徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「肥後の俵積出し唄」と「サイコドン節」

2012-12-19 18:43:51 | 音楽芸能
 明治19年(1886)に流行したと言われる「サイコドン節」。「サイコドンドン節」と表記する場合もあるが、この唄は熊本民謡「肥後の俵積出し唄」と同一のものである。「俵積出し唄」に歌われているのは江戸時代に見られた風景であると伝えられているので「俵積出し唄」の方が先にあったのかなと考えられるが、「サイコドン節」も流行するずっと前から俗謡として存在していた可能性もあるので何とも言えない。しかし、どちらが先かなどという議論はあまり意味がない。それぞれがずっと歌い継がれていくことが重要だ。
 それにしても、聴き比べてみると、元は同じ唄がこうも違う味わいになるのかというところが実に面白い。「俵積出し唄」が潮の香りが漂ってきそうな素朴な趣きなのに対し、この「サイコドンドン節」はいかにも端唄らしい粋な音色になっている。 


♪ 肥後の高瀬のなぁ~ 御倉の米を
  黒船帆まえで 沖で積む
    サイジョドン サイジョドン サイジョドーンドン
    ア サテ サイジョドンドーン 

♪ 肥後の高瀬のなぁ~ 氏神さんは
  積み出す お米の守り神 
    サイジョドン サイジョドン サイジョドーンドン
    ア サテ サイジョドンドーン 
   
♪ 肥後の高瀬のなぁ~ 娘がほしや
  俵積み出す 若い衆が
    サイジョドン サイジョドン サイジョドーンドン
    ア サテ サイジョドンドーン


♪ 恋の痴話文なぁ 鼠に引かれ 猫を頼んで取りに遣る
  ずいとこきゃ言わいでも構うことねぇ
    サイコドン サイコドン サイコドンドン ササ サイコドンドン

♪ 羅生門よりなぁ 晦日が怖い 鬼が金札取りに来る
  ずいとこきゃ言わいでも構うことねぇ
    サイコドン サイコドン サイコドンドン ササ サイコドンドン

♪ すねておこらせなぁ わしゃ気がもめる こいつはすねなきゃよかったね
  ずいとこきゃ言わいでも構うことねぇ
    サイコドン サイコドン サイコドンドン ササ サイコドンドン