縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

職人のサバイバル能力・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年05月30日 07時25分07秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヨガ大工中川親方の助っ人二日目。
暑いし、雨がふってもいいようにタープを張る。
 
家つくりをする職人衆は、常人とは異次元の空間感覚を持っている。現物がないのに寸法を割り出し、その通りに加工して組み立てるとピッタリ一致!
 
既存建物から推測して、増築部の基礎を工事してくれたツッチーの墨出しも、中川親方が計測したらピッタリだった。長年にわたって修行してきた職人ってスゲーなぁ。
 
自然災害などでサバイバルが必要になったら、これは危ない、これは安心という膨大な経験則と、それを現実化できる技術を持っている家つくり関連の職人がいると心強いと思う。
 
もちろん雨でも酷暑でも環境の悪いところでも仕事をしているから、基礎体力だって普通の人より高い。世の独身女性よ、結婚相手なら職人はイザという時に頼りがいがありますよう。
 
その点、ヒスイ職人はロクな修行せずに職人を名乗れるし、仕事がマクロ過ぎてヤワですわ。
 
 
 

運気のいい来客は来訪神・・・糸魚川観光案内

2022年05月28日 06時52分04秒 | ぬなかわヒスイ工房
信州のお客さんからガイドを頼まれたら、直前までの土砂降りが快晴となり、めったに拾えないロウカン質ヒスイを拾った女性もいて、気持ちもいいが運気のいい人たちだった。
フォッサマグナミュージアムの後は長者ヶ原遺跡は必須!
小さな欠片でも極上のヒスイ。別の女性もヒスイの欠片を拾った。
 
ノリがよくてガイドを面白がって聞いてくれるので、当方もサービスして、予定になかったヌナカワ姫の史跡や海に沈む夕日鑑賞、安くてうまい晩ご飯までご案内。
運気のいい来客は運気のお裾分けをしてくれる来訪神のように感じる。
 
「いちゃれば ちぇーでい」沖縄方言で「一度あえば兄弟」という意味で、こんなお客さんは次回から友人として迎え入れる。工房が完成したらまたおいでよ。今度は縄文キャンプもいいし、水着を持ってくれば海遊びに連れていくよ!と別れを惜しむ。
 
 

家のDIYでは肝心な部分はプロに頼る・・・ヨガ大工中川親方

2022年05月27日 07時13分39秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヨガ大工の中川君が仕事を抜けて手伝いに来てくれた。
いつも仙人みたいなダブダブの服を着て、口数も少なくニコニコと穏やかな男だが、仕事となると別人のようで驚く。
私には絶対にできない仕口を刻まれて、あっという間に土台が据えられたので、これからは敬意をこめて中川君改め中川親方と呼ぶことにした。
うまくいくと日曜日には建て方(柱を建てて梁と桁で繋ぐ工程)を終えられそうなので、あとは天気と屋根屋さんの予定次第で実働1週間で屋根工事が終わる。
屋根さえかかってしまえば、天気に関係なく私ひとりで楽しみながらの作業。7月までには内部の造作が終わり、8月には完成する見込みがたった。
 
今朝は久しぶりの大雨で、午前中は休息。昼から晴れる予報だが、ひさしぶりの団体ツアーの遺跡ガイドである。
 
 
 

SDGsはえすでい爺ーず・・・爺さんを思い出すマグネットキャッチャー

2022年05月26日 07時23分18秒 | ぬなかわヒスイ工房
解体時のビスや釘の回収に活躍しているのが、ホームセンターで買ったマグネットキャッチャー1,980円也。
アマゾンやモノタロウで5,000円前後のマグネットキャッチャーのレビューをチェックすると、期待外れ!役にたたん!すぐ壊れた!と評価は低いのだが、もっと安いホームセンター品でも使えるし、あると便利だ。
来客の怪我や、車のタイヤのパンクが心配なくなるのだから安い買い物。
回収したビスは再使用に耐えるものは二軍扱いで内装用に使い、錆びたもの・曲がったもの・十字が変形したものは金属ゴミに出す。
大工さんなら捨てるだろうが、母方の爺さんは曲がった釘も金槌で叩いて使っていたのをみて育ったので、選別する時は爺さんを思い出す。
わたしのSDGsはえすでい爺ーずで、爺さんの供養。
 
 
 

アウトドア遊びに適した車・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年05月24日 06時46分13秒 | ぬなかわヒスイ工房
カヤックを車載して海に向かう信州ナンバーを尻目に、オラは足りなくなった材木をホームセンターで買い足して車載。
ウインドサーフィンをしていた20代の頃は、テルツオやスーリーといった頑丈なルーフキャリアが量販店でも買えたのだが、現在はワンランク下と評価されていたメーカーが主流になっているようだ。
 
3寸角×3mの杉材を5本も車載すると、キャリアバーが微妙にしなっているようで戦々恐々。
 
それ以上にウインドサーファー時代に乗っていたスバルレガシーに比べて、現在乗っているスズキソリオの鉄板と塗装が薄すぎる感じがして、屋根が変形するのではないか?と心配である。
 
ハイブリット車ではない1200CC車が街乗りでリッター18キロも走ってくれる低燃費は有難いが、乗り換えるならホンダ、トヨタ、スバルかねぇ。
 
ちなみに当時のマリンスポーツ愛好者に人気があったのは、昔のアメ車みたいな角ばった外観を持つセドリックのライトバン。それもハンドルの横にシフトバーが付いているコラムシフト、前の座席が横に繋がったベンチシート!この車は錆ついてボロボロになるほどに味がでる。後輪駆動なので、雪道でスタックしやすいのが欠点でしたな。
 
でも金があったら乗りたいと言っていたのは、10年間洗車しなくても錆びません!と謳っていたボルボのステーションワゴン車。私がクルーをしていた大金持ちのヨットオーナーが乗っていて、4WDでなくても雪道に強いのだと、言っていた。
 
 
 
 
 
 

観たことないけど懐かしいモノ・・・原点回帰した勾玉の古代風首飾り

2022年05月22日 05時33分13秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヒスイ以外の素材でつくった超小型の勾玉を買ってもらえる工夫として、古代風首飾りにしたらどうだろうか・・・カワイイけど、作る手間暇を考えたら値段が微妙だよねぇ?
個展主催者の天川彩さんに相談したら、半分に分けて真ん中にヒスイを入れたほうが断然いいとプロデュースをしてもらい、試作品を組み直してネットにあげたら、「ずっと勾玉を探していたのですが、これ!と一目惚れしました!」と買ってくれた女性がいた。
そういえばAKB48にもセンターがいるよなぁ。迷ったら客観的にアドバイスしてくれる友人は有難い。
 
「貴金属で付加価値をつけない・スピリチュアルな宣伝文句を使わない・原石の希少価値を煽らない」と売らんがための外堀を埋めて、「どこか懐かしいモノ」を手探りしてきた。逆にいえばこの禁じ手を使えば売りやすいのだ。
 
実のところ、糸魚川の縄文晩期の遺跡から、単品で首飾りにしていたとは思えない蛇紋岩の超小型勾玉も出土しているので、もしかしたら紆余曲折の末に原点回帰したのかも知れない。
「観たことないけど懐かしい」は、文化の琴線に触れた、あるいは太古の基層文化に共鳴したということではないだろうか?この首飾りにしても、ヒスイは緑色のロウカン質ではないが、それなりの値段で売れることが実証されたのだ。
原石の希少性ばかりに焦点を当てずに、作品としどうなのだ?と問い直す時代になって欲しいし、この路線が私の目指す方向だな、と自信が持てた。
 
工房にギャラリーができたら、こんな作品をズラリと並べたい。「懐かしいモノ」への創作意欲が高まっている。
 
 
 

考古学はモノガタリの骨格です・・・企画展「モノで読む古事記」第3章 高天原から出雲へ

2022年05月21日 07時22分10秒 | ぬなかわ姫

ヒスイや神話に興味のある人は、國學院大學博物館のオンラインミュージアムがクールでオススメです!

企画展「モノで読む古事記」第3章 高天原から出雲へ

 
あまたある古事記の解説は、スピリチュアル目線の我田引水的なものが多いのだが、モノから読み解く考古学は、モノガタリに骨格を与えるのであり、その骨格に肉付けできるモノガタリを探るというのが、私の考え方。
 
骨格のない肉付けはフニャフニャして心もとなく、好きかってなトンデモ説を産み出す余地になる訳ですな。
 
その典型が、「弥生時代後半の糸魚川のヌナカワ姫は、出雲の八千鉾神と連合国家を樹立して北陸から山形を支配していた」とする、観光客誘致のために創られたヌナカワ姫の古代のラブロマンス説。
 
糸魚川からは出雲勢力が進出してきた証となる四隅突出墳丘墓どころか、銅鏡や銅鐸といった威信材が出土しておらず、とても弥生時代に大きな勢力を持っていたとは考えられないのだが、官民挙げて宣伝している骨格なきフニャフニャ説を史実と思い込む糸魚川市民がけっこういるのだ。もっともお隣の上越市をはじめ他地域の人からは眉唾でしょ?と言われることも多い。
 
文献史学の大家、三浦祐之先生から、古事記のなかの三種の神器のうち、詳細な由来の説明があるのは草薙の剣だけで、これは当初は鏡と勾玉だけの「二種の神器」であり、後から剣を加えたからであろうという解釈を聞いたことがある。
 
このオンラインミュージアムでは、天の岩戸開きに使われた祭器が、榊に結びつけた銅鏡と勾玉であったことが、出土品の紹介とともに説明されており、三浦先生の解釈に骨格を持たせることになりはしないだろうか?草薙の剣は銅剣!鉄剣!と諸説あるが、以上から、私は鉄剣説に一票!
 
しかし國學院大學博物館の内川先生、ヒスイや勾玉、石笛のことをもっと取り上げてくださ~い!縄文時代には石笛と推測される出土品があるのに、弥生以降はないのは何故だろう?断絶期のある石笛が、現在でも修験道や古神道系の宗派にだけ鎮魂儀礼に使われているのは何故だろう?世界に類例はあるのか?
 
調べるほどにわからないことが増えて謎は深まり、勾玉や石笛を作っているのに何も知らない自分が情けない。
 
 

再生可能な家つくり、生活の見直し・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年05月19日 07時02分22秒 | ぬなかわヒスイ工房
建築は作るより解体の方が精神的に疲れるし、特に屋根解体は足場がなくなっていくので危険だ。
構造上の問題にも悩んでいたから、お隣の上越市で建築店「住み建」を営む宮澤君にSOS。
解体が一気に進んだし、気心の知れた友人と一緒だと解体も楽しい。
宮澤君は、解体現場で発生して廃棄されてゆく建具や古物に心を痛め、古物商の資格をとって販売をするようになったので、自作の建具も引き取ってくれた。
 
プラスチック系の建材は使いたくないよなぁ、と再生可能な建築、生活について語り合う。
間柱から孵化したあとの卵がでてきた。たまに見かけるヤモリの卵らしいが、改築が終わっても住み続けて欲しい。
 
 
 
 

ロシア外交問題を対話による相互理解で解決した男・・・「菜の花の沖」の高田屋嘉兵衛

2022年05月18日 07時31分37秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
明治から今日までの日露外交は、ロシア側の二枚舌外交で翻弄され続けてきた、が、しかしである。
幕末の「ゴローニン事件」では、戦争や賠償金もなしで対話による相互理解で解決した人がいた。
幕臣でもない廻船問屋の主であり、探険的な航海により北前航路を開発していった高田屋嘉兵衛その人だ。
 
ロシアの南下への野心は、ウラジオストックが「極東の支配」を意味するロシア語であることが示しているが、江戸時代からロシア軍艦は日本の沿岸に出没しては、測量や略奪を繰り返していた。
 
そんな緊張のなかで発生したのが「ゴローニン事件」であり、択捉島付近を航海中の嘉兵衛は、事件の報復としてロシア軍艦に拿捕され人質となった。
 
しかし嘉兵衛の人徳と卓越した操船技術によりロシア軍水兵から「大将」とまで呼ばれて尊敬を受け、別れ際には涙まで流したそうだから、よほどに魅力的な人物であったのだろう。
 
水呑み百姓から廻船問屋の主にまでなった生粋の海の男、高田屋嘉兵衛とは、いかなる人物で、どのように交渉したのか?
ロシアのウクライナ侵攻から興味を持って、司馬遼太郎の「菜の花の沖」を読みだした。
全6巻のうち、現在は幕命をうけて千島列島の航路開拓をはじめた4巻目。
 
操船に関して首を傾げる記述もあるが、霧に隠れる択捉島の西の沖を目指して親潮に逆行して北上し、頃合いをみて東へ回頭、択捉島が視認できたら岸辺を流れる反流に乗って再び北上して択捉島へ至るN字航路を開拓する場面など、ヨットやシーカヤック経験者なら唸るようなリアルさで、流石に司馬遼太郎だ。嘉兵衛の航路開拓以前は、最短距離を航海していたので遭難が多かったのだ。
一般に北前船や千石船と呼ばれているのは、船型でいうと弁才船(べざいせん)のことだで、現在の船なら概ね100トンクラス。本州沿岸航路に使用された船は半分サイズの小型船の方が多かったようだ。
 
 
松浦武四郎、最上徳内など、幕末に北海道を探検した人物は、アイヌ民族をリスペクトするリベラルな人道主義者ばかりで、非常に魅力的だ。
もう少し読み進めるとゴローニン事件。
 
 
 

仕事のような遊びのような「遊び仕事」・・・縄文オカリナ

2022年05月16日 06時53分25秒 | ぬなかわヒスイ工房

縄文オカリナの在庫が無くなってきたので、工房工事の合間に夏の来客繁忙期にむけて焼成。

①整形しておいたオカリナを天日干しする
②バーベキューコンロの炭火が均一な火勢になる間、直火にならないように端っこで炙り焼き
③オカリナの色が均一になったら、炭で囲んで本焼き
 
④40分くらいでハニワオカリナを取り出し、遮光器土偶オカリナを燻し焼き
 
たくさんあるので均一な燻しにならないこともあり、それはそれでカワイイと売れるのだが、ムラがあり過ぎるのは何度か燻しなおす。
焼成だけなら準備とあとかたずけも入れたら半日コース。
 
文庫本を読みながらの火の管理は、仕事のような遊びのような「遊び仕事」
 
電気工事を頼んだ斉藤電気さんから、「いいなぁ、俺もこういう生活したいわ」と言われ、ホサカ建築金物屋さんからは「趣味が多彩ですねぇ」と言われたが、工房の改築工事も他人からは遊びに見えるらしい(笑)