昨日は二・二六事件の日。
反乱軍の中になんと、若き日の柳家小さんが一兵卒として混じっていた。
小さんといえば義理人情に篤い落語名人、そして落語界初の人間国宝であるばかりか、落語より剣術が大好きと公言する剣道家。長年に渡って永谷園のインスタントみそ汁のCMに出ていたので、落語に詳しくない人でも顔くらいは知っているハズ。
二・二六事件当日早朝は演習のつもりが実弾を配られて、将校に命じられるまま否応なく反乱軍になってしまったそう。
天皇に謀反を起こした反乱軍・・・事件後に意気消沈して屯所に引揚げた兵隊達・・・。
重い空気に耐えかねた将校から落語を命じられた小さんが、「ええ~、毎度バカバカしいお笑いを一席お伺いいたします・・・」と得意ネタの「子ほめ」を伺ったが、誰もクスリとも笑わない。
「明日をも知れない身だからなぁ。笑う訳ぁねえんだよ。あんなやり難い高座はなかったねえ・・・」と後年語っている。
水戸黄門に切りかかる悪代官の家来の中にも、アルカイーダやイスラム国の兵隊の中でさえも、若き日の小さんがいるかも知れない。
戦争法案が施行されれば・・・我々の誰でも小さんになる可能性がある訳だ。
二・二六事件の日、そんな事をフト想った。