ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

異変は 突然やってきた!

2022-07-30 12:04:13 | 思い
 伊達に居を構えて、2回目の春を迎えた頃、
右腕の異変に気づいた。

 何の違和感もなく使っていた箸が、
徐々に使いにくくなった。
 やがて小さな物を摘まんで持ち上げるのが、
難しくなった。

 総合病院の外科を受診した。
医師は専門外だったのか、
「箸の使い方も年齢と共に、だんだんできなくなります。
しばらく様子を見て下さい」
と、言う。
 やや憤慨したが、静かに帰ってきた。

 それからは、腰の治療で何度か通院した接骨院で、
電気治療を受けた。
 しばらくして、専門医の受診を勧められた。
「もしかすると、尺骨神経損傷かも知れないので・・」。

 早速、専門医を探した。
幸いなことに、電話に出た総合病院の看護師が、
室蘭の製鉄記念病院の外科に、
手足を専門とする医師がいることを教えてくれた。

 数日後、受診した。
検査の結果、尺骨神経の移行手術が必要とのこと。
 
 ゴールデンウィーク開けを待って、
2時間の手術を受けた。
 術後は、期待したほど画期的な改善はなかった。

 「徐々によくなります」とその医師は言った。
あれから8年が過ぎた。
 確かに、麻痺していた右手首や薬指、小指は、
当時よりだいぶ感覚が戻ってきている。
 それにしても、完治まではまだまだ。

 でも、この間、伊達での暮らしを謳歌してきた。
朝のランニング、マラソン大会参加、
ゴルフ、近所の方々とのパークゴルフ。
 そして、術後で右手は使えなかったが、
左手だけでキーボードを打ち、このブログを始めた。
 やがて、私の随筆が地元紙に載るようにも・・。

 ところが、再び、異変は突然やってきた。

 5月下旬に、洞爺湖オンラインマラソンに参加した。
ランニング時に携帯したスマホのアプリに、
ランコースと、距離、タイムが、瞬時に記録され、
大会主催者へ自動送信される仕組みになっていた。
 私は、フルマラソンの距離を、4日かけて完走した。
後日、オンラインマラソンの完走記念メダルが届いた。
 達成感を味わえた。

 6月以降、曇天が多かった。
雨天をさけ週2回のペースで、5キロの朝ランを続けた。
 いつだって走り終えた時の爽快感は、格別。

 7月に入って4回目の朝ランでのこと。
その日に限ったことではなかったが、
4月から履き始めたシューズに、違和感があった。
 靴の中で左足の着地が外側に少しこすれていた。

 「こんな走り方をしていたら、いつかケガしたり・・」。
そう脳裏をよぎった矢先だった。
 左膝の裏側に電気のような痛みが走った。
でもその1回だけで、自宅までいつも通り走り終えた。

 ところが、翌日から徐々に徐々に膝の曲げ伸ばしに、
違和感が出始めた。
 やがて、膝をやや曲げて左足だけに体重をかけると、
痛みが走った。

 4日の間をあけて、ストレッチをしっかりしてから、
朝ランを試みた。
 最初の一歩から、痛みがあった。
「もしかしたら、走っているうちに痛みが和らぐかも」
と、期待して走り続けた。
 しかし、痛みは激しくなるばかり。
ついに1キロ半で走るのを止めた。

 それからは、歩くだけでも左足に痛みが・・。
2日置きに、接骨院で治療を受けた。
 通院後は、痛みが和らいだ。
回復に向かっていると信じた。

 そして、1週間後、再び朝ランに挑戦した。
同じ1キロ半のところで激痛に襲われ、
その後は、痛みをこらえて、どうにか自宅に戻った。

 再び接骨院で治療を受けた。
やや痛みがやわらぎ、ほっとする。

 平らな所を歩く時は、さほど痛くない。
パークゴルフの例会や、ゴルフにも行った。
 しかし、痛みは次第に増し、
とうとう痛みで深夜に目覚めるまでになった。

 仕方なく、地元病院の整形外科を受診した。
ベテラン医師は、触診後すぐに、
「膝に水が溜まっているので、
まずはそれを抜きます」と、
注射針を膝に刺した。

 「膝に水なんて、溜まったことありません」。
そう言う私に、
「抜いたら、見せてあげますから、じっとして」。
医師は、手慣れたように膝の水抜きをし、
太い注射器に採った水を見せてくれた。

 「半月板損傷ですね。どの程度かは、
MRIを撮ってみないとわかりません。
 ランニングによるケガでしょうが、
損傷次第では、手術ですね」。

 一瞬、医師の言葉に理解不能状態になった。
動揺していた。
 MRIの予約票と次回の診察予約票、
そして、1週間分の痛み止め薬の処方箋を握り、
病院を後にした。

 帰宅し、「半月板損傷」をネット検索した。
手術は30分から1時間程度で、
傷口も大きくないようだった。
 しかし、リハビリは長期のようで、
再び運動できるようになるまでに、
6か月以上の場合もあるとか・・。

 今週から小中学校の夏休みが始まった。
同時に夏らしい好天が続いている。
 私も、短い夏を楽しみたいと待ち望んでいた。

 しかし、緩い下り坂を歩くにも、難儀している。
自室までの階段昇降も痛々しい。
 これでは、どうやら左膝と向き合うことだけで、
夏は終わりそう・・。

 今後はどんなことがあるのだろう。
MRIの結果は・・。医師の診断は・・。
 手術になる・・。リハビリは・・・。

 その全てを受け入れ、
再び、伊達の朝を5キロ、10キロと、
ランニングする日を目指そう。

 どんな経験だって無駄じゃないと信じて・・。




   カボチャ畑が 華やか

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