縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ストーンサークルつくった!

2016年11月25日 19時04分13秒 | 縄文

ぬなかわヒスイ工房には、不思議と神職や占い師のお客様が多い。

以前に訪ねてこられた風水占い師さんから、ぬなかわヒスイ工房は場所的にも工房の位置や向き、内部のレイアウト的にも最高で、来客で賑わう卦(ケ)が出ているのだけど、その割にお金が入らない卦でもあると指摘されていた・・・当たっている(笑)

お金が入るようにするには工房前に水の流れを作る事だそうで、ずっと気になっていたのだけど忙しくて保留になっていた。

「水の流れを作るべし!」というアドバイスを自分なりに解釈して、ストーンサークルを作った。中央に鎮座する荒々しい凝灰岩の上から水を垂らして滝を演出。いくら縄文好きでもマイストーンサークルまで持っている人はおりますまい・・・。赤い砕石はホームセンターで買った溶岩の砕石。

北側は玄武で黒だから黒曜石、東は青竜で青い蛇紋岩類(透閃石やネフライト)、南は朱雀で赤いチャート、西は白虎で白いヒスイ(実際にはアルビタイト)を配置したが、これは糸魚川に春を呼ぶ「けんか祭り」で石舞台を飾る四神でお馴染みの陰陽五行説に基づいたもの。全て縄文人に縁のある石材を使っている処がミソ。

 

実はぬなかわヒスイ工房には水道配管の設備がなく、ヒスイ加工に必要な水は雨水を溜めたり隣接する用水路から汲み上げていたので、冬場や渇水期などは洗い物をするにも面倒だったのだ。

どうせなら配管設備も作りたいと思案した挙句、表玄関の外水栓から分岐して、庭の中を15mほど配管工事をすればなんとかなると目途がたった。

しかし庭にはでっかい庭石が幾つも転がっており、放置された植物が縦横無尽に根を張るジャングル状態・・・難工事に違いない。

また、講演依頼や注文仕事が途切れなく続いている事もあって、ずっと懸案事項になっていた。

降雪時期前になんとかしたいと焦っていると、ポッカリ時間ができたので一気呵成に着工、そして完成!

折しも工事途中に地元のセメントメーカーから頼まれていた講演があり、セメント原料の石灰岩で作った砕石を売って貰えるという幸運。

公園や駐車場に敷設される粉鉱(フンコウ)と呼ばれる石灰岩の砕石。大規模なガーデニングをする場合はホームセンターで袋入りの砕石を買うよりは、建材屋さんに頼んでダンプで持って来てもらったほうが断然に安い。因みに粉鉱をご用命の方は「小野萬蔵商店」さんを検索して聞いてみて下さい。

 

バス通りから果樹園を経由して、ぬなかわヒスイ工房に至る白いアプローチ道路も完成した。

これまでは工房の入り口が解り難く、雨だと果樹園の地面がぬかるんでお客さんの靴を汚していたので、色んな事が一気に解決!

掘り起こした庭石の総重量は200キロくらい、延べ延長配管距離約15m、敷設した石灰石の砕石なんと3.2トン(2立米)!!

全てたった一人の人力工事で2週間もかかったが、とにかく雪が降る前に全部終わってエカッタ。

明日から仕事に復帰できるが、面白い仕事だったので終わってしまうのがちょっと寂しいですな・・・。


カントリージェントルマン・・・御風と石塚正英先生

2016年11月20日 20時13分51秒 | 糸魚川自慢

相馬御風(ソウマギョフウ)は、明治から昭和にかけて活躍した糸魚川出身の歌人、随筆家、作詞家、そして良寛研究家である。

新進気鋭の歌人だった若き日の相馬御風は、早稲田大学の校歌の作詞を依頼された事で脚光を浴びて、流行歌や歌謡曲、童謡の作詞と売れっ子文化人になっていった。

 

今日は旧知の東京電機大学教授の石塚正英先生が糸魚川市に来られて、御風の講演会があった。

せっかくだからと講演前に、「ぬなかわヒスイ工房」と稚児ケ池などをご案内。

石塚正英先生を稚児ケ池にご案内。小雨だったので傘と英国製ハンティングブーツを貸してあげたら、風貌と雰囲気、ツイードのジャケット姿もあいまって、これぞカントリージェントルマンと笑い合った(笑)

 

講演内容は流石で、あっという間の1時間を堪能。

御風関連の講演会というと、通常は文献の解説などだったりして睡魔との戦いなのだけど、石塚先生は御風の思想を産んだ背景を詳細に説明してくれて、ちっとも退屈しなかった。

会場は糸魚川市中央公民館で、ほぼ満席の盛況。

 

例えば、なんと若き日の御風は、アナーキスト(無政府主義者)の大杉栄に出会ってアナーキズムに共鳴していた!

石塚先生によると、アナーキズムを「無政府主義」と訳したのは誤訳で、本来は「支配を受けない人間復興主義」であるという。

しかし大杉は外的変革として社会変革を指向したに対し、御風は内的変革として自己の内面的改造を指向していった…との事。

その結果、惜しまれながらも華やかな東京での活動に終止符をうち、糸魚川に帰郷して良寛研究に打ち込んだ。

こんな御風観があったのか!と興味深く拝聴したが、話しの途中で膝を打った。

御風こそカントリージェントルマンぢゃないですか!

カントリージェントルマンはチャップリン映画の影響からか「田舎紳士」と訳されているけど、本来は社会の一線から離れた場所から中央を俯瞰して、一朝あると物申す、と檜舞台に出てくる教養人のこと。

政財界でいえば、戦前の白洲次郎がその典型だろうが、御風は思想界のカントリージェントルマンって訳って事か。

 

 

 

 

 


ヒト不在の「表現の自由」・・・宮崎駿を怒らせたCGアニメ

2016年11月15日 08時23分29秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

日曜日のNHKスペシャル「終わらない男」という宮崎駿の特集を興味深く観た。

75歳になって若い頃から苦楽を共にしたアニメ仲間たちが次々と亡くなっていき、ジブリでさえお金がかかり過ぎる手描きアニメを制作できない現状、そしてCGアニメに光明を見出しつつある姿・・・面白い。

印象に残ったのは、番組の中でコンピューターグラフィックス制作会社が宮崎さんに新しく開発したCGアニメをプレゼンする場面。

宮崎さんにプレゼンされた人工知能で制御されてグロテスクな動きをするCGアニメ。(写真はエキサイトニュースより)

憮然とした表情の宮崎さんは開口一番、身体障害を持つ知人を思い出したと言い、「極めて不愉快・生命にたいする侮辱・人の痛みを感ぜず、これを作った人達は何も考えていない」と厳しい口調で辛らつな評価。

宮崎さんの意外な反応に、CGアニメのクリエーターたちは二の句も継げずに呆然・・・。

 

フェイスブックやネット配信ニュースでは宮崎さんの反応に賛否両論の意見が出ていた。

宮崎さんに異論を唱える人は、表現の自由への否定と彼の上から目線の姿勢に違和感や怒りを感じたとの事。

私は宮崎さんに同感したが、表現の自由ってなんだろうか?と思うのだ。

両者はモノ作りする人としての製作意図が根本的に違う。

生命は尊いとものとして、アニメで生命やヒトを描こうとする宮崎さんに対し、CGアニメーターたちは人工知能の可能性を探る科学技術者。

表現したいものが生命やヒトなのか?人間の手では作り得ない奇怪な動きをするモンスターなのか?

ここの所を理解しないと、両者は交わることはないのではないか。

私はあの番組を観て「ヒト不在」の科学の暴走や、科学主義に偏る近代社会の在り様を危惧したし、宮崎さんを怒らせたのも実はそこではないだろうか。


縄文人の必須アイテム・・・石皿

2016年11月12日 07時30分49秒 | ぬなかわヒスイ工房

旧石器時代に無かった道具で、縄文時代に発明された道具は、煮炊きに使う縄文土器、木工用の磨製石器、弓矢などなど。

土器の発明で木の実のアク抜きや温かい汁物が食えて、安定した食生活が贈れるようになったのだ。

石器全体を滑らかに磨いてある磨製石器のお蔭で、木工技術が飛躍的に向上して、竪穴住居や丸木舟、木の器なんが作られるようになったし、弓矢のお蔭で狩猟の効率も増大した。

だから竪穴住居遺構と縄文土器、磨製石器の三点を「縄文三点セット」と呼び、この三つが揃って出土すれば縄文時代の遺跡である事は間違いがないとまで言われている。

でも絶対忘れてはならないのが、石皿と磨石(スリイシ)のセット。

石皿は、扁平な安山岩などの上部を凹ませて、賢果類、つまり木の実をすり潰してアク抜きをし易くしたり、食材を潰してクッキーやハンバーグ状の食い物を加工する、すり鉢のような道具。磨石はスリコギですな。

ぬなかわヒスイ工房製の石皿は、安山岩ではなく石英粒がたくさん混じった糸魚川特有の砂岩製。この硬い砂岩がヒスイや磨製石器作りの時の砥石に利用されており、石材加工を専業?のようにしていた奴奈川族の必須アイテムだったのだ。

すり潰した木の実を出しやすいように、石皿の一端を片口のように切欠いてあるのが私の工夫。

 

稀に、赤く染まった石皿も出土するのだけど、これはベンガラ(酸化鉄)を粉砕して赤い顔料を作っていた道具だろう。

粉末状にしたベンガラを水で溶けば、「もののけ姫」が顔に塗っているフェイスペンティングになり、膠や漆などで固着すれば赤い塗料になる。

知人の画家に作ってあげたら、顔料を潰すには乳鉢よりも効率がよくて使い易いとの事。写真は私が糸魚川産の鉱物を石皿ですり潰して作った11色の顔料の色見本で、白はヒスイの粉を使った。メデユーム(定着材)はアクリル系を使用。

 

土器や磨製石器と同様に、石皿も縄文人(見習い)なら揃えたい道具で、私は体験会で使うために以前から作っていが、「ぬなかわヒスイ工房」オンラインショップで紹介していたら、四年目にして初めて売れた!パチパチパチ(拍手の音)

お買い求め頂いたのは、以前から磨製石器を買ってくれていた考古学の先生。

縄文体験会といえば火お越しが一般的だけども、石皿があれば内容に幅が出ることは請合う。

ぬなかわヒスイ工房では石器も売っているのだが、糸魚川の海や河原には、石器作りに欠かせない石材がゴロゴロと落ちている。

つまり糸魚川は縄文人のミネラルパラダイスという訳。

 

 

 


Imagine・・・トランプ大統領誕生の日に思う事。

2016年11月09日 21時56分16秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

私が小学校の頃の1970年代時は世界的なオカルトブームだった。

「ノストラダムスの大予言」や「日本沈没」といった近代社会が崩壊していく映画も流行しており、ゴジラ映画にもヘドラという公害怪獣まで登場するようになっていた。

 

リメイク版は観てないけど、映画劇場版1作目は仮面ライダーでブレイクしたばかりの藤岡弘主演だったので、最後に主人公が変身して日本沈没を救う変身アクション映画だと思い込み、いつ変身するのだ!と固唾を飲んで見続けていた、という笑い話もあった。連続ドラマのテレビ版もありましたな。

 

子供心に近未来への漠然とした不安を持っていたので、サバイバル入門や原始人入門、忍者入門といった類いの本を読み漁って来るべき日に備えていたのが、私が縄文時代に興味を持ったきっかけ。

幸いにも1999年に人類は滅亡するというノストラダムスの大予言は外れたが、地球温暖化が原因らしい世界的な天候不順や、深刻な原発事故と多発する地震など、何だかヘン!と誰もが思える時代になってきた。

私の世代なら読んだ人は多いハズ。「ファティマの大予言」てのもあった。

 

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、そして今週は博多駅前の崩落事件、誰が想像できた?

この所、国際政治の動向もなにやら雲行きがおかしい。

今日はアメリカでトランプさんが大統領になったが、一体誰がその事を予測できた?

有り得ない事が起こり続けている。

トランプ大統領誕生で、安保や経済政策もアメリカ追随の既存路線が通用しなる?安倍さんは大慌てだろう。

もしかしたら日本が独立国家として自立するチャンスかも・・・良くも悪くも時代は転換期。

 

夕方のニュースで大阪に万博を誘致する準備委員会補足と報道していたが、こんな予測のつかない時代に何考えてんだか・・・無理でしょ。

私が学生時代の30年近く前の土木工学の雑誌に、首都圏の地下に埋設された上下水道インフラは寿命を迎えつつあるが、財源がなく放置されていると書いてあったし、東名高速道や東海道新幹線のコンクリート橋も劣化が深刻だが、場当たり的な補修しかできていないと警告してあったぞ。

温暖化や公共インフラの老朽化問題、原子力問題など、何時でも専門家は近い将来に予測される危機を警告はしている。

ただ政治家や行政は、耳を貸さずに華々しい箱物行政の実績を積みたがり、そのツケは誰が払う?

2020年東京オリンピックに金を使っている場合じゃないのだ。

50年後を想像してみる・・・福島原発は廃炉できている?お洒落な六本木ヒルズはどうなっている?北陸新幹線は誰が補修する?

老朽化が進んで直す必要があっても、人口減で税収減。さて、財源確保はどうなるのだ???

子孫に美田を残さず、と西郷隆盛は財産を残さなかったそうだが、現代社会は子孫に借金ばかり残している。

Imagine もっと未来を想像しなきゃ・・・トランプ大統領誕生の夜に想った。

 

 

 


倍音の祭典「縄文の響き」にゲスト出演!・・・ヒスイ製クリスタルボウル完成記念イベント

2016年11月04日 06時57分16秒 | ぬなかわヒスイ工房

ぬなかわヒスイ工房のお客様のOさんがプロデユースして、糸魚川ヒスイを原料にしたクリスタルボウルが完成した。

クリスタルボウルとは、チベット仏教の法具のシンキングボウルを元にした、水晶の粉末を固めて作ったお椀状の倍音楽器である。

ボウルの縁をこすったり、軽く叩くと「フワワワワア~ン」とか「クオオオオウオ~ン」という不思議な音が鳴り響くので、瞑想の導入やヒーリングにも使用されている。

世界初の糸魚川ヒスイ製のクリスタルボウルは、原料の水晶にヒスイの粉を混ぜて作ってあり、12月21日の冬至にお披露目イベントが開催される事になった。

パチパチパチ(拍手の音)

 

クリスタルボウルを演奏しているのは、主催者でクリスタルボウル演奏家として著名な牧野持侑(まきのじゅん)さん。

http://crystalian.com/profile.html

右端の遮光器土偶は、ぬなかわヒスイ工房製のオカリナである。

プロミュージシャンに混じって私が紹介されているが、一番説明文が長いのが恥ずかしい(笑)

 

テーマはヒスイ・倍音に加えて何故か縄文だそうで、この三つをテーマといえば縄文人(見習い)こと、ぬなかわヒスイ工房のヤマダさん!という事でゲスト出演が決まった。(うわぁ~)

しかも交通費支給!持ち時間20分で何を喋っても可!石笛や勾玉の物販も是非に、という嬉しい依頼。(イエ~イ!)

会場は昭和初期のレトロな建物として有名であり、コンサートホールとしても利用されている大倉山記念館ホール。かって薩摩琵琶演奏家の知人のライブで訪れた際に建築好きの私は大興奮したのだが、まさか自分があの檜舞台に立てる時が来るとは夢にも思わなかった。

 

私は話の他に石笛の演奏も頼まれているのだけど、オフィシャルな場で石笛を演奏するのは初めての経験!

なんとエンディングには、他のプロミュージシャン達とセッションもしてしまうという初めてづくしの大舞台である。

クリスタルボウルと石笛の即興セッションが成り立つものか心配だが、きっと奴奈川姫様の加護があるぢゃろ・・・。

 

 


いいぢゃないか、大衆食堂!・・・大津市の白ひげ食堂

2016年11月03日 07時53分39秒 | 旅先にて

しばらくゴタゴタしいていて休んでいた、毎月末に京都で行われている整体協会の稽古会参加を再開した。

北陸自動車道を利用して、敦賀インターから一般国道に出て琵琶湖の西側をひた走るのだが、楽しみは白ひげ食堂での昼飯だ。

琵琶湖の湖畔に鎮座する、白髭神社赤い鳥居が見えてすぐの南側の緩いカーブにその店はある。

菅原文太主演の大ヒットシリーズ映画「トラック野郎」に出てきそうな、典型的な大衆食堂のドライブインだ。

昔ながらの国道沿いの大衆食堂で、広い駐車場に長距離トラックや営業用ライトバン、タクシーが何台か止まっているから、安くて美味いに決まっている。

日替わりのお惣菜を選べるのがいい。

 

この日の縄文人(見習い)セレクションは、ミンチカツとご飯大盛り。これで八百円也!

 

食った後にオバチャンに食ったものを申告するシステム・・・年季の入ったソロバンで計算してくれるのもいい!

 

今回は滋賀名物の「飛び出し坊や」がサービスショット!大津の看板屋さんが考案して全国に広まった「飛び出し坊や」は、この付近の道路に至る所に立っていて「滋賀に来たぁ!」、と否応にも旅情を高めてくれる(笑)

 

コンクリートの床にプリント合板の壁、デコラ張りのテーブルとビールメーカーのロゴが入ったガラスのコップ、壁には生ビールを持った水着タレントのでっかいポスター、そして元気いっぱいのオバチャンが看板娘。

小上がり(小さな畳敷きの席)も忘れてはならないアイテムだし、椅子席であっても男ばかりの客は椅子に胡坐をかいて座る。

これぞ正しい大衆食堂!

私はこんな食堂が大好きなのだが、どの店も店の人も客も高齢化・・・あと10年で激減するのだろうが、寂しい限り。