ばくのメモ帳

『ばくのお宿』管理人の西みつのり、略して西みつのメモ帳です。ホームページに書き切れない雑多な情報を綴ります。

みなもと太郎先生の学年誌への連載 その1

2022年07月22日 | みなもと太郎

みなもと太郎先生の学年誌への連載は小学生から高校生にまで及んでおり、作品数も多く掲載期間も長いです。とてもすべてを網羅するには至りませんが、現時点でのまとめを行いたいと思います。

先生の多彩な作品の中で、「学年誌」に掲載された作品は目にする機会もなく、全貌はつかめません。コミックス化されている作品も少ないです。『小学五年生』に連載された「こちらダイヤル100交番」全3巻くらいでしょうか。

学年誌は読む対象が絞られ、進学するまでの1年に限られるので、コミックス化も難しいのだと思います。

いちばん長期にわたる連載は「とんでも先生」でした。その一部がサークル「みにゃもと」から同人誌として発行されています。

『とんでも先生はちゃめちゃコレクション』平成16年(2004年)8月15日 発行:みにゃもと

この本の「あとがき」で、先生も次のように記しています。

「でもやっぱり一番たくさん描いたのは「とんでも先生」で、ネットなんかでもこれを懐かしがってくれる人が圧倒的に多い・・・しかし!」

「学年誌の宿命で読者は一年毎に入れ替わるわけ。懐かしくて本誌を手に取ってくれても、見覚えのある作品が一本も無い・・・って事に・・・なる人が多いんじゃなかろうか・・・だったらゴメンネ。」

コレクションされたのは、1983年から1984年の作品が中心だと思います。

「とんでも先生」については、国立国会図書館の蔵書の確認により、ほぼ網羅できたと考えています。

雑誌連載を簡単にまとめてみると、「とんでも先生」は学研の『5年の学習』への連載が中心でした。「とんでも先生」の前に、「じたばたばーちゃん」が掲載されています。


「じたばたばーちゃん!」1977年4月号~1978年9月号

「とんでも先生」はこれに続く形で、1978年10月号から連載が始まりました。連載が終了したのは1991年3月号で、実に10年以上に渡る長期の連載でした。

「とんでも先生」1978年10月号~1991年3月号

『5年の学習』と並行する形で『4年の学習』への連載もありました。

「とんでも先生」1981年4月号~1985年3月号

『4年の学習』では、「とんでも先生」の連載に続いて、「かっとびかーちゃん!」が連載されました。

「かっとびかーちゃん!」1985年4月号~1987年3月号

となります。この他「じたばたばーちゃん!」が小学館の『小学四年生』に登場したりと、まさに縦横無尽の活躍でした。

ホームページ『みなもと太郎まんが館』にこれまでのまとめを載せています。

じたばたばーちゃん&とんでも先生+かっとびかーちゃん

これらの作品を確認することができたのは、国立国会図書館の所蔵があったからです。逆に言うと、国会図書館に所蔵されていない学習雑誌は、確かめることが難しいです。「その2」以降では、その他の掲載作品を見ていきます。

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みなもと太郎先生関連 作画グループなど

2022年07月18日 | みなもと太郎

みなもと太郎先生の『風雲児たち 幕末編』第35巻、8月に刊行予定と『コミック乱』で見た記憶があるのですが、まだ発売日等の告知はないようですね。待ち遠しいです。

みなもと太郎先生関連資料、今回は作画グループ関連です。合作シリーズなど数点を入手しました。

最初に「作画グループ・シリーズ」の貸本向け単行本です。東考社からの発行は8冊で、所持しているのは5冊です。

作画シリーズ1『泥だらけの天使』1970年8月刊

作画シリーズ3『真夜中の仔猫』1973年4月刊

作画シリーズ4『アキラ・ミオ大漂流』1973年7月刊

作画シリーズ5『ひとりぼっちの天使』1974年2月刊

作画シリーズ8『風のささやき』1975年8月刊

発行月は『グループ』第3号に寄っています。持っていないのは後3冊ですが、「超人ロック」関係は入手が難しそうですね。

次に『ストーリィ作品集 別冊10』です。刊行は1977年10月でした。

『グループ』第3号には「13周年記念として発刊 表紙が4色カラーの豪華版で同人誌界に大きな反響を呼んだ。」と記されています。

表紙はみなもと太郎先生、目次は後藤静香先生でした。

 

この他作画グループ関連の本を入手しました。

10巻まで発売予告があるんですが、実際に発売されたのは5巻までだったようです。

この他、「フテネコ・タロー」の下敷きなどのグッズも入手することができました。

「みなもと太郎まんが館」更新しました。

みなもと太郎まんが館

 

 

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みなもと太郎先生コンビニ版コミックス

2022年03月10日 | みなもと太郎
みなもと太郎先生のコンビニ版コミックスが発売されるのは、今回の『風雲児たち 解体新書に挑む。』が最初ではありません。

昨年、同じSPポケットワイドで2冊発売されています。  



リイド社 SPポケットワイド 2021年2月10日 初版第1刷発行



リイド社 SPポケットワイド 2021年4月10日 初版第1刷発行

すぐに購入しなかったため、発売時には入手できませんでした。これ以降はコンビニコミックスは、できるだけ早く購入するようにしています。

今回メルカリに出品していただいて、運良く入手することができました。

コンビニ版『風雲児たち』全2巻です。第1巻第一章「関ヶ原 午前八時」から第2巻第十二章「時代は移る」までを収録しています。

オリジナルコミックスでは第4巻までにあたります。この章で「第一期徳川家誕生編」は「完」となりました。

そして、これに続くのがオリジナルコミックス第5巻第1章「長崎から江戸へ」でした。つまり、今回発売の『風雲児たち 解体新書に挑む。』に続いていくわけです。

『風雲児たち』は、他にも感動的なエピソードがあります。林子平や最上徳内の物語もまとめていただきたいですね。

『みなもと太郎まんが館』、更新しました。

みなもと太郎まんが館

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コンビニ版『風雲児たち 解体新書に挑む。』

2022年03月07日 | みなもと太郎
昨日ローソンに行ったら置いてありました。



みなもと太郎先生『風雲児たち』のコンビニ版です。発売日は2月28日だったようです。まったく情報を把握していなかったので、歓びも大きかったです。

『解体新書に挑む。』 <「解体新書」出版秘話>を完全収録!

バロン吉元先生の『賭博師たち』の時も感じましたが、リイド社のコンビニコミックスは本当に素晴らしいですね。


A5判の大きなサイズがうれしいです。「廉価版」という感じはしないですね。

基本となっているのは2017年(平成29年)12月に発売された、『風雲児たち~蘭学革命篇~』です。



こちらはB6判です。コミックスを購入したときのブログです。

『風雲児たち~蘭学革命篇~』発売

今回のコンビニ版が素晴らしいのは、コミックスをそのまま廉価版にしたのではなく、最終章として「第十六章 平賀源内モノローグ」が加えられていることです。

中津藩主、奥平昌鹿とのエピソードが収録されています。これにより、「完全収録」となりました。

もう一つ素晴らしいお知らせが巻末にありました。

『風雲児たち 幕末編』最新刊第35巻、<2022年春>刊行予定です。どうぞお楽しみに!

春はもうそこまでやって来ています。楽しみに待っています。



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みなもと太郎先生関連~後藤静香先生

2022年03月05日 | みなもと太郎

みなもと太郎先生の奥様、後藤静香先生の単行本『風のささやき』を入手することができました。

 


奥付に発行日は記されていませんが、『GROUP』3号の「作画グループ大特集 PART1」によると、1975年8月の刊行でした。

先生の作品集ではなく、作画グループ5人の作家の作品が掲載されています。

後藤静香先生の「風のささやき」は45ページの中篇で、単行本の表紙絵も先生でした。この作品は、「作画グループまんが作品賞」の1975年特別賞になっています。(『GROUP』4号「作画グループ大特集 PART2」)

同時収録の4作品は、1974年の作品賞受賞作品でした。(『別冊10』 「作画グループシリーズのお知らせ」)

『風のささやき』は「作画グループシリーズ8」となっています。

「作画グループシリーズ」の第1弾は、まぜき伸吾『泥だらけの天使』(1970年8月刊)でした。このコミックスも、6人の作家による作品集です。


「作画グループシリーズ2」は聖悠紀『超人ロック』(1971年4月刊)で、「作画グループシリーズ3」が、みなもと太郎『真夜中の仔猫』(1973年4月刊)でした。


この同じ装丁での刊行は「作画グループシリーズ8」までで、次の号からは装丁が変わっています。


オフセット会誌の『なかま』や『GROUP』の作品をみると、後藤静香先生の作品はイラストが中心だったように思えます。

改めて『GROUP』を見てみました。掲載はとびらイラストが中心です。昭和53年(1978年)9月発行創刊号のイラスト。


2号、3号、4号と初期の『GROUP』のとびらイラストを手がけています。7号のイラストです。


10号はカラーイラストでした。


みなもと太郎先生による作者紹介は、「後藤静香  『GROUP』初の巻頭カラーイラストを、何とヌードで飾ってしまう人。」でした。(『GROUPグラフィティ』、「狂得附(グループ)大辞典」)

同じころの『なかま』35号の表紙イラストです。昭和54年(1979年)12月15日発行です。この号では作品批評もしています。


13号には作品「恋心」が掲載されています。オールカラー8ページ。


2017年10月から11月にかけて開催された『みなもと太郎画業50周年原画展』では、この作品から多くの原画が展示されていました。 

「恋心」の復刻版がくだん書房から発行されています。

 

 


A4判の大型の復刻もありました。美しいです。


先生のサイン入りですね。


最後に、展示会で販売された原画の複製原画2枚です。

 



次回は作画グループ関連の新入手資料です。




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