ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコ、その8
へプ(Cheb)は、ドイツのニュルンベルクとチェコの首都プラハを結ぶ幹線上にある駅で、長距離国際列車が何本も通っています。ただ、今回は、この幹線ではなく、へプ駅から枝分かれする別の幹線を走る列車に乗り込みます。優等列車も走っているのですが、その前に発車する普通列車の方が目的地カルロヴィ・ヴァリ karlovy Vary(旧名カールスバート Karlsbad)に早く着くので、のんびり鈍行列車で旅することにしました。指定されたホームに出ると、何と客車列車。重厚な電気機関車を先頭にホームにすでに横付けされていました。
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カルロヴィ・ヴァリ経由、ホムトフ Chomutov 行きという表示を確かめて客車に乗り込みます。4両のうち、比較的小ぎれいな最後尾の車両を選びました。鈍行列車なので、すべて2等車でした。
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車内は、向かい合わせ4人掛けのクロスシート。荷棚の位置が面白いですね。
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こうしたローカル列車の乗客は、日本と同様、地元の高齢者や飾り気のない中高年の女性が多く地味な雰囲気なのですが、さくらこさんが座ると何だか華やいだ感じになります(笑)。
定刻の14:02 に発車。エアコンはないので、窓を開けると、風と共にすさまじい走行音が響き渡ります。複線電化の路線なので、それなりのスピードで平野を走る抜けていきました。へプまでの列車は新型のディーゼルカーでエアコン完備、車内は静かでしたので、サービス面での落差は大きいですね。しかし、ドイツでも日本でもほとんど体験できなくなった鈍行客車列車の旅は「汽車旅」にふさわしく、貴重な体験だったと思います。
ソコロフという急行停車駅に停まった後は、次第に丘陵地帯が線路に迫ってきました。へプから1時間ほどでカルロヴィ・ヴァリに到着ですが、駅が複数あるのです。まず、カルロヴィ・ヴァリ・ドヴォリ Karlovy Vary Dvory駅に停まりますが、ここは街はずれなので無視します。そのあと、5分ほどで唯のカルロヴィ・ヴァリ駅に停車。ここで下車しました。側線に貨車が停まっていて、それなりの規模の駅なのですが、温泉保養地の玄関という華やかな雰囲気はどこにもありませんでした。
お別れに機関車を見に行こうと先頭に向かったら、電気機関車の姿はありません。しばらくすると、ゴーグルをしたような不思議な形をした機関車が現れ、列車に連結されます。よく見ると、ディーゼル機関車でした。あとで調べたら、この先は非電化区間になるので、カルロヴィ・ヴァリ駅で機関車を交換したのでした。
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改札口はどこにあるのか分からず、ホームの脇にクルマが停まっていたので、そのあたりをうろつくと簡単に外へ出てしまいました。
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そういえば、帰りはホテルからタクシーに乗ったらホーム横付けでした。着いたときは、勝手がわからず、とりあえず両替をしなくては、と駅舎内をうろうろしたのですが、何もなく、ちょっと途方に暮れてしまいました。
駅舎を出ると、階段があったので降ります。そこは駅前広場になっていて、タクシーが何台か停まっていました。
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運転手の一人が「乗るのかい?」という表情をするので、「はい、グランドホテル・パップ (プップ)Grandhotel Pupp に行きたいのです。もっとも、ドイツから列車で到着したばかりで、チェコの通貨コルナの手持ちがないのですけど」と告げると(英語だったかドイツ語だったか、どちらの言葉を使ったのかは忘れてしまいました。チェコ語は挨拶以外分かりません)、支払は外貨でも大丈夫とのことでしたので、ホテルまで乗せてもらいました。10分ほどすると、谷あいの瀟洒な家並の温泉地に到着しました。うらぶれた駅の雰囲気とは大違い。カルロヴィ・ヴァリは列車で、それも鈍行列車で来るところではないようです(笑)。
<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら
拙著『ヨーロッパ鉄道旅行の魅力』(平凡社新書)pp234~238
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へプ(Cheb)は、ドイツのニュルンベルクとチェコの首都プラハを結ぶ幹線上にある駅で、長距離国際列車が何本も通っています。ただ、今回は、この幹線ではなく、へプ駅から枝分かれする別の幹線を走る列車に乗り込みます。優等列車も走っているのですが、その前に発車する普通列車の方が目的地カルロヴィ・ヴァリ karlovy Vary(旧名カールスバート Karlsbad)に早く着くので、のんびり鈍行列車で旅することにしました。指定されたホームに出ると、何と客車列車。重厚な電気機関車を先頭にホームにすでに横付けされていました。
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カルロヴィ・ヴァリ経由、ホムトフ Chomutov 行きという表示を確かめて客車に乗り込みます。4両のうち、比較的小ぎれいな最後尾の車両を選びました。鈍行列車なので、すべて2等車でした。
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車内は、向かい合わせ4人掛けのクロスシート。荷棚の位置が面白いですね。
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こうしたローカル列車の乗客は、日本と同様、地元の高齢者や飾り気のない中高年の女性が多く地味な雰囲気なのですが、さくらこさんが座ると何だか華やいだ感じになります(笑)。
定刻の14:02 に発車。エアコンはないので、窓を開けると、風と共にすさまじい走行音が響き渡ります。複線電化の路線なので、それなりのスピードで平野を走る抜けていきました。へプまでの列車は新型のディーゼルカーでエアコン完備、車内は静かでしたので、サービス面での落差は大きいですね。しかし、ドイツでも日本でもほとんど体験できなくなった鈍行客車列車の旅は「汽車旅」にふさわしく、貴重な体験だったと思います。
ソコロフという急行停車駅に停まった後は、次第に丘陵地帯が線路に迫ってきました。へプから1時間ほどでカルロヴィ・ヴァリに到着ですが、駅が複数あるのです。まず、カルロヴィ・ヴァリ・ドヴォリ Karlovy Vary Dvory駅に停まりますが、ここは街はずれなので無視します。そのあと、5分ほどで唯のカルロヴィ・ヴァリ駅に停車。ここで下車しました。側線に貨車が停まっていて、それなりの規模の駅なのですが、温泉保養地の玄関という華やかな雰囲気はどこにもありませんでした。
お別れに機関車を見に行こうと先頭に向かったら、電気機関車の姿はありません。しばらくすると、ゴーグルをしたような不思議な形をした機関車が現れ、列車に連結されます。よく見ると、ディーゼル機関車でした。あとで調べたら、この先は非電化区間になるので、カルロヴィ・ヴァリ駅で機関車を交換したのでした。
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改札口はどこにあるのか分からず、ホームの脇にクルマが停まっていたので、そのあたりをうろつくと簡単に外へ出てしまいました。
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そういえば、帰りはホテルからタクシーに乗ったらホーム横付けでした。着いたときは、勝手がわからず、とりあえず両替をしなくては、と駅舎内をうろうろしたのですが、何もなく、ちょっと途方に暮れてしまいました。
駅舎を出ると、階段があったので降ります。そこは駅前広場になっていて、タクシーが何台か停まっていました。
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運転手の一人が「乗るのかい?」という表情をするので、「はい、グランドホテル・パップ (プップ)Grandhotel Pupp に行きたいのです。もっとも、ドイツから列車で到着したばかりで、チェコの通貨コルナの手持ちがないのですけど」と告げると(英語だったかドイツ語だったか、どちらの言葉を使ったのかは忘れてしまいました。チェコ語は挨拶以外分かりません)、支払は外貨でも大丈夫とのことでしたので、ホテルまで乗せてもらいました。10分ほどすると、谷あいの瀟洒な家並の温泉地に到着しました。うらぶれた駅の雰囲気とは大違い。カルロヴィ・ヴァリは列車で、それも鈍行列車で来るところではないようです(笑)。
<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら
拙著『ヨーロッパ鉄道旅行の魅力』(平凡社新書)pp234~238
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