梅雨というのにうだるような暑さが続く。7月1日は高校時代の水球の恩師、矢賀正雄さんの命日だ。このところ何かというと「暑い、暑い」ばかり言っている我々を見たら、矢賀さんはおそらくこう一喝するだろう。「夏の寒かなら、冬の晴れせん!」。通訳すると、「夏が寒かったら、冬の立場がなくなる。」つまり、夏は暑いに決まっている。当たり前のことをガタガタ言うなという意味だ。実はこの言い回し、シーズン初め、まだ18度あるかないかくらいの冷たい水の中での練習時、我々がしょっちゅう矢賀さんから言われていたことだ。プールの中でガチガチ歯を鳴らしながら練習している我々に対し、「水のぬっかなら、お湯の晴れせん!」水の中は寒いに決まっている。気合を入れ直せというわけだ。今日もつい「暑い!」が口をついて出た時、どこからか矢賀さんの声が聞こえたような気がした。