縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

最後の記事です・・・ブログ次回から引越し

2014年11月21日 09時52分44秒 | こんなモノ作った!

OCNブログのシステムの問題で、来週からgooブログに引越します。

タイトルは「縄文人(見習い)の糸魚川発!」のままですので、お気に入りに設定してある方は、タイトルで検索してください。

恐ろしい事に旅先で、行政関係者や考古学者、糸魚川関係者の人々から「ブログ読んでますよ!」と声を掛けられるのだ。

それと各地の糸魚川会の先輩諸氏、けんか祭りの仲間たち・・・有難いことです。

さて、OCNブログ最後のアップは体験会情報。

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糸魚川市にUターン帰郷して5年・・・最初は自主企画の体験会ばかりだったけど、最近は色んな団体から体験会の講師に呼ばれるようになってきたのは喜ばしい限り。

つまり友達が増えてきたということだ。
友達と言えば先日、とっても仲の良い友達夫婦からペア勾玉の注文があった。
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何時でも身に付けられるような小さな勾玉を、お守りとお国自慢ネタにしたいのだそうだ・・・しかも夫婦ペアの勾玉。
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注文主の顔が見える注文は気合いが入るし、愉しい仕事。
小さくても大きくても、勾玉を作る手間暇は変わらないし、五円玉より小さい勾玉を作るのは意外に難しい。
形が崩れたり、割れたりと苦労は多いけど、職人魂に火が付くのだ。

もちろん同じ原石からペア勾玉を作った。
仲のいいご夫婦・・・いいねえ。

それでは次回はgooブログにて・・・サラバ!









ブログを引越しします!・・・コイズミさんで石笛販売開始

2014年11月18日 23時07分15秒 | ぬなかわヒスイ工房

京都市に「民族楽器コイズミ」という有名な楽器店がある。
石笛名人の石笛仙人こと守山鷲声さんの紹介で、このたびコイズミさんでも、ぬなかわヒスイ工房の石笛を販売して頂ける事になった。

店舗販売だけではなく、ネットショップでも販売してくれるそうで、社長は将来的には石笛のワークショップも企画したいと意欲的な反応。
守山鷲声さんの本業は篠笛職人で、篠笛をコイズミさんにも卸しているのだ。
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コイズミさんの店舗は、オーケストラ用楽器から100円で買える素朴な楽器まで所狭しと楽器が並ぶ愉しいお店。

〒604-8091 京都市中京区寺町御池下がる 518番地
        TEL:075-231-3052


私の作る石笛は、独自に開発した斜孔タイプやペンダントタイプ、指孔付き石笛などのオリジナル石笛ばかりだし、演奏しやすい工夫や音色調整などの独自技術を持っていると自負しているのだけど、石笛の演奏家やご神事で石笛を使う神職さんからもそれなりの評価を受けているのだ・・・自慢じゃないけど自慢ナノダ!
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世界初の指孔付き石笛!初心者でも音階調整が簡単にできるアイデア!!しかもアクセサリーとしても使えるペンダント式石笛!!!
こんな石笛も、ぬなかわヒスイ工房だけ。
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縄文後期(四千~三千年前)の青森県上尾駮遺跡出土の石笛
レプリカ
縄文時代の石笛を作っているのも、ぬなかわヒスイ工房だけ!
この石笛は、守山鷲声さんからの特注品!
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世界初の斜孔タイプ石笛!
吹き口を斜めにすることで、音域が広がるという独自工夫・・・しかもヒスイ以外の鉱物(写真はアルカリ角閃石製)で石笛を作っているのも、ぬなかわヒスイ工房ならでは!!

最近はデザインをパクった石笛もあるようですが、吹き易さと音色は簡単には真似できんでしょうなあ。
パクリ天国の中国を笑えん日本人も多いわ・・・羞恥心ちゅうもんが無いのかねえ。

ぬなかわヒスイ工房とコイズミさんのネットショップ以外で、ペンダントタイプや斜孔タイプの石笛を見付けても仁義なきパクリ石笛ですから買ってはいけませんよう(笑)

ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツの言葉を借りると「俺の真似は簡単でも、俺を越えるのは難しいぜ!」・・・まいったか!


という訳で、12月以降は、下記ホームページでもぬなかわヒスイ工房の石笛が購入できます。
http://www.koizumigakki.com/
店舗で試し吹きもできる・・・と思います。

それと重要なお知らせ。
11月一杯でOCNブログがシステムの不具合が修復できずに閉鎖されるために、次回からgooブログに引越しします。
今後ともご贔屓を賜りますよう、よろしくお付き合いのほどをお願い致します。

それにしてもOCNは、ブログもメールも不具合が多くて使えんかった・・・パクリ石笛を堂々と売る人もそうだけど、NTTという大企業が何やってんだか。







真脇遺跡探訪記・・・「海のヒスイ・ロード」西周り航路

2014年11月12日 08時03分19秒 | 民俗学ごっこ

晩秋の能登を訪れた。

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山の紅葉ではなく、海辺の納屋に絡み付いた紅葉写真を撮るのが俺流(笑)


能登には真脇遺跡というヒスイ出土地があるのだ。
個人的には「海のヒスイ・ロード」西周り航路の前線基地的な遺跡ではないかと考えている。
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真脇の出土品。人形ペンダントは糸魚川産の蛇紋岩かネフライト、それとも透閃石?・・・暗い室内のガラス越しでは何とも言えないけど、角閃石類に見える。

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この石棒も、長者ケ原遺跡出土品に似ている。男鹿半島の大畑台遺跡からも、そっくりな石棒が出土している。


真脇遺跡は低湿地のために木製品の保存状態が良く、金沢のチカモリ遺跡と並んでウッドサークルも出土している。

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ウッドサークルには玄関のように開いた場所があって、コンパスで確認したら南に開いていた。
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金沢市のチカモリ遺跡でウッドサークルの玄関?を確認した時には、霊峰白山の方向に開いていたようだが、真脇の場合は海に開かれているようだ。

海からのマレビトか、祖霊を迎え入れる為の玄関なのだろうか?
それともアイヌの熊送りの儀礼のような意味があるのか?

真脇遺跡からはイルカの骨が大量に出土しており、頭骨や石槍が突き刺さったものもあるので、どうやらイルカを喰っていたらしい。
してみるとイルカ送りの遺構なのかもしれない。


能登には大小の入り江や島が点在しており、富山湾側は波もなくとても静か。
静かな入り江と沢山の島、なだらかな山容を持つ能登半島は、どこか女性的な優しさがあるし、海の幸山の幸に恵まれた見るからに縄文人が住んでいそうな土地だ。

同じ日本海側の半島でも、外海のような波が押し寄せて険しい断崖が続く男性的な男鹿半島とは対照的な風景である。

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ある入り江では、季節外れのイルカの群れが飛び跳ねていた。
静かな入り江と大小の島・・・縄文人居住地に最適な土地は、アウトドア遊びに最適なフィールドでもある。


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能登の海岸には、能登瓦の欠片が落ちている。
北陸地方の瓦と言えば、珠洲地方で作っていた艶光する黒い能登瓦だ。
残念ながら最近になって廃業してしまったらしい。

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能登名物の見附島の別名は軍艦島。
綺麗な黄色い岩肌の正体は珪藻土で、能登半島には珪藻土が露頭した綺麗な島が沢山ある。
能登の地場産業のひとつ、七輪コンロも珪藻土が原料だ。

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能登の鎮守は気多大社の
拝殿裏の「入らずの森」の結界には、珍しい黒木鳥居があった。

樹皮が付いたままの丸太が黒木、樹皮を?いた丸太は白木ですな。


出雲族の北陸前線基地だったのでは?と考えております。
もしや出雲に拉致された奴奈川姫様がお住まいになっていたのでは???
根拠はないけど、そう思うのだ・・・。

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千里浜海岸は、観光バスも走れる砂浜。真冬は有名なサーフポイント。
糸魚川から日帰りできる有名なデートスポットでもある・・・懐かしい(笑)


能登を周っていたら、「海のヒスイ・ロード」西周り実験航海がしたくなってきた。
能登までなら糸魚川から近いので、友達と遊びながら・・・。











越後塩炊き祭り in cafe DONA・・・原発の海で塩作り

2014年11月04日 23時27分14秒 | こんなモノ作った!

「海のヒスイ・ロード」の旅の途中で仲間になった柏崎市の「umicafe DONA」さんは、原発の東2キロにある海を見下ろす素敵なカフェレストラン。

このカフェには面白い仲間が集まってくる。
その一人、長岡市の清野さん(せーちゃん)が発起人となって、11月2日~3日に原発の海の海水を煮詰めて塩を作るイベントを行った。

柏崎刈羽の原発再稼働の賛否に関わらず、例え廃炉となっても共存し続けなければいけない原発に対して、事故を起こさないで欲しいという願いを込めた祭りである。
海水は、上越地区、下越地区からも集めた。
上越地区は糸魚川のヒスイ海岸で皆既月食の日に汲んだ海水!
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右端がせーちゃん。左端の男性が富田さん。


俺の担当は、薪割りと火起こし。
塩炊きの指導は、大阪で染めや鉄火味噌作りなどの工房を営む富田貴史さん。
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祭壇を整える富田さん。彼は各地で塩炊きの指導をしているそうだ。
一睡もせずに塩炊きをし続けた富田さんの姿に感銘を受けた俺は、塩
炊きの後に名刺を渡して挨拶をしたら、名刺代わりと自分の工房で作っている麻製の越中褌をプレゼントしてくれた。
俺の勝負下着に決定!


当日は祭りの始まりの祈りの儀式までは天候がもっていたものの、火起こしで釜に火を入れる直前に風速8mの暴風雨となり、準備していた縄文式発火法の道具が一瞬でびしょ濡れとなるアクシデント発生。

慌てず騒がず、何時も携帯しているファイアー・スターター(アウトドア用品の現代版火打石)で着火した。

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薬缶で煮たてた海水を大鍋に移して灰汁やゴミを掬いながら沸騰させ、大釜に移してから煮詰めるという三段構えの体制。
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瞬間最大風速10m超えと思われる暴風雨に、雨除けのタープが吹き飛ばされそうになる。誰ともなく自主的に骨組みにぶら下がって錘になってくれた。
俺も薪割りの合間にタープの補強や控えロープ増強に励んだ。
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放浪の歌姫PHOKAちゃんと、歌うラーメン屋ゆっけが歌ってみんなを励ます。
踊り出す女たち、黙って薪を割る人、海水のゴミを掬いとる人、熱いお茶やコーヒーを淹れて振舞う人、ゆっけは夜食のラーメンを作ってくれた。
みんながそれぞれのやり方で塩炊きに参加していた。
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一晩中、煙で目を真っ赤にしながら釜に薪をくべ続けた富田さん。
薪の寸法、種類を選び、薪の並べ方まで考えた緻密な火力の調整をしていた。
その集注感は整体指導者並みで、間違いなく今回の塩炊きは富田さんの集注感がみんなを引っ張っていく牽引力になっていた。とても立派な人だと思った。
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朝3時くらいに暴風雨が峠を越して、風が風速5m前後に落ちてきた。
客観的にいって、風速10mもあればホームセンターで売っているようなタープは吹飛んだり、破れたりしてもおかしくはない。
みんなの想いが暴風雨からタープを守ったのだ。
俺も安心して仮眠したら4時間も爆睡・・・一晩中起きて塩炊きしていた人もいた。
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DONAさん店内で、各自が好きな時に好きな場所で寝ていた。
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朝7時から
晴れ間を縫って薪割り指導。長岡在住の親子だったが、奇しくも母親は糸魚川市青海町の出身で、高校の後輩だった。
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「わっしょい餅つき」。
左は上越市在住のアメリカ人のラッセルで、カナディアンカヌーに乗ってのツーリングキャンプが好きだという。ジョーク好きな気持ちのいい男で、家具職人だから意気投合してすぐに友達になった。
ラッセルもタープの補強を手伝ってくれたが、現場の即興対応力のあるヤツは好きだし、彼もよく研いだ刃物を常に持ち歩いているようだから実に気が合う。
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明け方に塩が結晶化してきた・・・感動の場面。
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大釜の底に溜まった塩の結晶を掬って木綿で濾し、遠心分離機で脱水。
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できた塩はみんなで作った宝物。

スタッフ以外は特に役割分担を決めていなかったけど、参加者は人手が足りなさそうな所に自分の判断で手伝うという理想的な動きで塩が作られていった。
雨でずぶ濡れになったり、煙で燻されて目を真っ赤にしながら・・・みんないい顔してた。
新しい友達が沢山できた。
指導した富田さん、企画した清野さん、場所を提供して裏方で支え続けたDONAさん、そして参加者のみなさんに感謝!
かけがえのない仲間たちに幸あれ。











「海のヒスイ・ロード」の報告書・・・人生初の原稿料!

2014年11月01日 23時27分57秒 | こんなモノ作った!

「海のヒスイ・ロード」検証実験航海の報告書を3ケ月かかってまとめた。

旅もちょうど3ケ月かかったが、何かの縁だろうか。

報告書は、素人の道楽に付き合ってくれた各地の埋蔵文化財センターの学芸員さんや、チャレンジ支援を受けたアウトドア総合ブランドのモンベルさんへの結果報告のつもりであったが、「糸魚川郷土研究会」の蛭子健治先生からの依頼でもあるのだ。
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蛭子先生は高校の時に古典を習った恩師だ。
退職後は郷土史研究の会を主催されており、「糸魚川郷土研究」という郷土史の発行や講演会、音楽会などを精力的にされておられるのだ。

旅から帰ったら、「糸魚川郷土研究」の次回号に原稿用紙70枚の報告書を寄稿して欲しいと、相変わらずの達筆の手紙が届いていた。

蛭子先生の達筆は懐かしい。
高校の古典の試験問題は、全て先生の草書体の手書きで設問が書かれていて、解読に手間取って答えを記入している途中で時間切れとなり、落第しそうになった事があるのだ。

生徒たちの抗議に、「手書き文章の解読も含めて古典の試験だと思うんですよ。申し訳ありませんが、私の試験は手書きで出させて下さい。」と優しくも毅然とした態度で応えておられたが、今から思えば尤もな理屈だし、先生の態度は立派だったと思う。


古典は赤点しかとった事しかない不肖の教え子に、70枚も原稿を依頼されるというのもどうかと思うが、せめてもの恩返しのつもりで快諾したし、「海のヒスイ・ロード」が活字化されて多くの人に読まれるのは望外の幸せといいうもの。

49枚の論文にまとめて先生にお渡ししたら、恐れ多い事に「薄謝」と書かれた原稿料を用意されておられた・・・律儀なお人柄に感服。

文章でお金を頂くのは初めての体験で恐縮した。

原稿料を頂いては同じ報告書を他に出す訳にもいかず、年内まで原稿は待って頂いて、大幅に加筆訂正する事にした。

「糸魚川郷土研究」は、来年3月に発行予定だそうです。
糸魚川市内の書店で購入可能ですし、図書館で閲覧することもできます。
興味のある方、お楽しみに!