルカッツ「ほう、卿は喜ぶと思ったがな。ローエングラム公と対決する者にとって、これ以上の肩書きはないと言う気がするんだが。」
シュナイダー「正統政府の軍務尚書と言えば聞こえはいいですが、実情としては、閣下が指揮なさる兵士の一人もいないではありませんか。」
メルカッツ「一兵をも指揮する身でない事は、現在も同様だが。」
シュナイダー「それでも、ヤン提督の艦隊を一時ながら預かって指揮をなさいました。今度はそれすら望めません。虚名があるのみで、一グラムの実もありはしない。
レムシャイド伯はまだしも、他の人たちは爵位を持つ貴族と言う以外に、何ら特徴のない人達ではありませんか。あの面々でローエングラム公への反対者を糾合出来るものやら、小官は危ぶまざるを得ません。」
メルカッツ「だが、皇帝陛下がおわす。」
シュナイダー君、ハッとしていました。(笑)
「あまり思い煩っても仕方がないな。まだ正式に要請を受けた訳でもない。ゆっくり考えるとしよう。」(提督~~~、そんなノンキな事言ってる場合じゃないと思うな。爆)

ローエングラム公から同盟に向けて、演説が流された。
テロリスト達によって、皇帝陛下が拉致された。旧体制下にあってフェザーン駐在の高等弁務官として私服を肥やした、レムシャイド伯と旧門閥貴族の一統が犯人であると言う。
不法かつ卑劣な手段によって幼年の皇帝を誘拐し、歴史を逆流させ、人民の権利を強奪しようとする門閥貴族の残党どもは、その悪行に相応しい報いを受けるだろう。
彼らと手を組み、宇宙の平和と秩序を乱す自由惑星同盟の野心家も同様である。
「・・・誤った選択は、正しい懲罰によってこそ、矯正すべきである。罪人に必要なのは交渉でも説得でもない・・・ただ力のみが彼らの暗きを開かせるだろう。
今後どれほど多量の血が流される事になろうとも、責任は、あげて愚劣な誘拐犯とその共犯者にある事を明記せよ!」と、宣戦布告を宣言した。

イゼルローンが再び戦場になる日は近い。

***

「皇帝陛下がおわす」の一言、かなりインパクトがありました。
やはりゴールデンバウム王朝に40年以上仕えたからこそ出てくるセリフでしょう。

ヤン提督は、本当に聡明な方だと思いました。

あとは、同盟の人間が(ヤンも含めて)メルカッツ提督に敬語を使い続けるのが、何となく嬉しいです。(笑)

***

キャスト

ラインハルト:堀川亮
ヤン:富山敬
ユリアン:佐々木望

ルビンスキー:小林清志
ケッセルリンク(ルパート):鈴置洋孝
ドミニク:平野文

キャゼルヌ:キートン山田
シェーンコップ:羽佐間道夫
ムライ:青野武
アッテンボロー:井上和彦

レムシャイド:小林恭治
ランズベルグ:塩屋翼
エルウィン・ヨーゼフ:江森浩子
ボーメル:島香裕

メルカッツ:納谷悟朗
シュナイダー:目黒裕一
ポプラン:古川登志夫
コーネフ:鈴置洋孝(注3)

トリューニヒト:石塚運昇
ナレーター:屋良有作

***

(注1)今回登場していませんが、ボルテックは、仁内達之氏です。最初の頃は、いつも小林清志氏のルビンスキーと一緒に登場していました。
(注2)これも登場していませんが、デグスビィ役は、納谷六朗氏です。
(注3)鈴置氏、二役です。
暗い感じの野心家ルパートと明るいコーネフを、演じ分けて下さっています。
イワン・コーネフは、フェザーンの自由商人ボリス・コーネフ(安原義人氏)とは従兄弟の設定だったと思います。

*次回は第55話「儀式から再び幕は上がり」をご紹介します。
理由:家弓さんも出ているから。(爆)
「銀河英雄伝説」のご紹介は次回で、一応オワリの予定です。


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銀河英雄伝説 第38話 その1

2006-06-29 | 銀河英雄伝説
「銀河英雄伝説」 第38話 「矢は放たれた」
役名:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

帝国から自由惑星同盟への亡命者を運ぶのも、フェザーン商船の仕事の一つだった。
初期の頃は帝国の圧制から逃れた共和主義者が大半だったが、最近では、政治闘争に敗れた貴族や皇族の亡命も増えていた。

ロシナンテ号のボーメル船長が今運んでいるのは、大変高貴な方らしいが、とにかく全く躾のされていないどうしようもない子供だった。
弁務官事務所からのお声がかりだと言う。
何故か、リップシュタット連合軍で、いつもフレーゲル男爵(二又氏)らと一緒に居たランズベルグ伯(塩屋翼氏)が、この方に同行していました。
どうやって生き残ったんでしょう、ランズベルグ伯?
そしてどうしてここに居るんでしょう?(笑)
だいたい詩人の彼が、どうして勇ましく(??)リップシュタット連合軍に加わっていたのか、それからして結構不思議でした。(笑)

フェザーンでは、ルパート(鈴置氏)がルビンスキー(小林清志氏)に、皇帝の一行は一週間後にフェザーンに到着し、レムシャイド伯(小林恭治氏)と合流して同盟に向かう予定です、と報告する。
それを聞いたルビンスキーは、ボルテック(注1)の交渉が上手く行ったようだと喜んだ。
ルパートは、そうとばかりも言えません。ローエングラム公(堀川氏)を手玉に取ったつもりが、実は手玉に取られたのはボルテックの方かもしれません、と指摘するのだった。

ルパートは愛人のドミニク(平野文氏)の元へ行き憩うが、ドミニクに地球教の司教デグスビィ(注2)の弱みを握って欲しいと頼む。
味方にするの?と聞くドミニクに「手下にするのだ。」とルパートは答えた。

イゼルローン要塞では・・・。
静かで平穏な日だった。
が、本国からの重大発表があり、全員が視聴する様にと、命令が下っていた。
最高評議会議長のヨブ・トリューニヒト(石塚氏)が、全人類の歴史に巨大な転機が訪れた事を宣言すると言い、更に自由惑星同盟は、帝国からの亡命者を迎えたと言うのだった。
その亡命者の名は、エルウィン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム。
ゴールデンバウム王朝の最後の皇帝、幼帝エルウィン・ヨーゼフ二世、その人だった。

エルウィン・ヨーゼフ陛下の下に、亡命者達による正統政府をここに樹立すると言う。
亡命政権の代表者として、レムシャイド伯が挨拶し、正統政府の閣僚名簿が発表された。
国務尚書にレムシャイド伯。そして軍務尚書にメルカッツ提督。
またまた自分の知らない所で、事が動いているメルカッツ提督です。
驚愕するメルカッツとシュナイダーだったが、シュナイダーが、全くの初耳なのです。どうしてレムシャイド伯が閣下の名前を出されたのか、こちらが知りたいほどです、と説明すると、

ヤン提督(富山氏)「わかっている。誰もメルカッツ提督が御自分で売り込まれたなどとは思っていないさ。私がレムシャイド伯とやらでも、メルカッツ提督に軍務尚書の座を提供するだろう。他の候補など考えられない。」
シェーンコップ(羽佐間氏)「同感ですな。」

と、二人がフォローしてくれました。(笑)

わずか七歳の幼帝が自ら亡命してきたはずはなかった。
銀河帝国とゴールデンバウム家が一体で無くなった事は、確かだった。

ヤンは、分裂した敵の一方と手を結ぶのは、良くある事だが、その手を結ぶ時期が既に遅すぎたばかりか、その実力もない相手であり、この件で一番利益を得るのは、ローエングラム公だと気付く。
皇帝陛下の受け入れを巡る、同盟国内の分裂。そして皇帝奪還を目的にした、軍事行動の正当化。故意に皇帝を逃がしたと考えるのが一番妥当だった。
今回の事によって、同盟は帝国の反動勢力の共犯者になってしまった。
帝国の民衆は、門閥貴族を憎むのと同じ様に、自由惑星同盟を憎むようになるだろう。

ヤンは、旧門閥貴族の残党には、皇帝誘拐を成功する力は残っていないはずと読んだ。
また皇帝は亡命に、イゼルローン回廊を通っておらず、フェザーンが介入している・・・と、言うより、ローエングラム公とフェザーンが手を組んでいると、ヤンは、相変わらず見事な洞察力でした。

街ではナイト(「騎士」のナイトの様です。)シンドロームが蔓延していた。
幼い皇帝を守って、正義の為に戦うのだと言う。
ゴールデンバウムを守るのが正義とは・・・とシェーンコップが皮肉った。

キャゼルヌ(キートン山田氏)やシェーンコップが、童話の正義を語っている時(昔から、王子や王女が正義で、大臣が悪と相場が決まっている。しかし童話のレベルで政治を判断されてはたまったものではない、と言うのだった。)、ヤンは、大貴族の支配から解放された250億の民衆は、反動勢力と手を組んだ同盟を許さないだろう。われわれは帝国の国民軍と戦うのか?その時、正義はむしろ彼らの側にあるのではないのか?と考えるのだった。

ムライ(青野氏)にメルカッツ提督はいかがなさるのですか?と問われ、メルカッツは、皇帝陛下への忠誠心は、彼らに劣らぬつもりですが、陛下には一市民として波乱のない生活を送って頂きたいと思っています、と答えた。
メルカッツには、彼らが、幼い陛下を政争と戦争の渦中に置こうとしている事が、不可解なのだった。
亡命政権など作った所で、ローエングラム公の覇権を覆す事は不可能でしょう・・・亡命政権を作るなら、自分達だけで作ればいい。
判断力も備えておいででない陛下を巻き込む事はないはずです、と言うのだった。

これを聞いて、シェーンコップは、需要と供給が見事に一致したんですな、と指摘した。
ローエングラム公の権力基盤は民衆であり、皇帝の権威を必要としない。
一方レムシャイド伯は亡命政権において主導権を握る為に、皇帝が必要なのだ。

***

その2に続く


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