縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

歌うラーメン屋と友達になった・・・朝日楼はラーメン界のドリアンやあ

2015年01月23日 23時12分22秒 | 糸魚川自慢

糸魚川市能生町にある朝日楼は、不思議なラーメン屋。

まず外観がラーメン屋に見えない。

朝日楼のラーメンを食うには、小川に掛かったコンクリート橋を渡る必要がある。

普通の民家の玄関に、小さく「朝日楼」という看板が出ているだけなので、噂を聞きつけてきた初めての人は辿り着くことができない。

 

問題はラーメンだ。

メニューは醤油ラーメン(普通・大盛り)、チャーシュウ麺(普通・大盛り)の四品のみ。

背脂ギトギトの濃厚ラーメンが売りなのだ。

お客さんは手の周りも手も、そしてテーブルをも脂でギトギトさせてラーメンを食う事になる。

透明な脂とスープが分離!何故かかき回しても分離したまま(笑)

 

大好きか苦手かの両極端な味のラーメンだと思うが、市外からのお客さんも多い。

ラーメン界のドリアンですな。

ギトギト脂に辟易しても、暫くすると無性に食いたくなる危ないラーメン(笑)。

 

最も不思議なのが、ラーメンを作っている人・・・。

「歌うラーメン屋」として著名な、渡辺直人さんその人だ。

「歌うラーメン屋」の直人さん。仕事中にも関わらず、1時間近くも話し込んでしまった。

 

直人さんは国立音大の声楽家を出てから、かの有名な「藤原歌劇団」でオペラ歌手をしていたそうで、数年前にUターン帰郷して家業のラーメン屋を継いだのだ。

そして去年、二十年来の夢だったという、糸魚川で市民参加のミュージカル「アデッセイア」を開催。

スタッフも演者も人材不足で大変だったそうだが、こんな活動は継続すべき。

次回は俺も協力したい・・・大道具作りや舞台作りならちょっとした自信はある。

俺は落語・映画・芝居・古典芸能が大好きだから本寸法の声楽家とは話に花が咲くし、直人さんも俺の糸魚川の郷土史や民俗学的面白さ面白がって聴いてくれる。

次回作も糸魚川に所縁のある新作を上演したいらしく、そのネタ探しで興味津々なのだ。

歌える人、モノつくりが好きな人、糸魚川を愉しくしたいと想う人なら誰でもOKだ。

求む有意の人材!


綺麗ならいいじゃねえか!

2015年01月16日 23時20分36秒 | ぬなかわヒスイ工房

お蔭様で我がぬなかわヒスイ工房も、4月の設立3年目を目前にして、オーダーメイドが増えてきている。

糸魚川で拾える雑多な石でアクセサリー、勾玉なんかを作っているが、特に力を入れているのが石笛。

過去の作品を観て、同じデザインを希望するお客さんの求めに応じて作った最新作がこれ!

世界最小・世界初のペンダント石笛・世界初の音階調整用の指孔付き石笛である。

因みに背景は本物の縄文土器の破片!

こんなに透光性がある。

こんなにちっちゃい!

 

しかし、原石はアルビタイトにヒスイ輝石・オンファス輝石が混じっているようなヒスイで、ヒスイ業界からは評価の低いタイプの石。

評価が低いのは、白い部分の柔らかいアルビタイトと、緑の部分の硬いオンファス輝石の削れ方が違うので、綺麗に成形し難い石という事もあるだろう。

この手のヒスイで作った勾玉が売られているのを観た事があるが、確かに微妙に凸凹してヘンテコな勾玉だった。

 

でも俺は、業界からの評価が低くても綺麗ならいいじゃねえか、と想う。

綺麗に成形する技術があって、デザインを気にいって買ってくれるお客さんがいればいいじゃねえか、とも想う。

俺は雑多な石を相手に色んなものを造って苦労してきたので、この程度の結晶が不均一な石でもシンメトリックに成形できる。

それなりの手間暇はかかるし、綺麗に成形する技術を習得するのに苦心はしたが・・・。

それにヒスイとしての評価が低かろうが、この石は六億年の時を生きてきたのだ。

人間ごときが何を生意気な、という石の声が聴こえそうだ。

ぽってりと厚みを持たせてあるので、可愛い!という評価(笑)

 

縄文人は、数ある石の中からヒスイの尊さを発見して、困難な加工をしてまで宝物にした。

ところが奈良時代の仏教伝来以降は、国産ヒスイの存在が忘れ去られ、何時しか糸魚川ではヒスイが重たい石という存在価値しか認められずに、戦前は屋根の置石や漬物石に利用されていたのだ。

 

戦前の糸魚川ヒスイ再発見、そして糸魚川市は近年のナショナルジオパーク認定で、ヒスイ再評価の気運が高まってきている。

しかしその評価は、縄文時代とは別次元。

尊い石というよりは、金になる石・観光資源と言う評価ばかりに焦点が当てられているように想う。

「嫌ぁ~な渡世だなあ・・・。」

俺はヒスイ界の座頭市(笑)

 

 

 

 

 


屋根にガンダム18機が乗ったらどうなる?・・・水力発電所の屋根が潰れた事件

2015年01月14日 22時35分00秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

新潟県の雪は重い。

何年か前の大雪で、長野県から除雪ボランティアが来てくれたのだけど、「新潟の雪かきってこんなに大変なんですかあ!」って泣いていたらしい。

 

新潟では、一晩でこんな事になる。マジで車の屋根が凹むのだ。

 

俺は元土木設計屋で、確かその時は新潟の積雪比重を0.24で計算していたと記憶している。

つまり1立米(1立方メートルの略・1m真四角の箱分量)当り、240キロの重さの雪である。

屋根雪なら1立米当りで、平均300キロ以上の重みがあるらしい。

屋根面積が40㎡なら、1mの積雪で(40㎡×300キロ/㎡)=120,000㎏、つまり12トンもの雪が乗っかっている事になる。

こんな時に地震でもあったら大変だあ・・・。

 

ところがだ、湯沢町にある東電の水力発電所の屋根が雪の重みで潰れたというニュース。

調べたら1200㎡の屋根に2mの積雪があっても放置していたらしい。

1200㎡×2m×300キロ/㎡=720トンの雪!

ガンダム1機で40トンという設定だそうだから、なんとガンダム18機も乗っかっていた事になる。

コンクリート建屋だってそりゃ潰れるわ。

大丈夫かあ、東電!

 


冬のヒスイ拾いは命がけ!

2015年01月12日 07時48分18秒 | ぬなかわヒスイ工房

ストックしていたヒスイが無くなってきたので、新年初めての原石採集に行った。

冬は姫川の河原は雪が積もっていて無理だから、海岸で拾うかヒスイ仲間のストックをわけて貰うしかない。

ヒスイの故郷とはいっても糸魚川では年々ヒスイが拾えなくなってきているから、今回は車で30分ほどの富山県境の越中宮崎海岸に的を絞った。

越中宮崎も雪が無いのは波打ち際だけ・・・この日はプロのヒスイハンターと思しきお年寄りが独り歩いていた。

吹雪の中、鼻水を垂らしながら波打ち際を石を探して歩く・・・これは結構危険な行為。

 

夢中になっていると波が押し寄せてきても気が付かないのだ。

俺の爺さんもヒスイ拾いで波に巻かれて死にそうになった事がある。

今回も押し寄せる波から逃げきれずに、長靴の中に海水が入って小一時間で諦めた。

越中宮崎駅前で海岸へのアプローチにある「食堂コロ」は、現在は「ストーンワールド」という鉱物販売店になっている。(土日のみ開店)

 

ストーンワールドに入って、管理人の太郎さんとストーブで温まりながらヒスイ談義。

何時もニコニコして人の良い太郎さんから、ヒスイやその他の原石も分けて貰えた。

ここは原石集めのヒスイ仲間が寄る情報交換の場でもある。

冬のヒスイ拾いはライバルが少ないから思わぬお宝が入手できる事もあるが、マジで命がけなのである。

 

 


工業化に文化があるか?・・・自家製かき餅に想う

2015年01月09日 19時22分40秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

我が家では餅は自家製だが、お袋がひび割れた餅でかき餅を作った。

揚げたてのかき餅は、ふんわりモチモチしてとても美味い。

軒下に乾して乾燥させれば誰でも知っているかき餅になるが、これぞ日本の伝統保存食であり世界に誇れる食文化だ。

しかしモチモチ状態のかき餅の美味さを知っている日本人がどれだけいるんだろう?

自家製でないとこんな経験はできないのだ。

 

我が家の揚げたてのモチモチかき餅は、お袋の味。

 

何故か最近は、カップ焼きそばにゴキブリが混入したり、某ハンバーガーチェーンの食品にプラスチック片が混入したりという事件が多発している。

大量生産・大量販売をしていれば、異物混入だってあるだろう。

少しでも安く、何時でも何所でも買えるようにという風潮になると、食品の工業製品化は当然の成り行き。

便利な世の中に違いは無いが、果たして工業製品に食文化はあるのか?

近未来の日本に、「お袋の味」と自慢できる食い物を挙げられる人がどれだけ残っているのか?

相次ぐ食品の異物混入事件の多発は、食文化崩壊の危機への警鐘に想えてならない。

 

TPP問題も、食文化や農林水産の分野での文化保存や育成という視点が欠落しているように思うのだ。

そして俺が属するヒスイ業界も・・・。

俺はヒスイ業界を傍観者の立場から俯瞰しつつ独自路線を歩んでいるが、何でどの業界も大量に売ってやろうとするのか解らん。

右肩上がりの経済神話というヤツの呪縛かね?それらに子々孫々に継承していける文化はあるのか?

皆でつつましく貧乏したらどうだ?

米だけを大量生産する米農家は、スーパーで野菜を買っているのが現在の農業の在り方なのだ。

一極集中・大量生産・大量販売が、21世紀に通用するのか?大いに疑問。

お袋のかき餅を食いながら、そんなことを想った。

 

 

 

 

 

 


アメリカ人からの可愛い年賀状

2015年01月06日 10時00分39秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

去年、友達になった上越市在住の木工作家のラッセルさんからの年賀状が可愛い。

「Kono mae wa arigatou・・・Mata aereba tanosimi desu、Please visit sometime.」と、所々英語交じりで日本語をアルファベットで書かれているのだ。

可愛い!

そして優しいヤツだなあ、と思う。

外国人からの手紙は筆記体で書かれていると非常に読みにくいものだが、彼は日本人にも解り易く文字を繋げて書いていないのだ。

アメリカ人だけど、日本流にヘボン式のアルファベット表記という所も可愛い。

arigatouと書かれているけど、外国人ならaragatoと表記するのが普通だろうに、長年の在住で日本人化してきたのか?

それとも日本人に理解しやすいようにしているのか?

Camp ni ikimasho...

と書かれているので、一緒にキャンプに行くしかあるまい。

それにしても、何で折れた矢の絵が描かれているの(笑)

 

 

 


炬燵に入って食う水羊羹はいかが?・・・風流な竹筒で作ってます。

2015年01月03日 23時48分18秒 | こんなモノ作った!

水羊羹と言えば夏場の食い物というのが一般的。

しかし北陸地方では冬に食う。

糸魚川も正月のお節料理にはかかせないデザートだから、我が家では大晦日に大量に水羊羹を作っている。

お節料理に満腹して炬燵でごろ寝・・・ちょっと小腹が空いてきたな、というタイミングで食うと絶妙に美味い!

寒い冬の夜、炬燵に入ってヒンヤリと冷たい水羊羹は、北陸の冬の風物詩。

歯に沁みる水羊羹が喉元を冷やしながら通過・・・これぞ至福の時。

これが竹筒羊羹!雪の上で食うという訳ではない(笑)。庭のサザンカの花弁が散る絶妙のタイミングだったので参考までに。

 

ところがどんなに美味いデザートでも、三が日を過ぎる頃には流石に飽きてくる。

自家製だから保存料無し・・・冷蔵庫に入りきらない位残っているので、黴が出る前に食わなきゃと半ば義務のように食う。

そこで俺が考案したのが、殺菌作用のある青竹の筒に煮上がったばかりの水羊羹を流し込んで固めるというもの。

東南アジアの路上や駅周辺で売られている竹筒ご飯をヒントにした。

水羊羹が固まったら、両刃鉈で先端に切れ目を入れて先端にサランラップを巻いて涼しい場所に置いておくだけ。

食う時に切れ目を手でパカッと開けば、青竹の香りと共に瑞々しい水羊羹が現れる。

半分に割った竹の上でナイフで切れ目を入れて、そのまま爪楊枝を差して食うのだ。

年始客の土産や、こっちが年始に行く時の手土産に持って行くと風流だと好評だ。

田舎では手入れの行き届かない竹林を持っている人が多く、竹を伐らせてくれいと頼むと喜んで伐らせてくれるので一石二鳥!

これだから田舎暮らしは愉しい。

 

 


正月の必見番組!

2015年01月01日 17時14分16秒 | ぬなかわヒスイ工房

 明けましておめでとうございます。

糸魚川市の郷土史家として著名であり、日本海縄文カヌープロジェクトの会長をお願いしている土田孝雄先生からの年賀状に耳寄り情報が書かれていました。

1月2日(金)AM10時~11時

BSフジ 古代紀行ドキュメンタリー「古事記の世界」第5話の中で、先生が奴奈川姫とヒスイについて語るのだそうです。

 

奴奈川姫(ヌナカワヒメ)とは、記紀や出雲国風土記に登場する、糸魚川を中心とした中越地方まで信仰を集めていた女神様です。

  具体的には、糸魚川市の黒姫山と信州の黒姫山、そして柏崎市の黒姫山に囲まれた三角地帯で信仰されており、これ即ち奴奈川族の居住地とされています。

奴奈川族は奴奈川姫を信仰するヒスイ加工をしていた民族で、私はその末裔。

 

旧糸魚川市役所前の奴奈川姫像。裾に縋りついているのは、信州の諏訪大社下社の御祭神の建御名方神(タケミナカタのカミ)

 

一般的に奴奈川姫は、ヒスイを司る卑弥呼のような地域のリーダー的存在であったと既成事実のように語られていますが、実のところは奴奈川姫とヒスイを直接的に関係づける口碑伝承や文献は皆無なのです。

ネット上には「奴奈川姫はヒスイを支配」という独断的な眉唾情報もありますが、あくまでも奴奈川姫とヒスイの関係は推測の域を出ないものです。

土田孝雄先生が、どんな語りで奴奈川姫とヒスイを関連付けるのか楽しみ。

全国のヒスイ好きや、古代史ファン、各地の糸魚川関係者は必見ですよう!