▼ コロナ騒動が始まって、1年がすぎた。
まさかまさかと思う間に、ウイルス感染症が世界中に蔓延し、
人々の営みをこれほどまでに狂わせるとは、・・・。
いまだ私は、その変化に十分対応できないままだ.。
地球規模で始まるワクチン接種が、
果たして流れをかえることができるのか。
急ぎ開発されたワクチンだけに、
決して根絶を期待することはできないように思う。
それでも、せめて今の状況を緩和する力になってほしいと願う。
▼ さて、コロナに加え、いつになく雪の多い当地だ。
日常生活が、大きく制限されている。
毎朝、日課のように雪かきが待っている。
豪雪地区の方からは呆れられる程の積雪でしかないが、
30分から小1時間をかけて自宅前をきれいにする。
その後、ゆっくりと朝食をとりながら、朝ドラを見て・・。
そこで次なのだが、
この冬は、その後が全くない。
氷点下の日が続く。
風邪による発熱がこわい。
だから、寒気の中の散歩もランニングも、
二の足を踏む。
自治会で2年前から始めた『子ども冬まつり』も、
中止になった。
それに伴って、打ち合わせ会もない。
だから、今年になってから、
役員さん達と顔を合わせる機会もない。
ましてや、旅行など不要不急の外出はしない。
折角買い求めた新車『カムリ』も、遠出ができないままだ。
仕方なく、テレビから流れる朝や昼の情報番組に目をやる。
春から変わることなく、コロナ対応の遅れを指摘し続けるばかり・・・。
「つまらない!」。
▼ 先日、目覚まし時計に頼らず、朝を迎えた。
すぐに起き出せばいいのに、
いつまでも、ぬくぬくと掛け布団の温もりに甘えていた。
その時だ。
突然、よぎった。
「錆び付きそうだぞ、お前!」
私自身からの警告に思えた。
ジワリジワリと得体の知れない何者かに、
エネルギーを吸い取られている。
「目指すものがあれば、道がなくても進める」と、
信じてきたものが揺らいでいる。
「まだまだ!」を、
どこかに置き忘れてはいないか。
「こんな想いの時に?!」。「何故なんだ?!」。
ぬくぬくとしたベッドの中で、
学生時代以来、口ずさんだこともない、
好きになれなかった歌が、蘇ってきた。
『 若者よ♪ 体を鍛えておけ♪
美しい心が たくましい体に♪
からくも支えられる 日がいつかはくる♪
その日のために 体を鍛えておけ♪
若者よ♪ 』
やけに、心がざわついた。
だから、道はないけど、どんな日が来るか分からないけど・・・。
その日のために、「美しい心」と「たくましい体」は無理だけど・・・。
せめて、これ以上錆び付かせないようにしようと、
温もりの掛け布団をはね上げ、ベッドを出た。
「思いつくまま、
やりたいと思えたことを淡々と重ねるよう!」と決めた。
▼ ロック歌手が、NHKの歌番組で、
『ロマンス』を熱唱した。
以来、彼がカバーしたCDを聴いてみたいと思った。
当地の店になかったので、ネットで購入した。
聞き覚えのある曲の中に、
1曲だけ初めての歌があった。
昔、桜田淳子が歌っていたらしい。
作詩作曲が中島みゆきの『化粧』だ。
失恋した女心を、宮本浩次が情感込めて豊かに歌い上げていた。
『流れるな涙 心で止まれ!』
『馬鹿だね私 愛して貰えるつもりでいたなんて!』
歌詞も曲も、編曲も心を打った。
この曲に込めた哀感が、
ヒシヒシと古希を過ぎた私にも伝わる。
あの夜に化粧した女性の心情に、訳もなく共感し、
聴くたびに、切なさで息苦しくなった。
深呼吸しながら、もう一度リッセットして聴いた。
同じCDから流れる『木綿のハンカチーフ』も繊細で、
これまた私に迫ってきる。
イヤホンからの歌声を聴きながら、
まだまだ真っ直ぐ前を向ける私に気づいた。
▼ 好きな作家・桐野夏生さんが、
『日没』を出版し、新聞で話題になっていた。
作品は、映倫をもじっての、
『ブンリン』なる言論統制機関を通した、
サスペンス小説と言っていいだろう。
新聞記事によると、
この小説を執筆した動機を、桐野さんは、
昨今の政治の動向に危機感を抱いたからと語る。
暗黒の時代を予感させる結末からも、
その警鐘が聞こえてきた。
それにしても、桐野さんの小説は歯切れがいい。
一文一文の切れ味もすごい。
そして、場面展開もドラマチックで、惹きつけられる。
小説の面白さと醍醐味を、十分に堪能させてもらった。
これが呼び水になった。
買い求めたまま『ツンドク(積ん読)』になっている小説に、
手が伸びる。
門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』の次は、浅田次郎さんの『おもかげ』、 、
そして、川越宗一さんの『熱源』も・・・。
そうそう小川糸さんの『ライオンのおやつ』も読み忘れていた。
久方ぶりに、小説好きのワクワク感にハッとする。
▼ 冬場は、総合体育館の1周200メートルのランニングコースを、
走ることにしている。
コロナ禍だが、体育館では運動時に限りマスク着用が免除される。
一方通行で、どの人も無言でウオーキングやランニングをする。
家内と25週を並走すると、数日の間隔をおいて、
また、出掛ける。
そんな日が続いていた。
今年も早々と『伊達ハーフマラソン』も『洞爺湖マラソン』も
中止になった。
だから、その程度のランニングでいいと決めていた。
先日、空いている時間帯を狙って、体育館へ行った。
挨拶程度だが、顔見知りのランナーが、
4人で列をつくって走っていた。
本格的な市民ランナーで、スピード感ある走りだった。
私と家内がまだ半周の時に、追い抜かれた。
そして、また半周で4人してスイッと抜いていった。
まさに疲れを知らない走りなのだ。
だが、やがて4人の速さがばらけだし、距離があいた。
後ろのランナーが追いつこうと必死の走りになった。
なかなか追いつけない。
それでも、精一杯腕を振り、
声を張り上げ、後を追い続けた。
形相もかわり、歪んで見えた。
ますます差が開いた。
なのに、追いかけるのを諦めない。
遠目にも、その必死さが伝わってきた。
「すごい!」。
「一日おきにこのコースを走ろう!」。
私は、何を諦めないつもりなのか。
それは明瞭ではない。
でも、何かを諦めたくなかった。
ここでも、あの歌が聞こえた。
『体を鍛えておけ』って!
日本一(?)海に近い 『北舟岡駅』
まさかまさかと思う間に、ウイルス感染症が世界中に蔓延し、
人々の営みをこれほどまでに狂わせるとは、・・・。
いまだ私は、その変化に十分対応できないままだ.。
地球規模で始まるワクチン接種が、
果たして流れをかえることができるのか。
急ぎ開発されたワクチンだけに、
決して根絶を期待することはできないように思う。
それでも、せめて今の状況を緩和する力になってほしいと願う。
▼ さて、コロナに加え、いつになく雪の多い当地だ。
日常生活が、大きく制限されている。
毎朝、日課のように雪かきが待っている。
豪雪地区の方からは呆れられる程の積雪でしかないが、
30分から小1時間をかけて自宅前をきれいにする。
その後、ゆっくりと朝食をとりながら、朝ドラを見て・・。
そこで次なのだが、
この冬は、その後が全くない。
氷点下の日が続く。
風邪による発熱がこわい。
だから、寒気の中の散歩もランニングも、
二の足を踏む。
自治会で2年前から始めた『子ども冬まつり』も、
中止になった。
それに伴って、打ち合わせ会もない。
だから、今年になってから、
役員さん達と顔を合わせる機会もない。
ましてや、旅行など不要不急の外出はしない。
折角買い求めた新車『カムリ』も、遠出ができないままだ。
仕方なく、テレビから流れる朝や昼の情報番組に目をやる。
春から変わることなく、コロナ対応の遅れを指摘し続けるばかり・・・。
「つまらない!」。
▼ 先日、目覚まし時計に頼らず、朝を迎えた。
すぐに起き出せばいいのに、
いつまでも、ぬくぬくと掛け布団の温もりに甘えていた。
その時だ。
突然、よぎった。
「錆び付きそうだぞ、お前!」
私自身からの警告に思えた。
ジワリジワリと得体の知れない何者かに、
エネルギーを吸い取られている。
「目指すものがあれば、道がなくても進める」と、
信じてきたものが揺らいでいる。
「まだまだ!」を、
どこかに置き忘れてはいないか。
「こんな想いの時に?!」。「何故なんだ?!」。
ぬくぬくとしたベッドの中で、
学生時代以来、口ずさんだこともない、
好きになれなかった歌が、蘇ってきた。
『 若者よ♪ 体を鍛えておけ♪
美しい心が たくましい体に♪
からくも支えられる 日がいつかはくる♪
その日のために 体を鍛えておけ♪
若者よ♪ 』
やけに、心がざわついた。
だから、道はないけど、どんな日が来るか分からないけど・・・。
その日のために、「美しい心」と「たくましい体」は無理だけど・・・。
せめて、これ以上錆び付かせないようにしようと、
温もりの掛け布団をはね上げ、ベッドを出た。
「思いつくまま、
やりたいと思えたことを淡々と重ねるよう!」と決めた。
▼ ロック歌手が、NHKの歌番組で、
『ロマンス』を熱唱した。
以来、彼がカバーしたCDを聴いてみたいと思った。
当地の店になかったので、ネットで購入した。
聞き覚えのある曲の中に、
1曲だけ初めての歌があった。
昔、桜田淳子が歌っていたらしい。
作詩作曲が中島みゆきの『化粧』だ。
失恋した女心を、宮本浩次が情感込めて豊かに歌い上げていた。
『流れるな涙 心で止まれ!』
『馬鹿だね私 愛して貰えるつもりでいたなんて!』
歌詞も曲も、編曲も心を打った。
この曲に込めた哀感が、
ヒシヒシと古希を過ぎた私にも伝わる。
あの夜に化粧した女性の心情に、訳もなく共感し、
聴くたびに、切なさで息苦しくなった。
深呼吸しながら、もう一度リッセットして聴いた。
同じCDから流れる『木綿のハンカチーフ』も繊細で、
これまた私に迫ってきる。
イヤホンからの歌声を聴きながら、
まだまだ真っ直ぐ前を向ける私に気づいた。
▼ 好きな作家・桐野夏生さんが、
『日没』を出版し、新聞で話題になっていた。
作品は、映倫をもじっての、
『ブンリン』なる言論統制機関を通した、
サスペンス小説と言っていいだろう。
新聞記事によると、
この小説を執筆した動機を、桐野さんは、
昨今の政治の動向に危機感を抱いたからと語る。
暗黒の時代を予感させる結末からも、
その警鐘が聞こえてきた。
それにしても、桐野さんの小説は歯切れがいい。
一文一文の切れ味もすごい。
そして、場面展開もドラマチックで、惹きつけられる。
小説の面白さと醍醐味を、十分に堪能させてもらった。
これが呼び水になった。
買い求めたまま『ツンドク(積ん読)』になっている小説に、
手が伸びる。
門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』の次は、浅田次郎さんの『おもかげ』、 、
そして、川越宗一さんの『熱源』も・・・。
そうそう小川糸さんの『ライオンのおやつ』も読み忘れていた。
久方ぶりに、小説好きのワクワク感にハッとする。
▼ 冬場は、総合体育館の1周200メートルのランニングコースを、
走ることにしている。
コロナ禍だが、体育館では運動時に限りマスク着用が免除される。
一方通行で、どの人も無言でウオーキングやランニングをする。
家内と25週を並走すると、数日の間隔をおいて、
また、出掛ける。
そんな日が続いていた。
今年も早々と『伊達ハーフマラソン』も『洞爺湖マラソン』も
中止になった。
だから、その程度のランニングでいいと決めていた。
先日、空いている時間帯を狙って、体育館へ行った。
挨拶程度だが、顔見知りのランナーが、
4人で列をつくって走っていた。
本格的な市民ランナーで、スピード感ある走りだった。
私と家内がまだ半周の時に、追い抜かれた。
そして、また半周で4人してスイッと抜いていった。
まさに疲れを知らない走りなのだ。
だが、やがて4人の速さがばらけだし、距離があいた。
後ろのランナーが追いつこうと必死の走りになった。
なかなか追いつけない。
それでも、精一杯腕を振り、
声を張り上げ、後を追い続けた。
形相もかわり、歪んで見えた。
ますます差が開いた。
なのに、追いかけるのを諦めない。
遠目にも、その必死さが伝わってきた。
「すごい!」。
「一日おきにこのコースを走ろう!」。
私は、何を諦めないつもりなのか。
それは明瞭ではない。
でも、何かを諦めたくなかった。
ここでも、あの歌が聞こえた。
『体を鍛えておけ』って!
日本一(?)海に近い 『北舟岡駅』
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