仕事中はNHK第一ラジオを流している。
平日の午前中なら「すっぴん」、午後なら「ごごらじ」という番組を聴いているが、どちらも各界の著名人のゲストトークが愉しみ。
本日2月27日の「すっぴん」のゲストは、竹山を襲名して20周年になる津軽三味線奏者、「二代 高橋竹山」さん!
写真は全て「すっぴんブログ」より転載。左から藤井アナ、高橋竹山さん、月曜日のパーソナリティの劇作家の宮沢章夫さん。
日頃は津軽弁混じりの竹山さんも、ラジオではテキパキとした江戸弁・・・竹山さんは江戸っ子なのだ。
意外に思うだろうけども竹山さんは糸魚川市在住で、私は懇意にして頂いている。
私と共通の趣味は寄席演芸好きという事で、噺家さんの友達も多い竹山さんとの会話は、Uターン帰郷以降は落語に飢えている私の愉しみの一つ。
因みに「すっぴん」司会者の藤井綾子アナのご主人は、竹山さんとお友達の古今亭菊之丞師匠。
さて、宮沢章夫さんが、先代の竹山の生演奏を聴いた時にその力の抜けた奏法に驚いたとコメントした所、よくぞ気付いてくれたと当代の竹山さんに褒められていた。
私も先代(初代)の生演奏を聴いた時に同じ思いをした・・・竹山さん褒めて(笑)
津軽三味線というと、ベンベンと撥を叩きつけるような速弾きをイメージしていたのだけど、先代の竹山さんは柔らかく撫でるような撥の使い方だった。
竹山さんと初対面の時にそのことを話したら、無名時代の先代は貧乏のどん底で門付芸人をしていたので、三味線の糸を切らず、そして胴の皮を破らない撥の当て方を編み出して、あの柔らかい奏法になったのだそう。
それでも時には糸が切れて、新しい糸を賄うこともできずに切れた糸を繋いで弾いていた・・・貧困ゆえの津軽三味線奏法、誰も真似できない津軽三味線だったのだ。
竹山を襲名して、常に先代と比較される立場の当代の竹山さんのご苦労が偲ばれる逸話でもある。
それにしても番組の中で竹山さんが唄った「鯵ケ沢甚句」は秀逸だった。
これまで聴いたどの「鯵ケ沢甚句」より、津軽を感じて鳥肌が立った。
「海のヒスイ・ロード」検証実験航海で鯵ケ沢周辺を漕いでいた時、ずっとこの民謡が頭の中をよぎっていたことを思い出す。
糸魚川にヒトあり。
その名は高橋竹山!