縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

失敗を成果といいかえて頑張っちゃう・・・石目も個性

2020年12月30日 08時17分25秒 | ぬなかわヒスイ工房

ゴールを外したサッカー選手が、地面に膝をついて両手で頭を抱えて天を仰ぐ場面をみると、そんなことやってないで次に行け~!と思ってしまう(笑)

超小型勾玉が完成直前に石目から割れてしまったが、すかさず直径2・5㎜の紐孔を観察して、内部に条痕が残っていないゾ・・・研磨できてるヨシヨシ、と淡々とした態度で何ごとかを得ようとする。
私は石目もオンリーワンの個性と捉えるから、割れるリスクを承知で加工するのだが、今回のように研磨熱で石目が成長して割れてしまうことがある。
 
膨大な失敗の数々が、技術の厚みになっていくノダ!と考えないとやってられない。
毎回試作品のつもりだから、毎回のように工程や工法も違い、作る物によっては耐水ペーパーのメーカーや粒度も変えている。
 
流れ作業になってはダメなのだ。
 
 

寿司屋で出すお茶はなぜ美味いのか?・・・「すし廣」店主を突撃取材

2020年12月28日 08時43分46秒 | 糸魚川自慢

寿司屋で出すお茶はなぜ美味いのか?

長年の疑問を幼馴染の寿司屋「すし廣」店主を突撃取材したら、緑茶の製造過程で出てくる粉茶(こなちゃ)という種類なのだそうだ。
 
わかりやすくいうと回転ずしで出すのはお湯を注ぐだけの粉末茶で食品添加物入り、寿司屋で出す天然素材100%が粉茶。
 
粉茶は茶漉しを通すので粉っぽくなく、糸魚川の寿司屋で出しているお茶は、市役所裏の正香園さんで製造販売しているとのこと。
 
急須なしで紅茶用のストレナーでも大丈夫なので、仕事の息抜きに一杯だけ飲みたい時に活躍しそうだが、持つべきは友ですな!
いい匂いが漂っておりますよ。
お隣の子供たちが餅搗きを習いにきて、年末らしい気配。
 
 

お小遣いで勾玉を買ってくれたニカニカ女子

2020年12月26日 07時31分30秒 | ぬなかわヒスイ工房

多くの出逢いに恵まれた一年だったが、いちばん印象に残っているのは、谷中の個展で母親に連れられて来て、自分のお小遣いで超小型勾玉を買ってくれた小学生の女の子の姿。

いたいたけな女の子が熱心に作品を観ている様子を見せてもらっただけでも眼福なのに、初めてのアクセサリー、初めてのヒスイ、初めての勾玉、大人でも安くはない値段の商品を自分で納得して選んで「これください!」と買ってくれた。

その場で首飾りに仕立てて首に掛けてあげたら、なんども姿見に写してはニカニカニカニカ笑っていた。
 
おおきなマスクをしていたので表情は観えないけど、ニカニカオーラを全身から漂わせて喜んでいた。
 
母親はお金の使い方の勉強なのだと、お嬢ちゃんが迷いに迷った挙句に自分で選んだ勾玉を「これ買っていい?」と了承を得るまで一切の口出しをせずに任せていが、すばらしい母娘。見事な実践教育。
戦時下では「パーマネントはやめましょう」の標語で、華やかな装いをすることも圧力をかけられていたが、そんな時だからこそとパーマネントをかける女性たちがいたそうだ。
 
淡谷のり子さんは戦地の慰問でも胸のあいたドレスを着て、豪華な指輪にネックレス、つけまつげに真っ赤なルージュで舞台に立ったら憲兵に不謹慎だと怒られたが、明日をも知れない男所帯の兵隊たちはシャバに残した母親や奥さん、娘の姿を淡谷さんに重ねて涙を流して舞台に見入った。
均質化の同調圧力をかけられたモノトーン世界に咲いた華。
 
装身具の意味や存在意義の研究、もっと深めたいですネ。
 
 

 


「おさるのジョージ」は原点回帰の処方箋

2020年12月24日 07時16分52秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

お上品で学識豊かなご婦人から、私がキュ✕✕✕ジョージに似ていると言われたのが10年くらい前。

英語が堪能な方なので発音が良すぎてよく聴きとれず、キューライスジョージ?なにそれ?と聞いたら、Curious(キュリオゥス・好奇心旺盛な)ジョージという子猿が主人公のアメリカの絵本のことで、髪形も行動も私にそっくりフフフと笑われた。
ちなみにキューライスは、落後「死神」に出てくる呪文「アジャタラモクレン キューライス テケレッツのパァ」のキューライスで、人は聞きなれない言葉に出会うと似ている言葉に置き換えてしまうのですな。
 
そういえば高校時代に後輩から、「ギャートルズ」のドテチンや「じゃりン子チエ」のテツに似ていると言われておりましたが、他人からはサル系に観えるらしいワタシは。
 
くだんのご婦人が個展に来てくれたので、キューライス猿問題を思い出し、先日図書館で借りたら確かにカワイイ!
 
「じょーじは、かわいい こざるでしたが、とてもしりたがりやでした。」どうですかこの簡潔で潔い文章表現。スバラシイ。
「馬のションベンみたいにダラダラと長い文章を書けばいいってもんぢゃない!それと登場人物の名前の一覧表を添付しなさいよ」と、ドストエフスキーに読ませてやりたいもんだ( ´艸`)
 
映画版アニメのDVDもいい。
 
イギリスTV番組「モンティパイソン」や志ん生の落語みたいなナンセンスジョークと物語の配分が絶妙で、大人でも笑える。
 
なによりジョージが問題を起こした時、周囲の人が大変だぁと慌てても怒らず、最後に丸く収まる世界観がいい。
 
批判と排除、都合の悪いことはフェイクニュースと否定、質問は差し控えますと逃げる・・・こんな現実世界に疲れたら、おさるのジョージで原点回帰。
 

 


思い付きをやってみる・・・三角とう形土製品石笛

2020年12月21日 07時53分23秒 | ぬなかわヒスイ工房

用途不明の「三角とう形土製品」をモチーフにした蛇紋岩製の石笛を逆光で撮影したら、面白い写真が撮れた。

最初から狙ったのではなく、透過性のない蛇紋岩を照明の上に載せたらどんな感じになるかと思いついて撮ったのだが、線刻がクッキリ浮かびあがって厳かな感じ。
三角とう形土製品をモチーフにしたのも、石斧の伐採実験で使って折れた石斧の先端をリメイクしただけ。
加工でも何でも思い付いたことを試しにやってみると、思わぬ効果があることを発見したりするから面白いのですヨ。
好奇心は予定調和世界からの脱却できる窓口、未知との遭遇。自分が「うわぁ」と驚くのだから愉しい。
 
好奇心のままに動く子供っぽいタイプは、モノつくりに向いているように思うナ。
 
ある先輩が、私より年下をさん付けで呼ぶのに、私にはヤマダ君と君付けにするのは何故なんだろうネ?と不思議がっていたが、ベテランの少年なのですよ、ワタシは( ´艸`)
 

 


「美味しいわぁ」・・・水野久美さんの指に妖しく輝いていたヒスイ指輪

2020年12月20日 08時40分03秒 | ぬなかわヒスイ工房
NHKBSの東宝SF特撮映画特集の番組にゲスト出演していた女優の水野久美さんが、見事なヒスイの指輪をはめていることを発見!
水野さんは三条市出身で、ジャイアント馬場さんと同じ町内で育った幼馴染だったのは有名だけれども、新潟ゆかりの宝石だからなのか?緑が好きなのか?バブル期なら200万円はしたであろうレベルのヒスイでしたヨ。
小学1年の時に恐怖のどん底に落とされた怪奇SF「マタンゴ」の裏話を語っていたが、水野さん演じる奔放で小悪魔的な歌手の衣装は、デザイン画を元に水野さんが役柄のイメージで赤のワンピースと緑のスカーフで作らせたそうだが、40年以上も前に観た映画なのに彼女の緑のスカーフが強く印象に残っている。
食い続けるとキノコ人間になってしまう禁断の毒キノコを「美味しいわぁ・・・」と男を誘惑する場面が放送されたが、演技がうまい妖艶なグラマー女優であるだけでなく、語りからは上品で芯が強い人柄と、頭脳明晰な方だということが伝わってきた。
今でも外国からファンレターが届くらしいが、X星人役を演じた「怪獣大戦争」で共演したハリウッド俳優から、しつこくプロポーズされて困ったのだとか。
 
もしかしたら世界で最も有名な日本人女優さんかも。
 
それにしてもだ、80歳を超えているはずの水野さんは相変わらず美しかった。何、食ってるんだ(笑)

 


お袋の輪ゴムも呪いなのだろうか?・・・勾玉シルバーバングル

2020年12月17日 07時41分28秒 | ぬなかわヒスイ工房

シルバーバングルに勾玉を組み合わせた試作品を、来客に見せたらカワイイと言われたので商品化決定。

腕輪にはブレスレットとバングルの呼び方があるが、日本では留め具があるタイプをブレスレット、無いタイプをバングルと分類されているようだ。
金属製のC字形タイプは、英語圏ではカフと呼ばれるそうな。
シルバーのチューブで作ったバングルなので、手首のサイズを問わないところがいいですねぇ。
勾玉をはじめとした首飾り・腕輪・足環・鼻輪、インドなどでウエストに巻く紐帯などの装身具を、霊魂が抜け出ない呪いである魂拘禁具(たましいこうきんぐ)と解釈したのは,人類学者の金関丈夫先生が最初らしいが・・・
お袋が手首に輪ゴムをはめているのもそうなのですか?腕時計はどうなのですか?と質問したいのです( ´艸`)
 
 

世界初?ヒスイ製のギターピック・・・真似するヤツ出てくるだろうけど

2020年12月15日 08時12分23秒 | ぬなかわヒスイ工房

ヒスイ・縄文・ヌナカワ姫のことならよろずご相談承ります「ベンリー山田」でございます!

20年ぶりに会った先輩から、ヒスイでギターのピックを作ってくれと頼まれ、ピックリ( ´艸`)
見本に渡された厚み3㎜の木製ピックは、平らな部分にやんわりとテーパーが付いているので、普通の職人なら平らに作ってバレル研磨するだろうが、ど根性でちゃんとテーパーを付けて手研磨したのは、注文主の期待に応えたいというプライドからだ。
土産物屋で売っている量産ヒスイ製品より成形精度と研磨度合いは高い自負はあるが、そのうちに真似して扁平で研磨も適当な粗製ピックを作るプライドのないヤツが出てくるだろうねえ。
「このたび古来より不老長寿の霊石と伝えられる翡翠でピックを謹製致しました。花が咲き、小鳥が鳴き、河に蜜が流れる妙音が響きます。効能;肩こり・冷え性・疳の虫・家内安全・商売繁盛・恋愛成就」
 
こんな霊感商法モドキの商売文句は、口が裂けてもオレは言わない!
 
例え鉈で背中を割られて、溶かした鉛を流し込まれても言うもんか!!(笑)
 

九州で縄文井戸を掘る同志・・・大麻飾り職人、秋田真介さん

2020年12月12日 08時52分18秒 | ぬなかわヒスイ工房

上越市に講習に来ていた大麻飾り職人の秋田真介さんが、ぬなかわヒスイ工房の噂を聞きつけて来店。

秋田さんの講習を主催したのは、上越市のゲストハウス「仲六青苧の家」の原りささん(左)

秋田真介さん
 
ヌナカワ姫がお隠れになった稚児ケ池、長者ヶ原遺跡、天津神社と案内している間、モシャモシャ状態の大麻を三つ編みにしていたが、彼にとっては音楽家が奉納演奏するような行為だそうだ。
別れ際に見事に編み上がった大麻飾りをプレゼントしてくれて恐縮したが、立ったまま編んでいたのに素早く正確な仕事にも驚いた。
 
彼の大麻飾りつくりに関する話しは、まったく私のヒスイ加工に対する姿勢と変わらず、表現は違っても宗教観や世界観も変わらず、まだ若いのにエライやっちゃ。
 
大分県在住とのことだが、こういった友人は距離に関係ないですな。
 
我々の精神文化の基層に伏流水として流れる縄文なるものを、地面を掘り出して井戸とする同志。
 
各地で同志たちが掘りあてた甘露な縄文井戸の水、飲みにきてくださいな。
 
 

エビ形勾玉の物語・・・叔父の武勇伝

2020年12月10日 18時05分30秒 | ぬなかわヒスイ工房

黒に緑と白が発色した三色ヒスイというものがあり、石目からカットした端材が面白い形だったので作ったペンダントトップでござる。

個展の時に「これ何を意味しているのですか?イモムシ?魚?」とか言われたりしたけど、作り手の思惑と観た人の感想が違ってもちっとも構わない。
牙玉を勾玉のプロトタイプとするにしても、数千年間もの間に作り手と求めた人各人各様の物語があってこその勾玉であり、割れた玦状耳飾りをリメイクしただけであったり、胎児や釣り針、三ケ月であったりと、どれが正解で不正解ということはないと考えている。
個人的には、カルビーのかっぱエビせんのパッケージをイメージしました(笑)
戦後まもないころの春2月、寺町の漁船5杯がエビ手繰り漁に出たのはいいけど、風がジモン(沖出しの南西風を意味する方言)に変わって急いで浜に帰ろうとしたがどんどんと沖に流されてゆく・・・漁師の家族が泣いて助けを求めたが、誰もどうすることができない・・・そこへ駆けつけて来たのが復員したばかりの叔父で、制止する祖母に「大丈夫だっちゃ!」と言い放ち、たちまち褌裸となってロープを縛り付け、お浄めの酒しぶきを体に吹きかけるや否や、ザンブと荒海に飛び込み救助に向かった。
波間に見え隠れしていた叔父が漁船に辿りつき、ロープを漁船に結わえ付け、引っ張れの合図・・・浜から歓声が挙がり、村中総出でロープを引っ張って5杯の漁船が次々と浜に揚げらた・・・20名の漁師と叔父が見事に生還!
 
叔父はその後、裸一貫で建設業を起業して成功した。
 
子供のころに親戚が集まると話題になった叔父の武勇伝、その名は秦誠一。
 
今は亡き叔父のことを思い出しながら作ったペンダントトップ。
 
すなわちエビ形勾玉である(笑)
 
これがヒトと翡翠の物語。