縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

否応なく謀反人に・・・二・二六事件の若き日の柳家小さん

2016年02月27日 08時19分14秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

昨日は二・二六事件の日。

反乱軍の中になんと、若き日の柳家小さんが一兵卒として混じっていた。

小さんといえば義理人情に篤い落語名人、そして落語界初の人間国宝であるばかりか、落語より剣術が大好きと公言する剣道家。長年に渡って永谷園のインスタントみそ汁のCMに出ていたので、落語に詳しくない人でも顔くらいは知っているハズ。

 

二・二六事件当日早朝は演習のつもりが実弾を配られて、将校に命じられるまま否応なく反乱軍になってしまったそう。

天皇に謀反を起こした反乱軍・・・事件後に意気消沈して屯所に引揚げた兵隊達・・・。

重い空気に耐えかねた将校から落語を命じられた小さんが、「ええ~、毎度バカバカしいお笑いを一席お伺いいたします・・・」と得意ネタの「子ほめ」を伺ったが、誰もクスリとも笑わない。

「明日をも知れない身だからなぁ。笑う訳ぁねえんだよ。あんなやり難い高座はなかったねえ・・・」と後年語っている。

 

水戸黄門に切りかかる悪代官の家来の中にも、アルカイーダやイスラム国の兵隊の中でさえも、若き日の小さんがいるかも知れない。

戦争法案が施行されれば・・・我々の誰でも小さんになる可能性がある訳だ。

二・二六事件の日、そんな事をフト想った。


畏れ多いから抽象化するのでR!

2016年02月26日 09時42分52秒 | ぬなかわヒスイ工房

ご神火(カ)と雲形紋(ミ)を線刻した石笛を過去にも作ったが、今回は三角形にした。

三角は最小安定数で、ピラミッドに代表されるように大地と天を現す、即ちこの世や世界を現す図像だ。

前回の投稿を見て、「新しい麻雀パイ発明したの?」と聞いてきた愚か者がおった!ブアクアメッ!石笛ぢゃ。

撮影技術が向上したお蔭で透明感を表現できてきましたな。

沖縄では三点が火の神ピヌカンのイコン(宗教的な象徴)だが、これは囲炉裏に鍋をかける時の三つの石を図案化したもの。

三角って面白い。

 

ついでながらモスリムはアラーと神を呼ぶが、直訳すると「その神」であってアラーとは神の直接的な固有名詞ではない。

人間如きが気安く神の名を呼ぶのは畏れ多いという意味と、異教徒からの呪いを避けるために神の名を隠すという意味があるからである。

人智を超えた存在に対し、具象化するのも人間だし、あえて抽象化するのも人間。

これは文化の違いであって優劣を付けるべきではないだろう。

何が面白いって、人間が面白いのだ。


ワープスピード!・・・ヘロヘロですわ

2016年02月24日 19時03分01秒 | ぬなかわヒスイ工房

過去の作品と同じデザインの石笛のご注文。

ご注文は彩色した石笛だが、当然ながら過去の作品より良くないと職人とは言えませんですな。

遠隔地の方で、しかも誕生プレゼントにしたいというので、他の仕事を後回しにしてワープスピードで仕上げた。

ヘロヘロになったので、明日は仕事できませんですなあ・・・。

 

それにしても同じ白ヒスイを使って同じ撮影設定にしていても、完成が夜になってしまったので撮影した作品の質感が表現できていない。

明朝に撮り直しぢゃ・・・写真撮影は難しい。


ついに白ヒスイの撮影に光明が!

2016年02月21日 07時39分53秒 | ぬなかわヒスイ工房

白ヒスイの写真撮影は難しい。

模様がないのでピントを合わせ難いし、ライティングが悪いとペタンと白一色に塗りつぶしたように映ってしまい、透明感が表現できていなかったりする。

これまで私が使っていたカメラはオートフォーカス機能しかない2万円以下の防水コンデジだったから無理もないと言えばそれまでだけど、せっかくの作品を出来るだけ美人に撮ってあげたいと四苦八苦していた。

白ヒスイの奥行がなんとなく表現できてきた大珠形の石笛写真。成否はライティングですな。因みに大珠とは縄文前期(六千~五千年前)に作られ始めた威信財・祭器である。シンメトリックに作ってしまうと面白味がない形状だし、縄文に匂いがしなくなるので作るのは意外に難しい。

 

そんな想いを抱いていたら、カメラ好きの友人である赤野自動車板金塗装の赤野隆造さんが中古一眼レフを格安で譲ってくれた。

彼の写真はフェイスブックなどで拡散して、今や雑誌や印刷物に使われていたりする知る人ぞ知る存在で、写真だけではなく車やパソコン方面でも色々と相談に乗って貰っている。

私はマニュアル大嫌い人間だから、簡単な説明を受けただけで手探りで使い始めた。

そしてついに・・・課題だった白ヒスイの質感が表現できた撮影に成功・・・といっても初心者レベルで満足できる範囲(笑)まだこの段階では右端の吹き孔付近のピントが甘い。小さな勾玉だとピントは合い易いが、大きな石笛だと全てにピントを合わせるのは不可能。それでも透明感などの質感や奥行はいい線いってる。

奥行を表現したいというのは、単に立体感という意味だけでなく、透明感あるヒスイ内部の奥行の事。

 

赤野さんが写真の師匠と仰ぐのが糸魚川市関連の観光写真を一手に依頼されている渡辺貴さんという有名なアマチュアカメラマンで、赤野さんに最近の私の写真が上達してきたと言っているらしい・・・ムハ~!

渡辺さんからも撮影技術をレクチャーして頂いても、絞りだのシャッター速度だのと高度過ぎてよく解らないのだが、よく一緒に山や海に行っては遊んで貰っている。

色んな分野で活躍する友達がいると人生は豊かになりますな。

愉しいではないか。

 


人の存在感って凄いのだ・・・身に付けてこその勾玉

2016年02月15日 09時38分12秒 | ぬなかわヒスイ工房

やっぱり、このぅ~・・・アクセサリー商品写真は、妙齢のご婦人モデルに付けて貰うのが一番ですなあ・・・。

ヒスイの色や作品デザインによって、見栄えする背景色・照明・アングルが違うので、これまで撮影にはえらく手間暇がかかっていたし、撮り直しもよくあった。

これまでの撮影はこんな感じだった。ヒスイの色によって見栄えする背景色や照明が違うので、毎回セッティングが大変ですわ。

 

ある時、都会に住む親しい女友達から、フェイスブックにアップしたチェーン仕様の超小型勾玉ペンダントの写真に「実際に付けた写真があるともっといいのにい!」というコメントを貰った。

確かにネットショップにはチェーンの基本の長さを50㎝として、ご要望によって切り詰め加工しますと謳ってはいたが、写真だけではイメージが掴めないだろうと実感した。

そこで・・・パートナーにモデルになって貰ったら、これがいい!チェーンの長さ40㎝バージョン。

パートナーに椅子に座ってもらって、カメラを移動するだけで色んなアングル撮影が可能なので、撮影が早い。

チェーンの長さ45㎝だとこんな感じ

標準のチェーンの長さ50㎝・・・この作品の場合は40㎝がベストマッチしていると感じたが、パートナーも40㎝が一番しっくりすると言っていた。

 

生身の人間の存在感って凄いのだ。

ヒスイ原石の持つ質感や色合いが引き出されて勾玉が活きてきたし、撮影だってしやすい。

ただ私のパートナーは首が細長くて西洋人のような立体的な骨格なので、ペンダントモデルには最適だけどもピアスはしない人。

ピアスモデルを探さなければ・・・求むピアスのモデル!(笑)

 


睨み返す目・・・インドの魔除けシリーズ第三弾

2016年02月13日 07時48分56秒 | 民俗学ごっこ

インドの魔除け第三弾目は、南インドの漁船の船首に描かれた竜眼(リュウガン)。

本来の竜眼とは中国福建省付近の船に描かれた魔除けの目の事で、海難を睨み返すという呪符。

竜眼ではないが、魏志倭人伝には倭人は海に潜って魚を獲る事を好み、蛟(ミズチ・コウリュウ)を避けるために皆黥面文身(体中に入れ墨をする事)していたという記述もあるので、倭人の船にも竜眼が描かれていたのかも知れない。

アラビア湾やエーゲ海方面の船にも同様な目が描かれているし、西洋の帆船の船首像も同じ意味を持っている。

なんの、ヤンマーの漁船にも竜眼が描かれている。ただの呪いか!とバカにしてはいけない。板子一枚下は地獄という職場環境で働く漁師さんは日常的に死と隣り合わせ・・・船乗りにとって竜眼は切実な呪符なのである。

 

先代柳家小さんの得意だった古典落語の「睨み返し」という、おおつごもり(大晦日)に押し寄せる借金取りを睨み返す滑稽噺もありますな。

意外な事に現代人にも睨み返しの呪術が有効のようで、ラジオを聞いていたら、東京都で石原都知事時代に防犯シールを配布した以降は、空き巣などの犯罪発生率が低下したのだと元刑事さんが話していた。

誰かに見られている・・・ここはヤバイと感じて退散する泥棒は素直な人の様な気がする(笑)

カラス除けで検索したらヒットした画像・・・「カラス侵入禁止」という文字を理解できるカラスは相当に頭がいい(笑)

 

今も昔も人間は変わらないどころか、カラスと同じレベルなのだね。


勾玉と奴奈川神社のお守り

2016年02月10日 13時46分17秒 | ぬなかわヒスイ工房

お客様から勾玉と奴奈川神社のお守りセットのご注文。

お守り袋に入れる勾玉は小指の先ほどの小ささ。今時の安い勾玉は中国などでの量産品が多いのだけど、勾玉の意味をしらない文化圏の人が作った勾玉はカシューナッツみたい(笑) 実際に東南アジアでは私のヒスイ勾玉を見た現地の人から「なんだそれ?カシューナッツ??」と聞かれる。超小型だけども縄文時代風のデザインにして、研磨だって鏡面仕上げ(モドキだが)くらいに作ってあるのだぞ。

奴奈川神社のお守り袋に入れてお届け!タイミングよく他のお客様から国産大麻がプレゼントされてきたので、撚り紐を作って勾玉に結び付けた。

 

奴奈川神社は奴奈川姫を祀った神社で、糸魚川市にある一の宮や白山神社もかっては奴奈川神社と呼ばれていたし、現在でも遠く中越まで分布する奴奈川族の信仰を集めた鎮守様である。

現在の糸魚川市には田伏地区に奴奈川神社が残っている。

奴奈川神社の拝殿の中に囲炉裏がある。私が知る限りでは糸魚川市の白山神社にもある。

 

奴奈川族は縄文時代から古墳時代くらいまでヒスイ加工をしていたと推測される人々で、我々糸魚川市民のご先祖。

その分布は糸魚川市の黒姫山と柏崎市の黒姫山、妙高市の黒姫山に囲まれたトライアングルゾーンと推測されている。

という事は奴奈川族の宗教的リーダーと推測される奴奈川姫は、ヒスイの女神的存在であったハズなのに、伝説や伝承、記録には奴奈川姫とヒスイとの関連が一切述べられていないのが不思議。

歴史の流れの中に埋没した謎の一つですな。


真似したけりゃどーぞ!・・・オリジナルの強み

2016年02月08日 21時45分54秒 | ぬなかわヒスイ工房

何時でも何所でもヒスイ製の勾玉をお守りとしていたいという友人のオーダーで誕生した、サージカルステンレスチェーン仕様の超小型勾玉。

ついに真似しようとしている人が出てきた。

小さいから簡単だと思ったら大間違いで、普通サイズの勾玉より作るのは難しいのだよ君ぃ・・・。

試行錯誤を重ねて誕生した三連ヒスイ勾玉!実物はもっと発色が綺麗です・・・もっと写真撮影を勉強せんきゃいけん。

 

「真似している」のではなくて、「真似しようとしている」というのは、造形が稚拙で作りも雑だったので一安心しているノダ。

しかしこれまで石笛を始めとしたオリジナル開発作品を真似されてはきたが、作り手として情けなくないのかねえ。

そんな料簡ではどこかのパクり大国を笑えないではないか。

時おりしも、超小型勾玉を三つ繋げた首飾りのオーダーが入ったので、これなら簡単に真似できまいというものに取り組んでみた。

試作品作りを重ね、構想から一ヶ月を経て完成したのが、世界初の超小型三連勾玉ペンダント!

パーツは全て硬いステンレスワイヤーのハンドメイドだから、こんな細工が真似できる人、真似したけりゃドーゾ!ってなもんだ。


岩塩のチカラ・・・インドの魔除け

2016年02月06日 07時55分48秒 | 民俗学ごっこ

インドの魔除けシリーズ第三弾は岩塩。

人類最初の調味料や殺菌材、保存料は塩だったのだろうか?

例えば肉を焼いていた焚火の中に落としてしまった肉片が、数日後に灰にまみれて腐らずに出てきた・・・灰を落として食ってみたら干物上になって美味かったという事もあったかも知れない。

即ち灰が人類最初の保存料や殺菌作用の可能性は?

あるいは獣肉を食べる時に、胃腸の中から出てきたすっぱい未消化の食物に獣肉をなすり付けて食ったのが、人類最初の調味料だったかも。

骨髄や血液だって調味料にしていたかも知れない。

いずれにせよ、塩は調味料や保存料、殺菌剤として利用されてきた最古級のモノだろう。

場の浄めやお祓いの浄化材、そして魔除けとしても最古級には違いない。

 

食物が腐るのは腐朽バクテリアがどうのというのは、現代的な発想。

原始人はイノチのチカラが弱ると、死の悪魔が憑りつくから死んだり腐ったりすると考えていたのではないだろうか?

不思議な事に塩を付けると悪魔が憑りつき難い、しかも獣肉に旨味が増す!塩ってすげえパワー持ってるじゃん!

原始人がお守りとして岩塩を首から下げていたり、洞穴住居の入り口に魔除けとして岩塩を吊していた場面を想像すると楽しい。

岩塩の前では、悪魔だって退散してしまうのだ。

インドの路上には露店の床屋さんがいるが、髭を剃った後に白い塊を水に濡らしてから剃り後を撫ぜてくれた。

撫ぜた後は肌がツルツルになった・・・白い塊の正体は岩塩らしい。

なんと岩塩はアフターシェービングローションでもあったのだ。

因みに大相撲では塩がお浄めに使用されるが、インド相撲クシティでは黄色い香辛料のターメリックを使う。

クシティ力士体中が黄色いのは、そのためである。

 


玄関に椰子の実!・・・インドの魔除け

2016年02月03日 21時22分39秒 | 民俗学ごっこ

インドの魔除けシリーズ第二弾は、椰子の実である。

南インドの漁村にて。薬効あるアロエとセットになったパターン。

 

堅くて丈夫な外殻に守られ滋養豊富な椰子の実は、その特質からチカラを宿していると考えているのだろうか?

サイズと形状といい、人間の頭部に近いので目鼻を描けば悪魔を睨み返す?

堅いから悪魔が中身を食べるのを諦める?(笑)

アロエと突起を持つ貝殻とのコラボレーション。沖縄地方ではスイジガイという突起のある貝殻を魔除けにする風習もある。堅いし悪魔が憑りつこうにも突起が邪魔して退散するという呪術。

門燈と並んだ顔付きタイプ。ダルマを思わせるこの顔を描いたオジサンに会ってみたいもんだ。そういえばダルマ大師もインド人ですな。

 

椰子の実魔除けにもバリエーションが豊富で、軒先に吊るすものや門柱や屋根の上に置いてあるものもある。

色んなバリエーションに出逢う度に、作り手と対話しているようで面白い。