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フランクフルトのリンゴ酒電車

2020-08-14 14:03:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコの旅、その18


帰国便の出発するフランクフルトでは、前日とくに予定を入れていませんでした。市内を散策するか、買い物でもするかと考えたのですが、たまたま土曜日だったので、トラム(路面電車)のイベント車両である「リンゴ酒電車」(Ebbelwei Express)が午後走ることを思い出しました。


リンゴ酒を呑みながら、市内遊覧をするプランに、さくらこさんが反対するわけはありません。ランチを食べたあと、のんびりと中央駅前の電停に向かいました。

何本か普通の路面電車をやり過ごした後、お目当ての「リンゴ酒電車」がやってきました。


停車してドアが開いたので、乗ろうとしたら、車掌が「Nein,Nein(ダメ、ダメ)」と制止します。満員だから乗れないとのこと。ガッカリです。数分後に、「リンゴ酒電車」は近くをぐるりと回って戻ってきたのですが、今度は停車もしないで通過していきました。

40分後に戻って来るので、再びトライしてもいいのですが、また乗車拒否されるかもしれません。冷静になって、リンゴ酒電車の時刻表とルートをプリントアウトしてきたものをチェックしてみます。すると、市内を一周するルートで、中央駅とは反対側に位置するHeide Strasse(ハイデ・シュトラーセ<通り>)で15分ほど停車をすることになっています。最悪、じっくりと写真だけでも撮って引き上げましょうか?市内の電車とバスの路線図を調べると、Uバーン(地下鉄)ならショートカットで先回りできることが判明。さっそく地下鉄でハイデ・シュトラーセ駅の近くにあるボーレンハイム・ミッテ駅に向かいました。乗車時間は10分ほどでした。

ハイデ・シュトラーセ駅は路面電車の車庫があるところ。15分も停車する理由が分かりました。



車庫の電車を撮影して時間をつぶしていると、先ほどの「リンゴ酒電車」がやってきました。ここで何人もの乗客が下車したので、今度は、車掌が愛想よく車内へ案内してくれました。やっと乗れたのです。

15分ほど停車するので、席を確保した後は、車外から何枚か記念写真を撮りました。





さっそく呑み始めてご機嫌なさくらこさん。


旧型車両なので、レトロな運転台付近。

さあ、いよいよ出発です。5ユーロ(現在は8ユーロ)払うと、リンゴ酒のボトル1本とおつまみのスナックを渡されました。子供やお酒が飲めない人は、リンゴジュースかミネラルウォーターを受け取っていました。

ボトルのラベルは「リンゴ電車」のイラスト入り。写真を撮っただけなのか、持ち帰ったのかは忘れてしまいました。電車は結構無造作に急カーブを曲がるので、テーブルにはかなり深い穴が掘ってあり、そこにボトルやコップを差し込んで転倒を防ぐようになっていました。





いつしか車内ではBGMが流れ出しました。真夏なのに、季節外れの「ジングルベル、ジングルベル・・・」のメロディ。耳を澄ますと、「アプㇷェルワイン(リンゴ酒)、アプㇷェルワイン、・・・」という替え歌。口ずさむ人もいて、車内は居酒屋の雰囲気で盛り上がってきました。結局、(ほろ酔い気分だったので、たぶん)1周半して中央駅前で下車しました。

(乗車日=2001年8月11日)

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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