暗い水底で身をくねらすミズチ(蛟)をイメージした石笛。
ミズチ紋は私が好んで線刻のモチーフに使う縄文土器の文様である。中国語では蛟と表記するらしいが、上古の日本語ではヤマタノオロチのチと同じく、ミズの精霊だからチが付いてミズチ。
ミズチ紋は八ヶ岳西南麓を中心とした、縄文土器の深鉢に施文された水棲生物のような文様である。
ただし文学的なニュアンスのあるミズチ紋と命名したのは長野県の考古学者で、同じ文様であっても山梨側ではサンショウウオ紋と客観的に呼んでいるのが面白い。
考古学者にも県民性の違いがある訳ですな( ´艸`)
曲面を造形するのは結構大変で、ヒスイ関係者からどんな機械で作っているのか?と質問されるが、特殊な加工機械無しでごく普通の平面研磨機だけで作っている。
コツはピンポイントで研磨機に当てることくらいで、平面で曲面を作る努力するからこそ動きが出ると思う。
曲面を作る特殊機械で動きは出るのか?使ったことないので不明だが、ピンポイントへの集注の積み重ねが肝要とは思う。
ヒスイの質を自慢する職人は多いが、私は勾玉でも石笛でも「生きているみたい!」「今にも動き出しそう!」と言われるのがイチバン嬉しい。