吉田初三郎の銚子鳥瞰図、最終回です。
「吉田初三郎式鳥瞰図データベース」には、もう一枚銚子の鳥瞰図が掲載されています。このリーフレットです。
吉田初三郎の名はありません。クリエーターは不明になっています。
「国際日本文化研究センターでは吉田初三郎、および彼の影響のもと同時代の絵師が描いた鳥瞰図の網羅的な収集を行ってきました。」とのことなので、吉田初三郎の作品というわけではないんですね。
戦前から戦後にかけて、同様の鳥瞰図は数種類が作成されています。
銚子市役所発行の「観光の銚子市」です。
「復興の銚子市」とあるように、終戦後の復興の中で発行された観光パンフレットです。
収録されている鳥瞰図は、『関東第一の魅力 銚子市』の吉田初三郎の銚子鳥瞰図とほとんど同じです。
一番大きな違いは、学校が新制度の小中学校になっていることでしょうか。興野小学校、春日小学校、第四中学校などが描かれています。
次は昭和初期の鳥瞰図です。『大銚子鳥瞰図 町名入』
昭和5年10月1日現在のデータが載っているので、この頃の発行だと思います。この人口は昭和5年国勢調査人口ですね。
市制施行前ですが、「大銚子」に見られるように、町村合併、市制施行の機運が盛り上がっていた頃と思います。
旅館名や商店名なども詳しく記入されています。「町名入」の町名とは小字名でしょうか。
目出度町、今宮、西芝下町、野上冨田屋町などが記されています。
市制施行に伴い、市内の大字小字を廃して新しい町名が始まったのは、昭和9年5月15日でした。
上の地図には「清川町」、「栄町」が記されています。これらは新しい町名ですが、なぜこの地図に記載があるのか、よくわかりません。引き続き調べて見たいですね。