「万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞した是枝裕和監督が、今から７年前に演出したテレビドラマの秀作がある。この作品は、NHK-BSで日本の文豪たちの短編を気鋭の四監督が映像化した「妖しき文豪怪談」の一作。是枝監督の「後の日」は、室生犀星の「童子」と「後の日の童子」を原作としている。室生犀星自身の経験がもとになっているこの短編小説を、是枝監督は、子供を失った喪失感に苛まれながら、あまりの愛しさゆえに幻影を見てしまう夫婦の姿をミステリアスに、またファンタジックに描いている。まだ録画が残っているはずなので再見してみたい。
