
今回のロンドン・オリンピックのメダリストの中で僕が心から「よかったな!」と思った一人が女子重量挙げの48kg級で銀メダルを獲得した三宅宏美選手だ。彼女を育てた父親の三宅義行さんは僕の大学の同級生。特に交流があったわけではないが体育会仲間として入学した時からお顔は存じ上げていた。というより、あの三宅義信さんとそっくりの弟ということで学内では有名だった。そのお兄さんの義信さんは東京オリンピックとメキシコオリンピックの金メダリストという偉大な存在。義行さんも大学を卒業した年のメキシコオリンピックで銅メダリストとなったが、ついに偉大な兄を超えることはなかった。そして44年後、義行さんが手塩にかけて育てた娘の宏美さんがロンドンで銀メダリストとなった。これはある意味、初めて義行さんが兄を超えた瞬間ではなかったろうか。表彰式を見ながらそんなことを考え、ついウルッとしてしまった。