徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

勘三郎さんの映画「やじきた道中 てれすこ」

2012-12-08 19:55:37 | 映画
 12月10日(月)にBSプレミアムで中村勘三郎さんをしのんで映画「やじきた道中 てれすこ(2007)」が放送されることになった。この映画は勘三郎さんが出演した映画の中でも僕が一番好きな映画で、訃報を聞いた時からもう一度観たいなぁと思っていたのでとても嬉しい。実はこの映画が公開されたちょうど一年後、僕はこの映画の監督を務めた平山秀幸監督の次の作品「信さん」の万田坑ロケに参加した。そして偶然、スタッフが次のシーンの準備のためいなくなった時、平山監督と僕と二人だけの待時間が10分くらいあった。その時、僕は絶好のチャンスとばかり、すでに見ていた「てれすこ」について話しかけた。何を話したのか細かいことは憶えていないが、とにかく褒めまくったことは憶えている。監督はとても嬉しそうだった。そんな想い出もあるこの「やじきた道中 てれすこ」。何としても見逃すわけにはいかない。
 なお、「てれすこ」というのは落語の演目の一つで、この映画にはほかにも落語ネタが散りばめられている。
▼出演
中村勘三郎、柄本明、小泉今日子、ラサール石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平、松重豊、山本浩司、吉川晃司、鈴木蘭々、星野亜希、藤山直美、國村隼、笹野高史


≪あらすじ≫
 時は太平。大阪で“てれすこ”と呼ばれる不思議な生物が捕獲され、人々の話題を集めていた頃。江戸は品川の遊郭「島崎」では売れっ子花魁・お喜乃(小泉今日子)が、自分に思いを寄せる新粉細工職人・弥次さん(中村勘三郎)に本物そっくりの指を新粉で作らせ、これをお客に「想いの深さを示す切り指」だと偽って渡し、金をせしめていた。
 一方売れない歌舞伎役者の喜多さん(柄本明)は、ようやく「仮名手本忠臣蔵」の塩冶判官という立ち役に抜擢され大張り切り。ところが一番の見せ場「松の廊下」で高師直を刺し殺すという大失態を演じてしまい、落胆のあまり首をくくろうと松の枝に縄をかける。
 その頃、遊郭ではお喜乃が弥次さんに“沼津で病に臥せているお父っつぁんに一目会いたいから、一緒に逃げてくれ”と涙ながらに頼んでいた。弥次さんは惚れているお喜乃の頼みとあって二つ返事で聞き入れるが、丁度部屋の外では喜多さんが首を吊っている真っ最中。思わぬ形で再会した幼馴染の弥次さん喜多さん。弥次さんと再会し、思い直した喜多さんは上方でもう一度芸の勉強をしたいと、お喜乃と弥次さんの沼津行きに同行することに。そして二人で知恵を絞ってお喜乃を遊郭から足抜けさせることに成功する。こうして三人の珍道中が始まるが・・・。
▼登場する落語ネタ
 てれすこ、お茶汲み、浮世床、淀五郎、狸賽、野晒しetc.