自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

闇の守り人 第8回 その2

2007-06-22 | オーディオ・ドラマ
続きです。その1よりお読み下さい。

***

出発は翌日の夜明けだった。
バルサとカッサは国境の洞窟の前に立っていた。
カッサの父トンノ、ラルーグ、トトが旅立ちを見送ろうとしていた。
トトは、暗闇で目が見えるようにするトガルの葉と食料が入った袋を彼らに渡した。
ヨヨが案内についた。
トトは、バルサ達にトガルの葉を儀式場で使わぬよう忠告する。
バルサが理由を問うと、ラルーグがヒョウル闇の守り人の姿を見た者は、二度と地上に戻れないからだと説明した。
ルイシャ贈りの儀式にまつわるカンバル王とユグロの陰謀を阻止する為、バルサ達は洞窟に足を踏み入れた。

後に残ったトトとラルーグ。
悟朗さんと熊倉さんの対話が続きます。大ベテランのお二人、圧倒的な迫力です。
セリフをご紹介します!!!(沢さんのナレも一行オマケ!!!)

熊倉「バルサが上手くやってくれるといいんじゃが。」
納谷「ヒョウル闇の守り人はバルサを待っていたのか。」
熊倉「ああ、そうに違いなかろう。バルサとヒョウルがこの洞窟で出会い、15年も遅れた儀式がようやく始まろうとしているのじゃ。」
納谷「今回の儀式は、いつにも増して特別の物だ。我ら地上の民は、この穢れたログサム王の陰謀を清めねばならん。」
熊倉「そして、同じ様に穢された地の底の民、ヒョウル闇の守り人を弔らわなければならぬのじゃ。」
納谷「やはりバルサほどこの儀式を清めるのにふさわしい人間はおらぬ。」
熊倉「ん、祈ろう。」
納谷「ん。」
熊倉「バルサがこの国を清め、彼らを弔ってくれる事を。」
沢「誰も知らない秘密を語り合い、二人は静かに祈りを捧げた。」

一方バルサ達は洞窟を下り、日の光が届かぬ深さまで到達していた。
トガルの葉を使う時が来た。
三人の目に白い光が飛び込んできた。
白磨石(はくませき)だ。
さらに進むと、沢山の枝道があるが、ヨヨは迷う事なく進んで行く。
しばらく行くと、洞窟の景色が一転した。
緑白石(りょくはくせき)だ。
その先はせまい枝穴だった。彼らはよつんばいになって進む。
水音がした。川だ。
狭い枝穴から這い出ると、出口の先は切り立った崖だった。
その下には急流が、緑の岸壁を削りながら流れていた。

***

悟朗さんの役は、前回のルイシャ贈りの儀式のたった一人の生き残りでした。
(それが何なのか良く分かりませんが。苦笑)
とても重みがあり、この人はきっともの凄い尊敬を受けているんだろうな・・・と即思わせてくれます。サスガ、貫禄抜群でいらっしゃいました。
10話中この1話のみのご出演ですが、とても存在感がありました。

拝聴出来て本当に嬉しかったです。
最初にファンになったのがラジオドラマだった事もあり、やはりオーディオ・ドラマは一番好きなジャンルです!!!

***

Special Thanks:松村様。有難う御座いました。

原作:上橋菜穂子


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闇の守り人 第8回 その1

2007-06-22 | オーディオ・ドラマ
NHK青春アドベンチャー 「闇の守り人」 (全10回)
第8回 (2007年4月25日放送)
役名:ラルーグ

ラジオドラマ「闇の守り人」から、悟朗さんが登場された第8回をご紹介します。
あくまでも、この回のみをご紹介しております。
この物語に詳しくありません。
前回のラジオドラマ(「精霊の守り人」)も原作も全く分かりませんので、その点ご理解の上でお読み下さい。

<キャスト> (第8回のキャストです。)
バルサ:唐沢潤
トト:熊倉一雄
カッサ:小野賢章
ラルーグ:納谷悟朗
ヨヨ:松野太紀
カグロ:松井範雄
トンノ:小林達夫
語り:沢りつお

***

カッサが行くと言う。
カッサの用心棒バルサに、トト長老(熊倉氏)が地上の民の計画を止める方法を伝えていた。
前の儀式のたった一人の生き残り、ヨンサ氏族の長老ラルーグに手紙を書いてもらい、儀式場でその手紙をカッサが読み上げ、王を説得すると言うものだった。
バルサは話しにならないと言うが、トトは運命だと告げる。
再び「行きます。」とカッサ。
では手を打っておこうと、トトが言った。

悟朗さん早速ご登場です!
納谷「前のルイシャ贈りの儀式から35年。今年ようやく山の底の扉が開かれた。」
とても重厚で最高です!
納谷「まさか、信じられぬ。山の王の民来たりて呼びかけん。」
ラルーグが窓を開けると、闇の中に青い一対の光が見えた。
納谷「おお、山の王の民よ。35年ぶりに会いまみえまする。ようこそおいで下された。」
そして自分に何の用かと尋ねるのだった。

氏族の長カグロは、ラルーグを迎えた。
カグロ、ラルーグ、バルサが揃った。
そこでバルサは自分がカルナの娘にして、ジグロに育てられた者だと名乗る。
カグロは、この者が大罪を犯し、わが氏族に仇なす者である事はご存知のはず・・・と驚いた。ラルーグは、訳をお話申す、「そこにカンバルの滅びがかかっている。」と言い、バルサの父カルナが王の主治医であった事。ジグロの親友であった事。ログサムの陰謀について語った。
そしてバルサが長い逃亡生活の話をした。
が、これらが真実である証拠は無いのだと言う。

納谷「思い出してくれ、カグロ。あの頃の事を。」
ログサム王がどんな男であったか。そしてジグロのまっすぐで精悍な目を思い出して欲しいと頼んだ。
バルサは、兄のあなたが、ジグロが卑劣な男ではなかった事を信じてくれるなら、ここまで来たかいがあったと続けた。
カグロは「信じよう」と言うが、この話を公には出来ない。こまま立ち去って欲しいと言うのだった。
が、バルサもラルーグも、やらなければならない仕事が残っていると言う。

カグロに新たなる陰謀が伝えられた。
ルイシャ青光石(せいこうせき)を自由に掘り出すための儀式の終わり。その最後の扉が開いた時、数百の兵で山の王の宮殿へ攻め込む。これがユグロ達の計画だった。

カンバル人はカンバルの幸せを考えるべきだと言うカグロ。
ルイシャ青光石はカンバルには自由にならぬ宝でありながら、その宝にカンバルの生活は左右される。ユグロ達の考えが正しいとは思えませんか?と問う。

それを聞いたラルーグは、うめきつつ手を伸ばし、カグロの手を握りしめた。
納谷「それはとんでもなく愚かな夢だ。山の王は、そなた達が考えている様な者ではないのだ。」
だが詳しく話す事は出来ないと言う。沈黙の掟の為だけではなく、言葉には言い表わせないだ。

ラルーグはカッサに、自分の手紙をカンバル王のもとへ届けてもらわねばならん、と告げる。
カッサは「はい」と返事した。
カッサの父トンノは、そんな事は無理だと言うが、カッサは、届けなければ国が滅びてしまう。「だから俺、行きます。」とはっきり言うのだった。
そしてバルサも、カッサと一緒でなかったら、地上へは戻らないと宣言した。

***

その2に続く


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