徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

母が生まれた年 ~大正11年(1922)~

2011-02-13 23:03:49 | その他
 母の89回目の誕生日を祝った。元気でいてくれるのでとても助かっているが、1日でも長く元気でいてほしいと願うばかりだ。母が生まれた大正11年(1922)という年は、いったいどんな年だったのだろう。と、よく考えることがある。その頃のことを知る人はもうほとんどいないわけで、本などを読んで想像するしかないが、大正デモクラシーだとか、大正浪漫だとか、大正モダニズムだとかいった明るいイメージの言葉だけが独り歩きをしているような気がする。母が生まれた翌年には関東大震災があったり、世界的な不況があったり、不安定な政治があったりして、実際はきっと大変な時代だったのだろう。ちなみに同じ年に生まれた有名人を調べてみた。もうほとんど鬼籍に入られているが、この顔ぶれから何かが見えてくるだろうか。

水木しげる(漫画家)、山下清(画家)、小野田寛郎(旧日本軍軍人)、エルマー・バーンスタイン(作曲家)、三浦綾子(作家)、千石規子(女優)、久慈あさみ(女優)、コロムビア・トップ(漫才師/政治家)、瀬戸内寂聴(作家)、クリストファー・リー(俳優)、エリノア・パーカー(女優)、ピエール・カルダン(デザイナー)、丹波哲郎(俳優)、ブレイク・エドワーズ(映画監督)、ジェーソン・ロバーズ(俳優)、内田健三(政治評論家)、中内功(ダイエー創業者)、石井好子(シャンソン歌手)、宇野宗佑(元首相)、イボンヌ・デカルロ(女優)、鳩山安子(鳩山兄弟の母)、エミール・ザトペック(長距離走者)、砂押邦信(野球監督)、アーサー・ペン(映画監督)、別所毅彦(野球選手)、重光武雄(ロッテ創業者)、月丘夢路(女優)、豊田正子(作家)、加藤治子(女優)、宮城千賀子(女優)、ジェラール・フィリップ(俳優)、北出清五郎(NHKアナウンサー)、大下弘(野球選手)、小鶴誠(野球選手)、ジョージ・ロイ・ヒル(映画監督)、エヴァ・ガードナー(女優)、岡部冬彦(漫画家)

梅の花 ~ 若山牧水 ~ 海達公子

2011-02-12 19:05:15 | 文芸
梅のはな 枝にしらじら 咲きそむる つめたき春と なりにけるかな(若山牧水)

 昨夜の冷たい氷雨にも負けず、健気にもわが家の梅が数輪、花を咲かせていた。2、3日前の暖かさが嘘のようだ。愛らしい白い花びらに思わず「頑張れ!」と声をかけたくなる。



■若山牧水と海達公子
 海達公子(1916-1933)は「赤い鳥」への自由詩の投稿を通じて北原白秋の指導を受けたが、若山牧水の指導も受けている。大正十四年、新築した家の建築費や新雑誌創刊の資金の捻出に迫られた牧水は、妻・喜志子とともに揮毫行脚の旅に出る。福岡・長崎を回り、熊本・鹿児島に向かった夫妻は途中、人吉本線万田駅(現JR鹿児島本線荒尾駅)に降り立つ。「金の星」誌上で、幼年詩の選者であった牧水が、公子の尋常小二年生の時から彼女の詩を見はじめ、その素質を認め、特別の期待を寄せていた。作品の掲載についてもしばしば破格の待遇をしていたその公子を一度見たい、会って激励したいという意向があって万田駅に下車したのであった。
 牧水が公子の家を訪問した時、たまたま公子は留守をしていた。近くの厳島神社の山に松葉掻きに行っていた。しばらく待っていると、手拭いをかぶり、自分の丈より高い松葉掻きを手に、背中には籠を背負った公子が帰ってきた。顔はいくらか煤けていた。その公子の姿を一見し、牧水は驚いて、この子が想像していた公子だろうかと絶句した。才気走って、利発な子供を予想していた牧水にとって、現実に直視した公子の容貌はあまりにも異なっていた。牧水は優しく声をかけた。「今のその茫っとした性質を大切に大きくなってもなくさぬ様に」。時に牧水41歳、公子9歳であった。
 この3年後に牧水は世を去るが、高等女学校に入ってからの公子は、若山貴志子に短歌の指導を受けることになるのである。
※規工川佑輔著「評伝 海達公子」(熊日出版)より


公子を訪問した翌日、牧水夫妻は大牟田の一○亭で行なわれた歌人の集いに、海達父娘を招く。
最前列で牧水夫妻の間に挟まれて座っているのが海達公子

豊田正子と高峰秀子

2011-02-11 22:04:12 | 文芸
 豊田正子さんが昨年の12月に亡くなっていたそうだ。奇しくも同じ月、高峰秀子さんも亡くなっている。日本の児童文学史に大きな足跡を残した豊田正子さんについては、以前にもブログに書き込んだが、彼女の少女期の代表作「綴方教室」は昭和13年(1938)に映画化され、正子を演じたのが高峰秀子さんだった。豊田正子さんとの出会いと確執について、高峰秀子さんは自身の著書「わたしの渡世日記」の中で次のように述べている。
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 原作者の豊田正子は十七歳。ふっくらとした丸顔におさげ髪の感じの良い少女で、私は初対面で好感を持った。いや、貧しく生まれ育った境遇をありのままに、素直に、サラリと綴方に書く彼女の大らかな人柄に羨望と尊敬をおぼえたのかもしれなかった。彼女の明るい笑顔にはいつも愛らしいエクボが見え、貧乏人の屈折した影などみじんも感じられなかった。向こうはどうだか知らないけれど、私は豊田正子と会うことが楽しかった。
 しかし、昔も現在もジャーナリストの中には浅薄無残なオッチョコチョイがいて、一見プチブル・スタイルの私と、めいせんの着物にヘコ帯姿の豊田正子との対照を、いかにも面白おかしく記事にして、それが読者へのサービスだと思い、捏造記事を書いて、陰でケケケと舌を出す人もいた。(中略)芸能欄のゴシップ記事などは読者の息抜きのお笑いぐさ、いちいち目くじらを立てるには当たらない。と、理性では納得ができても、実際に俎上にのせられている当事者の身になってみれば、とてもじゃないがたまったものではなく、私と豊田正子は、雑誌記者のケケケにひっかかって一年もたたぬうちに、お互いに誤解し疎遠になってしまった。
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 おそらく今頃、お二人は旧交を温めておられるに違いない。合掌。

「くまもとサプライズ!」は成功するか!?

2011-02-11 19:20:12 | 熊本
 九州新幹線全線開業まであと30日を切った。熊本駅やその周辺の工事など、ハード面の準備は着々と進んでいるようだ。さて問題はソフト面、準備は大丈夫だろうか。開業を期していろんなイベントが行なわれる。しかし、それらは一過性のお祭りで終ってしまわないだろうか。民間レベルでは熊本駅の「赤帽復活」や、おもてなしを実践する「AKJ1000」(味な・熊本・熟女・1000人)活動などが動き始めている。新しもん好き(わさもん)で、阿蘇山のようにカ~ッと燃え上がって噴火するけれど冷めるのも早いといわれる熊本人気質を克服できるかどうか、「くまもとサプライズ!」が成功するかどうかはそれにかかっていると言っていいだろう。


帰って来たシェーン! ~午前十時の映画祭~

2011-02-10 16:36:41 | 映画
 不朽の名作とはまさにこんな映画のことを言うのだろう。第2回目となった今年の「午前十時の映画祭」、熊本における先陣を切ったのは西部劇「シェーン(1953)」。僕が劇場で見るのは、初めて観た50年前以来3回目だ。その間、ビデオで観た回数は数知れず。にもかかわらず、やっぱり今日もラストシーンでは泣いてしまった。同年輩の方はおそらくみんなそうだと思うが、少年時代に観ているので、ジョーイ少年と全く同じ視点で観ているのだ。つまり、ジョーイ少年への感情移入が甚だしいためだと思われる。また、何度観ても、極めて丁寧な作りには感心する。子どもたちを始め、馬や牛、犬などの動物の描き方に至るまで、一つも手を抜かず、意味のある映像になっている。ジョージ・スティーヴンス監督作品は、他の作品もそうだが、そんな丁寧さが格調の高さとなって表れているような気がする。ただ、残念だったのは、覚悟はしていたものの、フィルムの傷みがひどかったことだ。この作品は2003年問題の時に、「ローマの休日(1953)」などとともに話題になったが、著作権が既に消滅したとされている。しかし、マスターフィルムを所有していると思われるジョージ・スティーヴンス・ジュニアもしくはパラマウント社がデジタルリマスターをしていないので、劣化した映像しか見られないという悲しい事情がある。いつの日か、デジリマ版が上映されることを願ってやまない。それにしても、平日の朝、しかも旧作というのに観客の意外な多さには驚いた。「シェーン」人気の根強さをあらためて感じた。

絢爛豪華!「城下町くまもと時代絵巻」

2011-02-09 13:02:54 | 熊本
 九州新幹線全線開業を祝う市民パレード「城下町くまもと時代絵巻」が来る3月19日(土)に熊本市で開かれる。中でも呼び物は、徳川家康と豊臣秀頼を会見させるため、京都二条城へ向かう加藤清正の出陣シーンを再現した甲冑行列。清正に扮するのは俳優の藤岡弘さん。熊本駅前を出発して熊本城までの威風堂々の行進は見ものだ。また、コース途中には花魁道中、奴道中、花笠道中、黒留袖道中にお囃子や鳴り物も加わった絢爛豪華な絵巻物が展開する。これは見逃せない。

※写真は毎年秋に行なわれる藤崎八旙宮秋の例大祭における随兵の様子




クリスティーナ・アギレラの憂鬱

2011-02-08 17:56:28 | 音楽芸能
 先日行なわれたアメリカン・フットボールの祭典“スーパーボウル2011”でアメリカ国歌(Star Spangled Banner)を歌ったクリスティーナ・アギレラが歌詞を間違えてしまい、ネット上で大きな話題になっている。僕は毎年、スーパーボウルのオープンセレモニーだけは見逃さないようにしているのだが、今年ばかりは見逃したので、クリスティーナが歌ったシーンは見ていない。見たところで歌詞の間違いに気付くはずも無いが。クリスティーナ本人は「緊張してしまった」とすっかりしょげかえっているそうだ。スーパーボウルの国歌を任されるのは、超一流のアーティストと認められた証し。過去の大会でもホイットニー・ヒューストン、ビヨンセ、ジェニファー・ハドソンらが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。クリスティーナもそれらの先輩たちに負けまいと必要以上に力が入り過ぎたのではないだろうか。録画を見たが、あまりにも個性を出すことにこだわり過ぎているような気がする。彼女は小さい頃からいろんなイベントでアメリカ国歌を歌うことは慣れていたらしいのだが。ちなみに彼女は3~6歳の頃は父の勤務する横田基地で暮らしたそうだ。浴衣を着た幼い頃の写真が残っている。
 ところで僕が最近聞いたなかでは少女コーラスグループ、カクタス・キューティーズの歌うアメリカ国歌がナンバーワンだと思う。


咲くやこの花

2011-02-07 18:41:51 | その他
 わが家の裏にある梅の木の蕾がほころび始めた。昨年はとうとう咲かなかったので、ちょっぴり嬉しい。厳冬だったせいか、近所の梅の木も今年は咲くのが遅いようだ。調べてみたら、一昨年は、わが家の梅も1月27日に咲いていた。今週は日に日に開いていくだろう。楽しみだ。

  「難波津(なにはづ)に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」
                           王仁(わに)「古今和歌集仮名序」


熊本に春の訪れを告げる踊り ~ザ・わらべ~

2011-02-06 19:42:33 | 熊本

 熊本に春の訪れを告げる「JA植木まつり」が熊本県農業公園カントリーパークで行なわれている。
 そして、特設ステージでは、早春にふさわしい、子ども舞踊団「ザ・わらべ」の初々しい踊りが披露されていた。
 1曲目はViento(ビエント)作曲の「本丸御殿」、2曲目は熊本民謡「ポンポコニャ」、そして3曲目は天草民謡「牛深三下り/牛深ハイヤ節」。






城下町の再生と新しい“くまもと”づくり

2011-02-05 21:57:56 | 熊本
 毎週土曜日の夕方6時からは、テレ朝系列の「人生の楽園」を観る。土曜日はだいたいその時間が夕食時だからでもあるが、今日は秋田県の角館に東京から移住したご夫婦の話だった。昔、角館を旅行で訪れたそのご夫婦は、角館の魅力にハマって3年前に移住し、現在は歴史案内人や町宿プロジェクトを通して角館の魅力を伝える活動をしているそうだ。その中で、町宿プロジェクトを興すきっかけとなったのが、観光客の角館滞在の平均時間が、わずか90分だという統計に愕然としたことだという。
 実は熊本市も全く同じ問題を抱えている。熊本城などの史跡を観たら、そのまま次の目的地に移動する観光客が圧倒的に多いという。熊本城の城下町である新町古町では、町民のみなさんが「城下町和samonもてなし隊」を結成し、昔栄えた城下町の魅力を再発見し、新たな観光資源にしようと、数年前からいろんな仕掛けをしておられる。今、来月の新幹線開業に向けて官民一体となった新しい“くまもと”づくりが進められているが、新町古町のようなグラスルーツの活動と有機的に連携していくことが、とても重要だと思う。いや、そうなっていると思っていた。ところが、先日参加したシンポジウム「新幹線『新』時代~どうする熊本」で、パネリストの一人であり、「サプライズ!県民運動実行委員会」の委員長でもあるM氏の口から出た「熊本城の城下町ってどこにあるの?」の発言にはわが耳を疑った。肩書きだけで委嘱した委員なんてしょせんその程度のものなのか。

■感動体験!新町・古町
  熊本城下町 来て見てびっくりツアー


夏目漱石 ~春の水~

2011-02-04 22:30:25 | 文芸
「湧くからに 流るるからに 春の水」
 さすがに今日の日和は春の到来を思わせる。この時期になると毎年必ず思い出すのが冒頭の一句。夏目漱石が熊本の五高教授だった明治31年に詠んだ句と言われている。水前寺成趣園を訪れた漱石が、阿蘇の伏流水である清水が、こんこんと湧き出ているさまを詠んだものだ。かつてほどの水量はないものの、今日もハッと目を奪われるほどの清流が加勢川に流れていた。


水前寺の湧水が流れる加勢川の清流

スザンヌ宣伝部長からのミッション!

2011-02-03 21:24:12 | 熊本
 熊本県のスザンヌ宣伝部長から宣伝の指令が届きましたのでお知らせします。

 来る2月27日(日)に開催される「東京マラソン2011」に、3月12日に新幹線が開業する「くまもと」をPRするため、スザンヌ宣伝部長のスタッフが出場します。
 当日、観戦ご予定の方は、沿道からのご声援をよろしくお願いいたします。
 なお、来年3月には熊本シティマラソンが開催される予定ということもあり、今回の東京マラソンには多くの熊本県民が参加されるようです。


50年前のガールズ・ポップ

2011-02-02 17:39:20 | 音楽芸能
 ガールズ・ポップ全盛の感がある昨今だが、今からちょうど50年前の1961年、僕が高校1年の頃、日本のポップスシーンはまだ黎明期だった。ポップスを唄うということは、欧米のヒット曲を一生懸命コピーすることだった。森山加代子、弘田三枝子、中尾ミエ、伊東ゆかり、田代みどりらが欧米のレベルに追いつこうと一生懸命頑張っていた。たしかに今から見ればレベルは低かったかもしれない。しかし、彼女たちが今日の日本のポップスシーンの基礎を築いたことは間違いない。彼女たちもカバーした1961年のヒット曲を聴いてみた。


「夢のデイト」 コニー・フランシス


「ポケット・トランジスタ」 アルマ・コーガン


「悲しき片想い」 ヘレン・シャピロ

京町測候所、109年の歴史終える!

2011-02-01 18:57:55 | 熊本
 子どもの頃から京町測候所として馴染んできた熊本地方気象台が、今日、熊本駅南側に新しく出来た熊本地方合同庁舎に移転し、明治35年(1902)に始まった京町での歴史を終えた。後には無人化された観測設備が残される。毎日一回は必ずこの前を通るのだが、今日たまたま事務所の什器備品類がトラックに積み込まれて出て行く場面に遭遇した。やっぱり寂しい。桜の開花宣言の判断基準となっていたソメイヨシノの標本木は、新しい庁舎の庭に植えられた木に交替するそうだが、根付くまでの間は、古町小学校のソメイヨシノで判断するそうだ。嗚呼、時代はどんどん変わって行く。


渡辺あや、遂に朝ドラに登場!

2011-02-01 07:59:51 | テレビ
 この人の脚本によるドラマが、いつNHK朝の連続ドラマに登場するかと期待していたが、今年の秋に遂に登場する。日本を代表する世界的トップデザイナー、コシノヒロコ、コシノジュンコ、コシノミチコのコシノ三姉妹の母親である小篠綾子さんの生涯を描いた「カーネーション」というドラマがそれだ。
 「ジョゼと虎と魚たち(2003)」で初めて彼女の脚本の映画を観たが、何だか妙に心に残るものがあり、気になる存在となった。以来、「メゾン・ド・ヒミコ(2005)」、「天然コケッコー(2007)」などを経て、一昨年、初めて取り組んだテレビドラマ「火の魚」は国内外で数々の賞を受ける傑作ドラマとなった。今回の朝ドラ進出でまた、1ステージ上った感があるが、大河ドラマを担当する日もそう遠くないだろう。