俺は特定の宗教を持たない。
あえて挙げれば縄文アミニズム的な宗教観を持っている。
特定の政治活動もしていないし、支持政党もない。
好きな噺家のひとり、故林家彦六師匠はイデオロギーは別として、共産党を支持していたそうだ。
支持の理由は、師匠が住む有名な稲荷町のオンボロ長屋のドブ板が腐って危険になった。
ドブ板の修繕を台東区に掛け合ったがたらい回しで埒があかず、都議に掛け合ったら相手になってくれたのは共産党の都議だけだったそうで、それ以来「共産党は弱え~モンの味方だあ。これこそ江戸っ子の料簡ぢゃねえか!」と弟子に言っていたらしい。
弟子とは先代の林家木久蔵(現木久翁)で、今でも彦六師匠の物真似をしたこの由来譚は、高座の定番ネタである。
弱え~モンの味方・江戸っ子の料簡・・・こんなシンプルなモノの観方もいいなあ、と思う。
直接会って話をして「弱え~モンの味方」と感じたのは、泉田県知事と社民党副党首の福島みずほさんだ。
12月16日に上越市のホテルハイマートで開催された「福島みずほさんと新しい社会を語ろう」という会にゲストとして参加。
福島みずほさん・・・社民党の前党首である。
左端から福島みずほさん。
・東京でのオペラ歌手生活からUターン帰郷して糸魚川市能生町の実家のラーメン屋を継いだ渡辺直人さん(朝日楼)。
・偉そうにマイクを握っているのが「日本海縄文カヌープロジェクト」の山田修さんこと俺。
・十日町で俺の大好きな民族映像研究所の記録映画の上映会をしている門脇洋子さん(市民活動ネットワーク ひとサポ)。
・上越市で脱原発市民活動をしている橋本桂子さん(みんなで決める会)。
・上越市で有機農業をしている天明伸浩さん(星の谷ファーム)。
いずれのゲストも上越近隣で市民活動をしている人々で、分野は違っても弱え~モンの味方・・・かなあ???
天明さんと門脇さん以外は初対面だったが、全員すぐに意気投合して会は和やかに進行。
手前が「歌うラーメン屋」の渡辺さん。朝日楼は糸魚川で有名なラーメン屋さんで、渡辺さんとは高校の5年先輩でもあり意気投合。
来場者からの質疑応答で原発事故についての発言を求められ、俺は「3・11は原子力から原始力への転換点!」という発言をしたら、パチパチと中手が来た!
中手(なかで)とは、寄席の用語で噺の途中で拍手が来ることである。
俺の持ち時間は独自の縄文文化論を展開したが、話の内容はともかく、聴衆から笑い声が上がって食いついていたのが解ったので取敢えずは受けたようだ。
落語好きの性分というヤツで、楽しんでさえもらえればヨシとするのが俺流である。
福島さんが発言する際、俺の方を観て「山田さんから縄文のお話がありましたが・・・」と縄文文化論を巧みに取り入れた尖閣問題や基地問題のお話し。
端的で解りやすい政談は流石。
ヒスイの仕事中はラジオを聴いているが、国会中継の時に自然に耳に入ってくるのは、共産党の志位委員長と福島さん。
演説が上手い政治家なんですなあ、
後から福島さんから縄文の世界観が面白ろかった固く握手されたし、他のゲストや聴衆からも縄文の事を色々と聞かれた。
社民党副党首と記念撮影!サービス精神旺盛な政治家はこんな時のリアクションに慣れたもんで、一本取られた格好だ。
彼女は打上げの時も食事にほとんど手を付けずに、まんべんなく席を歩き回って参加者の話を聞いていた。
全国を飛び回ってお疲れだろうに、政治家って大変である。
泉田県知事もそうだったが、福島さんもオンとオフのふり幅が広い人。
ブラウン管の向こうの泉田知事も福島さんも理路整然と毅然とした姿だが、会ってみると気さくなごく普通の人。
政治家には先生と呼ぶのが礼儀だが、福島さんは先生無しでもフランクに話せる人だったし、視座が庶民的で人情味が本物である事を感じて個人的なファンになった。
つまり人間的な魅力のある政治家ですな。
党派とは無関係に、彼女は弱え~モンの味方であることは間違えねえ。
今回も色んな出会いがあったし、色んな所からお呼びがかかる予感がする・・・世界が広がっていいこった。