徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

長唄 鶴亀

2014-08-25 20:48:28 | 音楽芸能
 嘉永3年(1851)、十世杵屋六左衛門の作曲による長唄「鶴亀」。鶴は千年、亀は万年の長寿という目出度い謂れから、代表的なご祝儀曲の一つ。詞章はほとんど謡曲「鶴亀」をそのまま借りている。正月の能や舞踊の番組では定番となっている演目である。

※右の写真は「秋のくまもとお城まつり2013」における熊本城薪能「仕舞 鶴亀」


【詞 章】
「それ青陽の春になれば 四季の節会の事始め 不老門にて日月の 光を君の叡覧にて 百官卿相袖を連ぬ その数一億百余人 拝するその音は 千代のためしの数々に 何をひかまし 姫小松 よわいにたぐう丹頂の 鶴も羽袖をたおやかに 千代をかさねて舞遊ぶ みぎりにしげる 呉竹の みどりの亀の幾万代も池水に すめるも安き君が代を 仰ぎ奏でて鶴と亀 よわいを授け奉れば 君も御感の余りにや 舞楽を奏して舞たまう 月宮殿の白衣のたもと 色々妙なる花の袖 秋は時雨の紅葉の羽袖 冬は冴え行く雪の袂を 翻す衣も 薄紫の 雲の上人の舞楽の声声に げい裳羽衣の曲をなせば 山河草木国土豊かに 千代万代と 舞たまえば 官人駕輿丁御輿を早め 君のよわいも 長生殿に 君のよわいも 長生殿に 還御なるこそめでたけれ」