縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

「じゃらんnet」にぬなかわヒスイ工房の勾玉が掲載・・・同時にヒスイバブルを憂慮

2016年09月26日 09時10分50秒 | ぬなかわヒスイ工房

お盆前にリクルート社が運営する観光情報ガイド「じゃらんnet」編集部を名乗るメールがきた。

全国各地の土産物ランキングで、糸魚川ヒスイの勾玉を載せたいので、勾玉の写真を提供して欲しい旨。

「じゃらんnet」掲載中の勾玉写真

 

ところが担当者の名前が中国系で問合せ先も携帯番号のみ不審メールだ。

なにより大手通販サイトではなく、ぬなかわヒスイ工房のような零細業者に連絡してくること自体が非常に怪しい(笑)

無視していたら、お盆過ぎに電話がきて本物だった。

なんでも注文の取り次ぎなしの紹介だけ、ぬなかわヒスイ工房の名前も出ず、勾玉の写真だけ無償提供というムシのいい条件。

得なことは無いので大手に断られて、やむなく零細業者に頼んできたのだろう。

一般的な普通サイズの勾玉より超小型勾玉のほうが、ぬなかわヒスイ工房のオリジナリティを打ち出せるのだけど、普通がいいのだそうだ(笑)

 

それでも糸魚川市の宣伝になればと思い写真を提供したが、きちんと24日からぬなかわヒスイ工房の勾玉の写真が配信されていた。

http://www.jalan.net/omiyage/170000/?screenId=OUW1041

現在の所、糸魚川ヒスイは新潟県の土産物ランキング4位。

折しも糸魚川ヒスイが「国石」に認定されたと同時の掲載。

お国自慢したい気持ちはあるが、ヒスイバブルで枯渇に拍車がかかる事を心配している。

杞憂になってくれればいいのだが。

 

 


世界最古の釣り針「ウナギの穴釣り用説」

2016年09月24日 07時49分41秒 | 縄文

海の師匠に巡り合えた。

神奈川県湯河原の漁師さんの竹内真治さんで、このブログにリンクを貼らせて欲しいとコメントを頂いたご縁で知遇を得たのだけど、先日沖縄で出土した旧石器時代の釣り針、すなわち世界最古の釣り針を漁師さんならではの観察で、ウナギの穴釣り用の釣り針ではないだろうか?という仮説をたてておられるのだ。

朝日新聞電子版に掲載された旧石器時代出土の釣り針写真の転載です。

 

竹内さんのウナギ穴釣り用釣り針説が紹介されているのは、「湯河原・真鶴/野生生物探検隊」(http://takezoumaru.blog.fc2.com/)

聞けば釣りに関する著述や著作も多数あるプロのライターさん!

縄文時代の仮説には強引な我田引水が目立ったりするのだけど、流石に文章は読みやすく、仮説をたてる過程も丁寧でウナギ穴釣り用説に納得できて非常に勉強になる。

かっては自身設計の5.5mの漁船で湯河原から佐渡へ、釣りをしながら日本半周の航海をしてきたのだそう。

5.5m小型漁船といえば波をかぶればジャカジャカと海水が入ってくるオープンデッキ。

そんな小舟で荒波で知られる鹿島灘、津軽海峡、竜飛岬を越えるのは怖い想いをした事も多かっただろう。

こんな大冒険、もっと多くの人に知って欲しいもんだ。

 

 


今回の助け舟は梨!・・・規格外ってなんででょう?

2016年09月22日 17時34分18秒 | 田舎暮らし

この春から、仕事を休まなければならないほどの酷い倦怠感の波がやってくる。

以前にも書いたけど、そのタイミングで神職や占い師のお客さんが増えてきて、納品後にお守りなんかが贈られてくるようになったのが不思議。

 

9月の体調はまあまあだったが、月末になって倦怠感の波がやってきた。

私は整体協会の教授資格者だから、病や怪我の経過とその過ごし方には、それなりの見解を持ち、経験も積んでいるのだが・・・・。

寝込むこと五日目の今朝、微熱と頭痛が加わって、何故か左の掌が腫れあがり動かなくなるというオプション付きで体調は悪化している。

普通の病気ぢゃないですよ・・・。

 

今回の助け舟は、友人から貰った新潟市産の段ボール1箱分の瑞々しい梨。

大きさと形が不揃いなので規格外で売り物にならないそうだが、なんてたって旬の梨である。

断食はやめて、梨だけ食って生き抜くことにした(笑)

それにしてもだ、物凄く美味い梨なのに見てくれと大きさが不均一というだけで規格外で販売ルートに乗せて貰えないって何でしょうな。

農産物は工業製品ぢゃないのにねえ・・・農協と農林水産省に物申す!

 


身体感覚が求められる先端技術・・・超音波孔開け機が人間臭くて面白い!

2016年09月19日 20時58分46秒 | ぬなかわヒスイ工房

最近はお得意様や友人からヒスイ製の数珠を作って欲しいという要望が増えてきた。

そんな訳で導入したのが、精度のよい垂直孔が開けられる超音波孔開け機で結構な値段がする。

ヒスイの数珠を作る前に、薬石で管玉の練習。管玉といっても中央ピッタリに貫通孔を開けるのは難しいのだ。

 

この機械、超音波で微振動させたニードルに水で溶いた金剛砂を垂らしていくと直径1㎜前後の垂直孔が開けられる優れ物なのだけど、金剛砂と水の分量、微振動の調整は「なんとなくこんな感じ」という感覚に委ねられた人間臭い機械なのだ。

また、放っておけば勝手に垂直の孔が開けられるといいう訳でもなく、常に手に持ったヒスイを20gの圧力で垂直にニードルに当て続けなくてはならず、垂直か否かは、あくまでも手の感覚で決めていくのである。

完成した管玉と棗玉(ナツメダマ)。管玉の角の面取りをすると棗玉になるが、これは茶道具の棗に似ているから。

 

ところが慣れると本当に垂直の孔が開いてしまうのが面白い。

原始的な身体感覚が求められる先端技術(笑)

帯留めの注文があったのでナツメ形の帯留めを試作。

 

ゲストハウス山楽のエイちゃんが、相談がてら遊びに来た。

最近は外国人バックパッカーも宿泊するようになったので、ゲストに様々な体験や市内観光の提案を検討してみたいとのこと。

例えばゲストがヒスイ海岸で拾ったお気に入りの小石に、超音波孔開け機で孔を開けさせてオンリーワンのペンダントを作らせてみたら?

観光客にどんな提案ができるか?まずはエイちゃん自身が孔開け体験してみるこったな!

 

長者ケ原遺跡や海遊びガイド、各種体験会講師なら俺でもできるよ!・・・面白いぢゃないか。

彼はノリがいいので話が弾む。


縄文の巨木信仰・・・長者ケ原遺跡はここが凄い!

2016年09月18日 09時02分52秒 | 糸魚川自慢

糸魚川市ライオンズクラブから、「海のヒスイ・ロード」講演会の依頼。

聞けば長者ケ原遺跡の除草ボランティアをしているとのことなので、この遺跡の見所を紹介する予定。

東京ドーム3個分の広大な敷地を持つこの遺跡は、住居区域は一割程度しか発掘されていないのだけど、中期(五千~四千年前)の関東甲信越に特有の円形集落。

ぬなかわヒスイ工房に訪れてきたお客様は、時間さえあれば長者ケ原遺跡にご案内しているので少なくとも年間三十人以上は案内しているハズ。

しかし何回説明しても飽きない魅力がこの遺跡にはある。

 復元されている長者ケ原遺跡の掘立柱建物遺構

 

具体的な見所はこのブログで紹介してきたので、おさらいがてら項目を並べると

例えば、復元竪穴住居の入り口が全て東を向いているというのは白老アイヌの民俗例と同じ!

円形集落にある広場は祖先の墓域!

ゴミ捨て場以降が集落の東の端!

そして掘立柱建物遺構の柱の異常な太さは、即ち巨木信仰だった!・・・かも(笑)

 

北陸から東北にかけての日本海側の縄文遺跡の住居は、他の地域に比べると太い柱を持つのが一般的。

それにしても長者ケ原遺跡の掘立柱建物遺構は八畳ほどの広さに不必要なほど太く、大人一抱えはある極太の柱を持っている。

哲学者の梅原猛によると、ハシとは橋や箸に代表されるように離れた二点を繋ぐもの、ラはアイヌ語で降りるという動詞だからして、ハシラとは天と地を繋ぎ神が降りてくるという意味を持つ、という解読をしている。

だとすると、長者ケ原遺跡の掘立柱建物の不必要に太い柱は、豪雪に耐える神宿る憑代たるチカラのあるもの、という想いが籠められているのかも。

10月27日のライオンズクラブでこんな話をしたい。

考古学に民俗学的な視点を加えると、より身近な興味が湧くのだよ。

 

 

 

 

 


100%綿の脱脂綿に化学繊維混入疑惑!・・・火打石セット

2016年09月16日 07時45分02秒 | ぬなかわヒスイ工房

フリーマーケットで大人気なのが「ぬなかわヒスイ工房 火打石セット」

100%糸魚川産の手作り品である。

 

慣れは必要だけども、バーベキューで火お越しに成功してヒーローになった少年もいるくらい性能は良いのだけど、どういう訳だか七月の広島での体験会で、火打石の着火性能が極端に悪かった。

その時は火口が湿気たのか?と思っていたが、フリマで売るために大量生産していたら、火口が上手に作れず焼きムラが出て失敗続き。

脱脂綿を蒸し焼きにして作った火口。焼きムラがなく均一な黒になっているのが正しい!

本物の火口は蒲の穂を蒸し焼きしして作るのだけど、ぬなかわヒスイ工房製品は消耗品を都会の人でも入手しやすいように、100%綿の脱脂綿を蒸し焼きにして作っている。

 

そういえば広島に行く前に、いつもとは違うドラッグストアで別のブランドの脱脂綿を買って火口を作った事を思い出した。

そこで以前に買っていた脱脂綿で作ってみたら、焼きムラなく均一に蒸し焼きできたし、着火性能も戻ったのだ。

同じ「国産・綿00%脱脂綿」と表記された製品なのだけど、もしや化学繊維が混入されているのか?

製造方法の違いで繊維の絡み具合でそうなるのか??

またはその両方???

どっちがどうだとは敢えて書きませんが、火口にならない綿100%脱脂綿があるという事は確か!

 

今のジーパンは綿100%と表記してあっても化学繊維が混入してあるとかで、コアなジーンズマニアがデッドストックのヴィンテージモデルに大枚をはたくのは本物の綿100%ジーンズへの拘りであるらしい。

私の子供の頃のジーパンは、洗濯して乾かすと自立するのではないかというくらいゴワゴワしていた。

どういうこっちゃ!

通産省の表記基準にグレーゾ-ンの幅が多すぎる事に問題があるのじゃないか?

知人の漆工芸家に聞いたところによると、外国産漆に7%?・・・だったかの国産漆を混ぜると「国産漆」と表記できるのだそうだ。

彼は江戸時代の漆工芸手法に拘っている工芸家だから昨今の漆器業界の現状に怒っていた。

もし本当なら、通産省の表記基準が日本の伝統工芸を駄目にしているということぢゃないですかぁ・・・。

 

 


稚児ケ池は旧跡というだけぢゃないぜ!・・・マウンテンバイクで二千年来の古道を走る

2016年09月13日 17時16分14秒 | ぬなかわ姫

能生町のゲストハウス「山楽」のオーナーのエイちゃんから電話。

長期滞在しているニュージーランドの大学生がマウンテンバイクが楽しめる林道を探しているのだけど、どこかいい場所を知らないか?との事。

よくぞ私に聞いてくれた!と案内したのが、ぬなかわヒスイ工房の後背地に位置する蓮台寺の丘陵地帯。

稚児ケ池にて。右がニュージーランド人の大学生ダレン君、左が山楽オーナーのエイちゃん・・・未開の原住民が探検隊を案内しているみたいだ(笑)

 

即ち、奴奈川姫入水の地との伝説のある「稚児ケ池」の前を東西に走る林道である。

「稚児ケ池」は、ぬなかわヒスイ工房を訪ねてきたお客様は必ず案内している故事来歴の古跡だが、現在の糸魚川では存在すら忘れ去られつつある隠れた歴史スポットで訪れる人も少なく、アプローチの林道も既に使われていないので車どころか人も通らない未舗装の山道。

この山道沿いは奴奈川族の王族たちの墓域であった可能性があるそうで、もしかしたら二千年来の歴史ある山道なのかも?

いわくある古跡であっても、アウトドア遊びの好きな私にとってはトレッキングやサイクリングに最適なラフロードでもある。

左が稚児ケ池

 

で、ニュージーランド人の大学生を案内したら大喜びした。

三時間後にぬなかわヒスイ工房に戻ってきて「オモシロ~イ!」と興奮冷めやらず動画を見せてくれたが、場所によっては危なそうな崖道を結構なスピードで走っている動画もあり、確かにマウンテンバイクだと面白そうな山道であった。

稚児ケ池は歴史ある旧跡というだけぢゃないぜ!

 

 


なんてたって火焔土器!・・・越後が誇る文様

2016年09月11日 18時17分15秒 | 縄文

東京オリンピックの聖火台に火焔土器をという運動がある。

十日町市立博物館の火焔土器。火焔土器は信濃川中流域に流行した土器群で、新潟から富山まで分布しているが、「火焔土器」とは長岡市の馬高遺跡出土の土器に付けられた固有名詞なので、それ以外の遺跡から出土した類型は「火焔型土器」と呼ぶのが通例になっている。

 

オリンピックに使う金があるなら、収束の見込みがたっていない震災復興や福島原発問題に金と人材を投入すべきと多くの人が思うだろうし、私もそう思う。

「政府が責任を持って・・・」とやら公言しているのにね(笑)

まあ、余程の大災害や戦争でも起きない限りは東京オリンピックは開催されるだろうから、新潟の縄文ファンとしてはどうせ作るなら越後の火焔土器型の聖火台は賛成である。

例によって電通がらみで有名デザイナーに法外な価格で聖火台をデザインさせるより、実物に忠実に再現して欲しいもんだ。

さて、この火焔土器・・・観れば観るほど格好いい。

構成部分だけでもシビレるデザインで、特に火焔土器を特徴付ける口縁部(コウエンブ)を飾る鶏頭冠(ケイトウカン)が格好いい。鶏頭冠とは読んで字のごとく鶏の頭のような形状の突起である。

 

私のお国自慢の一つが、火焔土器の鶏頭冠をデザインしたらしき新潟県立博物館のシンボルマークである。

初めて観た時に「やられたぁ!」と感動した県立博物館のシンボルマークは、鶏頭冠と縄文土器に多用される二重螺旋を意匠化したもの。

誰のアイデアかは知らないけども、実に格好いい。


モノ作りは基礎の精度向上が永遠のテーマ

2016年09月09日 23時08分54秒 | ぬなかわヒスイ工房

ぬなかわヒスイ工房で使っているヒスイ加工の機械や工具類は、プロ仕様のものからホームセンターで買ったDIY用まで色んな種類が揃っているが、どれも自分なりに改良を加えてある。

機械や工具を使いやすく改良したからといって、それで終わる訳ではない。

同業者からこれで充分だといわれても感じる微妙な違和感・・・これを問題にするかどうかで最終的な出来上がりが随分と違うと思う。

より良い作品作りを目指して改善につぐ改善、その積み重ねが作品の品格になるのではないだろうか。

8月は精度向上月間!手始めとして、火打石セットの火打ち金を作るための治具を作った。木のハンドルに正確な直線かつ垂直な溝を鋸で入れて、火打ち金を差込めるようにするための治具だが、以前より短時間で正確な溝を作る事に成功した。つまり火打ち金がしっかり固定されて着火しやすくなったのだ。

 

この所、石笛加工に必要な孔開け加工の精度向上が飛躍的にアップしている。

研磨機も同様で、毎日使っている本人にしか解らないレベルの微振動が随分と改善されてきた。

この夏にはちょっと背伸びの感はあるが、思い切って超音波で孔開けをする高価な機械を導入した。

青い機械は超音波孔開け機の本体で、左の針状の部分を超音波で微振動させつつ、水と金剛砂を垂らしてヒスイに孔をあけるのだ。使いながら各部品の位置を変えたり、使い易く改良を加えている所。

先端パーツなども整理!使いたいパーツが即座に取り出せるように整理整頓されていないと気が散るので、工具の収納方法と場所はよく変わる。

 

超音波で孔開け機は勾玉の紐孔の下孔を正確な垂直に開けたりできるので、量産する場合には非常に便利な機械だけども、私は量産するタイプではないので不必要と考えていたのだ。

今まではルーターという手持ちの回転工具で孔開けしていたのだけど、私は1㎝にも満たない非常に小さな勾玉も作っており、ここまで小さいと手持ちの回転工具だと正確な垂直孔を開ける時の誤差修正が大変なのだ。

超音波孔開け機の最初の仕事は、超小型勾玉のカンザシの孔開け。これだけ小さいと手持ち工具だけで孔を開けると修正が大変なのだ。

ピアスの孔も、これまでよりかなり小さい孔になってバランスがよくなった。

 

先行投資・・・これで最近問合せの多くなってきた数珠玉も作れる準備ができた。

 


ミミズク土偶は縄文時代のサザエさんでR!・・・縄文オカリナ新作

2016年09月07日 06時32分37秒 | 縄文

縄文オカリナの新作は、ミミズク土偶がモチーフ。

新作のミミズク土偶オカリナ!

 

縄文時代後期(四千~三千年前)後葉から晩期(三千~二千五百年前)前葉にかけて関東地区で作られたのが、ミミズク土偶。

大きくて丸い目を持つ姿がミミズク(フクロウの一種)に似ているので、ミミズク土偶と呼ぶ。

三つに別れた頭部の凸凹と、目の上の庇状のでっぱりには縦線が線刻されているため、江戸時代の女性の髪型の高島田のような髪型を表現されているのではないかと推測されている。

因みに左右の端の円は、群馬などで盛んに作られていた大きな土製耳飾りと推測されている。

ちゃんと音階調整のための指孔付きのオカリナになってます。

 

頭部の凸凹と額のでっぱりが女性の髪形なら、まるでサザエさんの髪形ぢゃないか!(笑)

即ち、縄文時代にサザエさんがいたのでR!