縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

最新テクノロジーが注目するヒスイパウダーの可能性・・・役立たないモノで世の中に貢献したい考え方

2024年12月25日 05時21分12秒 | ぬなかわヒスイ工房
能登へ出発前にうれしいできごとがあった。
某商社系列のファクトリーから、「ヒスイパウダー」で試作してみたいと注文があったのだ。
 
ヒスイの可能性が最新テクノロジーの分野で注目されている。
白い部分はヒスイパウダーで、赤い部分は自家製のベンガラ
 
ヒスイ加工で発生する汚泥は捨てられているのだが、高校で美術部だったわたしは絵の具の顔料としてリサイクルしていて、つい最近も都内の染色工房から試作品につかいたいと注文があったばかり。
ファクトリーの社長に電話して、わたしの最初の仕事は総合化学メーカーの新商品開発部門の研究員だったから、新商品の開発に興味津々だし、ぜひとも結果を教えてくださいと伝える。
 
役立たないモノとして捨ててしまうのは簡単。
 
でも役立たないモノで世の中に貢献できたらという考えは、そのまま「輪島漆器義援金プロジェクト」につながるっている。
 
闇にできた「一隅を照らす」思想だ。
 
 
 

土偶、古墳、ハニワの次は弥生の勾玉のブーム到来か?・・・ハニワブームらしい

2024年12月18日 06時49分26秒 | ぬなかわヒスイ工房
世はハニワブームなのか、あいついで来客から指サック、ぬいぐるみをいただく。
「踊るハニワ」は踊っているのでなく馬の手綱をもっている人という新説がでてきたが、日本列島の人々は大昔から可愛いが大好きで、当初の意味より可愛いかどうかを問題にする文化なのだぁ!と断言なんかしないよw。
3年前に茨木県から糸魚川市にIターンした農業セーネンも、お袋さん手製の干芋を手土産に年末の挨拶にきたがハニワに見えてきた。茨城県民は干芋を手づくりする人が多いので、お土産用の包装がスーパーで売っているそう。
ストーブで軽く炙って食うとトロトロに柔らかくなる。農業セーネンのおふくろの味を堪能。
冬至イベントの「時空フェス2024」は前泊するので、国立博物館のハニワ展に行けそうだし、ハニワ形のオカリナも沢山もっていく。
 
それにしても縄文の土偶、古墳やハニワはブームになっても、弥生文化は蚊帳の外。銅鐸や銅鏡では擬人化して可愛いいキャラクターにしにくいということか。
 
弥生業界の方々におかれましては、定形勾玉ちゃんや丁子頭勾玉くん、方形周溝墓様のキャラクターのご検討を!( ´艸`)
 
 
 

大団円・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月26日 06時53分17秒 | ぬなかわヒスイ工房
大団円という言葉を覚えたのは、小学生の時に読んだ「少年探偵団シリーズ」や「十五少年漂流記」などの冒険活劇だったが、おめでたい最終章のタイトルとして秀逸ではないか。
目玉商品の眞名井勾玉の複製「黒眞名井」を買うのは、ベストセラー作家のひすいこたろうさんだろうなと思っていた。
ひすいさんは昨年同様に最終日の夕方に来場して、やっぱり買ってくれた。
撤収と会計を終えて主催者の天川彩さん、パートナーの亨ちゃんと大団円を締めくくる三本締めと打上げ。多くの仲間たちから支えられてやっと終わったぁ・・・。
作品展は根津の「ホピショップ」だったが、お話し会と休憩は2軒となりの「ハミングバード・カフェ」が恒例。戸締りして打上げの居酒屋に向かう前に感謝の記念撮影をした。
 
今は眠い、とにかく眠い。
帰宅したら冬至イベントの展示販売会と能登に正月餅を贈るプロジェクトがあるので、つかの間の休息。
 
 

ヒスイ販売会で三本締めって、祭りかよ( ´艸`)!・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月23日 08時22分11秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」初日に、「ワハハ本舗」創始者のひとり、俳優の佐藤正宏さんがお守りにして舞台にあがりたいと、木の葉形のペンダントをお求め。
佐藤さんとは展示会のプロデューサーの天川彩さんのご縁で知遇を得て以来、年に一度お会いして映画や落語の話しができる兄貴分みたいな仲で、「輪島漆器義援金プロジェクト」の展示販売会でも協力してくれた。
いいよう!かわいいよう!ちょっと拗ねてみて、君って最高だぁ!と、オラは篠山紀信になって写真を撮りまくる。
帰宅してすぐに東日本大震災の時の復興手拭で手つくりした、かわいらしいお守り袋の写真を送って頂く。人柄そのままの温かいお守り袋だ。
 
さっそく「ワハハ本舗」の長野県興行から身に着けて舞台にあがるそうだから、舞台の佐藤さんを観たら、わたしのヒスイ作品を身に着けておられると注目して、拍手を贈ってください!
 
連日、毎年の作品展で馴染になったお得意様、友人たちと再会を愉しんでいる。
お馴染さんの中でお求めになった場合は、「まいどお買上ありがとうございます。Aさんの益々のご繁栄を祝って三本締めをおこないますので、皆さま方にはよろしくご唱和のほどお願いいたします!いよぅ~!」と音頭をとって恒例の三本締め。
目玉商品の「neo縄文大珠」を試着してもらい、「女優になれ!」「魔女になるのだ!」と笑わせてにぎやかに記念撮影。
祭り好きのヒスイ職人だから作品展も祝祭イベントのように華やかで、こんなヒスイ展示販売会は他にはないだろうし、お得意様もそんな雰囲気を愉しみにしているようだ。
 
初日から目玉商品が次々に売れていくので、ご来場はお早目に!
 
 
 

「一隅を照らす」と「秘すれば花」・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月19日 06時52分55秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」は、価値がないと省みられることのない端材からの作品つくりに力をいれた。
黄緑色の勾玉はロウカン(琅玕)と尊称される最上級品。淡い蒼の勾玉はイリコンヒスイの不純物のない大トロ部分。濃い蒼の勾玉はコバルトヒスイ。
現在はどれも流通しない希少な原石だから、小さな欠片も大事にとっておき、ここぞという時に作品化する。わたしは希少なヒスイの端材で短冊形のストラップをつくっても作品とはいえないと考える。
 
またこれ見よがしに希少な原石を安売りするのはもったいない話で、世阿弥さんは、得意な演目こそ「ここぞという時」のためにとっておけと戒める意味で、「秘すれば花」という言葉を遺しているではないか。
 
能登半島が二度の激甚災害の被害をうけ、世界中で極右政治やポピュリズムが如実になった今年が「ここぞという時」だろう。
災害で保管場所がなくなった輪島漆器も、災害関連ゴミ扱いしてはかわいそうだ。
 
最澄が天台宗の教理にすえた「一隅を照らす」を、自分の仕事やボランティア活躍に反映させているつもり。
 
昨今流行りの善と悪、真実とフェイクといった二元論では、部屋の角に暗い闇ができる。個人では強烈なライトで照らすことは無理でも、小さな灯りで部屋の隅にできた闇を照らし、差別やイジメを見過ごさずに寄りそう・・・最澄さんって優しいな、と思う。
 
これから上京だ。「一隅を照らす」仲間が増えてくれたら幸い。
 
 
 

微力ながらの縄文回帰バタフライ・エフェクト・・・「糸魚川翡翠展2024」開催のお知らせ

2024年11月16日 07時15分01秒 | ぬなかわヒスイ工房
「糸魚川翡翠展2024」開催のお知らせ。
今年のわたしは能登半島ボランティアに専念した1年だったが、日ごろから多忙なプロデューサーの天川彩さんも、漆器の展示販売の協力や、各種支援に東奔西走していたから開催は微妙だった。
 
天川さんもわたしも時流や世相と共振して仕事するタイプ。特にわたしは能登のみならずパレスチナやウクライナの行く末に心を痛めている。
 
だからなおさら国家という枠組みがなかった、縄文文化への原点回帰への欲求がたかまっている。微力ではあっても、縄文やアイヌ文化をテーマにした人間復興のバタフライ・エフェクトになれば幸い。輪島漆器とヒスイはその象徴だ。
 
今年だからこその作品展にしたいと思う。
 
【チャリティトークショーのお申し込みは、下記サイトから】
◆11月21日(木)22日(金)10時半〜11時半
『被災地支援を通して感じたこと』
山田 修(ぬなかわヒスイ工房 代表)
1,500円(能登支援金含)
【定員15】
◎お申し込み
 

どんなヒスイもオンリーワンだから・・・糸魚川翡翠展2024

2024年11月15日 07時05分53秒 | ぬなかわヒスイ工房
文京区根津の「ホピショップ」で開催される、「糸魚川翡翠展2024」まで1週間をきって最後の追込み。
ここにあげた作品は、普通の職人なら短冊形の安いストラップをつくるような端材からつくってあるのだけど、面倒でも愛される作品として世に出したい一心でつくっている。
だから立体感をだすヒネリや、躍動感をだすウネリ、モノガタリを感じる線刻といった、わたし独自の技術を駆使してオンリーワンの「neo縄文アクセサリー」をつくる。
よく同業者から「どうやってつくっている?」と質問されるのだが、原石のもつ個性を活かした作品つくりした結果であって、特殊工具はつかっていない。
輪島漆器を代行販売しているのも、実は同じ想いから。
 
 
 

予定調和から即興の妙へ・・・端材からつくる「neo縄文大珠」

2024年11月08日 06時59分13秒 | ぬなかわヒスイ工房
原石の端材の形を活かした作品つくりは初心者のころから日常的にやっているのだが、ヒスイ加工の大御所に「neo縄文大珠ペンダント」と使用原石をみせたら、えらく褒められて二度見、三度見された。
ヒスイ加工は原石をカットして立方体をつくり、それを用途にあわせた厚みのプレートにカットするのが最初。その過程で端っこが不定形になるので端材利用されることが少ない・・・と思う。
わたしは用途のすくない端っこは三角の形を活かして現代風の大珠などをつくっていて、サイズや形状は二つとないオンリーワンの作品にしている。
 
先輩方の若いころはヒスイの流通量が多かったので惜しげもなく綺麗な部分だけをつかい、端材は短冊形にカットして安いストラップをつくるくらいだった。
わたしの世代は端材であっても作品化しないと商売にならず、創意工夫が試される時代だ。原石の段階と研磨後の模様を見比べてほしい。平滑に研磨すると彩度があがって色のコンストラクトが明確になっていることがわかるでしょ?
むしろ「いま在るモノ」を活かした作品つくりは、予定調和ではなくなるので「モノつくりの悦び」が感じられて愉しい。またこの悦びは割った原石から装身具をつくっていた、縄文のヒスイ加工への原点回帰のようにも思う。
 
この大珠ペンダントでも新しい研磨方法をみつけて、原石の風合いや作品イメージに合うノウハウが増えたから、端材利用といっても疎かにはできない修行だ。
 
縄文の大珠そのまま作品化している人もいるけど、でかくて重いので日常的なアクセサリーとしては如何なものか?カタチやサイズに必然性があった縄文時代ならいざ知らず、現代では造形的にも面白みがないように思うのだが。
民俗学や考古学好きからヒスイ職人になったわたしは、ヒスイを文化として捉えるからまず遺物とその背景を学ぶ。
 
そしてネオ縄文・ネオ弥生・ネオ古墳の装身具に取り組む「守破離」に忠実だから、石好きからヒスイ職人になった人からすると宇宙人みたいに思われるらしい。
 
 
 

古墳時代の黒い勾玉の謎を追う!・・・出雲大社の宝物複製「黒眞名井」

2024年11月04日 08時21分55秒 | ぬなかわヒスイ工房
11月後半の作品展の目玉に、出雲大社の眞名井の勾玉を複製した。
以前から弥生時代後期とされるこの勾玉は青海川水系のヒスイではないかと感じていたので、青海川採取の秘蔵原石を使用した。
原石の状態ではちょっと見には黒ヒスイ。実物より緑が薄く黒っぽいものの、ガラスのように透明な夜空に黒雲が浮ぶ風景がよく似ていて、これまでつくってきた複製の中で最も出来がよいので「黒眞名井」と銘をつけた。
 
遺物で黒ヒスイの装身具は見たことはなかったが、数年前に山梨の研究者から黒い勾玉が6世紀の古墳から出土したが、ガラスなのかヒスイなのか素材不明と写真鑑定を頼まれて、蛍光X線分析の前に①透過させた時の色の確認②比重測定の二点をアドバイス。
 
送られてきた透過写真は鮮やかな黄緑色だった。ガラス製なら黄緑に発色しないし、カーボン発色の黒ヒスイなら透過しないので、濃い深緑色のヒスイの可能性が高く、その後の蛍光X線分析でも硬玉ヒスイと結果がでた。
「黒眞名井」の透過光は白っぽい薄緑だが、黄緑だと原石価値がわたしには手が出ない桁違いとなる。
 
昨年に開催された大田区立博物館の「大勾玉展」で展示されていた、5世紀の群馬の「軍配山古墳」出土の丁子頭勾玉も同じヒスイのようだが、「文化遺産オンライン」では碧玉とされているのに、「国立博物館オンライン」では硬玉ヒスイ製とされているので、現地に行って調べたいと思う。
 
山梨の6世紀出土と群馬の5世紀出土と時期はずれているものの、古墳時代前期の勾玉の伝世品が埋納されたと考えれば、中部高原地帯の出土品という共通点はある。
 
時間ができたら福島・群馬・山梨・長野・岐阜までの中部高原地帯の勾玉行脚をしたいもの。ヒスイは光を透過させて二度愉しみましょ!
 
 
 

ボランティアと本業の二刀流!・・・「糸魚川翡翠展2024」の準備開始

2024年10月28日 07時54分39秒 | ぬなかわヒスイ工房
仏間に漆器を戻し、漆器通販の梱包と金銭管理、打合せの連絡まちの合間に桐箱に焼き印をおして作品展の準備。
ヒスイ加工を始めたばかりのころに「勾玉なんて傷が残っていても桐箱にいれりゃ売れる」と先達から言われ、それなら桐箱にいれなくても売れる勾玉をつくろいと決心して、6年目くらいはビニールパックにいれて売っていたが、都会で作品展をするようになってから桐箱をつかうようになった。やっぱり見た目がちがうし、展示・撤収作業が楽になったから便利でもある。
 
今年は仕事できなかったので、例年の作品展では目玉商品だけだった秘蔵のヒスイ作品を増やして、数を揃えるより単価をあげる作戦だ。
 
今日から3日つづけて作品つくりして、バテたころ合いに能登行き予定。どちらも疲れるけど、作品つくりは工房にこもった孤独な作業で、ボランティアは人と話す作業で集中の仕方がちがうから息抜きになる・・・と思うことにするw。
 
それにしても二刀流の大御所の大谷翔平はエライねぇ。