かつて自動車業界の端くれに身を置いた人間として、自動車業界の動きはやはり興味がある。20日に行なわれた日産自動車の株主総会で、業績が壁に直面したゴーン流経営の責任を問う声が、株主から上がったそうだ。一時は経営立て直しの神様ともてはやされ、「政治もゴーンを見習え」などというアホな政治家もいたほどだった。だいたいが、リバイバル・プランなどと格好をつけても、2万1千人にものぼる首切りをしなければ、日産の再生はありえなかったわけで、日産という会社を生き残らせるために、余剰人員を掃き出して社会に押し付けたとも言えるわけだ。その2万1千人を再雇用するぐらいのことをすれば本当に再生の神様と呼べるだろうが、そうでなければ、個人的には、ただドラスティックな首切り経営者としか評価できない。