徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

城下町の復興

2016-08-30 20:50:26 | 熊本
 NHK熊本放送の夕方のローカル情報番組「クマロク!」で、熊本地震からの復興に取り組む被災者たちの声を「被災地からの声」として放送しているが、今日の放送の中に新町の和菓子屋「しぼりや」さんが紹介された。店舗が半壊し、店をたたむことを考えていた時、昔、この店で菓子職人として働いていた80歳を越えたご老人が、爪に火をともすほどのつましい生活の中から、義捐金を置いて行かれたという。その時、これはこのような人たちのためにもやめるわけにはいかないと思い直した、というとても感動的な話だった。
 この「しぼりや」さんの店舗は、その昔、中職人町と呼ばれた町。加藤清正公が熊本城を築城した際、城下町として新町を整備し、その一角に職人を集めて、上・中・下の職人町を形成した。なかでも菓子職人が多く、かつては九州一の菓子の町とも称された由緒ある町である。
 もうすぐ、藤崎八旛宮秋季例大祭の季節。明治10年の西南戦争で焼失するまで、藤崎八旛宮は今の藤崎台球場のところにあった。そして、新町はその藤崎八旛宮の門前町として栄えた。この祭りが新町の復興意欲をさらに高めてくれることを期待している。