
毎年8月第一土曜日に水前寺成趣園能楽殿で行われる出水神社薪能(金春流)
薪能(たきぎのう)は、夏の夜、能楽堂や野外に設けられた能舞台の周囲にかがり火を焚いて演じる能のことです。約千年前の平安時代中期、奈良の興福寺で行なわれる法会の一つ、修二会(しゅにえ)に薪を奉じる儀式に奉納された申楽能に始まるといわれ、圓満井座(後の金春座)によって催されたのが最初だといわれています。今日では全国各地の神社仏閣などで薪能が行われていますが、出水神社薪能はその中でも五番目の古い歴史を持つといわれています。水前寺成趣園能楽殿は、もともと八代の松井家の能舞台で、昭和61年(1986)に、昭和天皇御在位60年を記念して松井家より移築奉納されたもので、それまで土盛りの舞台(下の写真)で薪能が行われていました。
