先日、FMクマモトを聴いていたら、「熊本のソウルフードは馬刺しか?太平燕か?」なんていう企画をやっていた。バラエティ番組だから目くじら立てるほどのこともないのだが、ハッキリ言ってどちらも違うと思う。もともとソウルフードという言葉は、アメリカ南部の黒人たちの食べ物のことをいうらしいが、今日では伝統的な食文化とか、その地方では欠かすことの出来ない食べ物というような意味で使われているようだ。馬刺しは今や、熊本の名物として全国区になったが、熊本県人の中にも馬刺し嫌いは意外と多い。実は私もそうなのだが、小さい頃から馬が大好きなのでどうしても抵抗感がある。もう一つの太平燕は熊本でもいまだに知らない人が多いから論外だ。じゃあ、熊本のソウルフードは何かと問われたら、やはり「米」を欠かすわけにはいかないだろう。江戸時代から「肥後米」あるいは「高瀬米(※)」などと呼ばれ、全国の米が集積する大阪の市場でもブランド品だったそうだ。その伝統を守るためにも熊本のソウルフードという認識を生産者も消費者も持つべきだと思う。

※江戸時代、現在の玉名市高瀬にある船着場に集められた菊池川流域で獲れた米は、船で大阪堂島へ運ばれたため、「高瀬米」と呼ばれ、高瀬という名前が全国的に知られるようになった。JR鹿児島本線の玉名駅は昭和31年半ばまで「高瀬駅」と呼ばれていた。

船積みする米俵を転がした坂

※江戸時代、現在の玉名市高瀬にある船着場に集められた菊池川流域で獲れた米は、船で大阪堂島へ運ばれたため、「高瀬米」と呼ばれ、高瀬という名前が全国的に知られるようになった。JR鹿児島本線の玉名駅は昭和31年半ばまで「高瀬駅」と呼ばれていた。

船積みする米俵を転がした坂