数々の難問をクリアして、能登島の全壊した民家の瓦礫から掘り出した漆器販売の準備がようやく終わった。売上金は宅急便実費を抜いた全額を被災者に渡すプロジェクト。
1;法的・税金問題
Q,古物商の免許はいるか?
A,被災者の持ち物をボランティアで代行販売するのだから不要
Q,課税対象になるのか?
A,年金収入をぬいた年収が20万円以下なら確定申告は不要・・・被災一家の世帯主は無職だからオッケイ牧場!
税務署で確認して第一関門通過。
2;販売価格の問題
販売価格を新品価格と同じにすることは購入希望者たちから賛同を得てはいたが、戦前に庶民の冠婚葬祭用に量産された「家具膳」と、経済産業省認定の「伝統的工芸品」となった現在の輪島漆器では工程が同じとは言えず、また核家族化がすすんだ現代では「家具膳」がつくられていないので比較できる漆器がないのが問題だった。
瓦礫から掘り出した明治~戦前の「家具膳」と20年近く前に購入した私物の輪島漆器と比べると塗り重ねの回数が違うようで、この辺は趣味で古今東西の民具を観てきたヒスイ職人だからモノの良し悪しの目は利くw
適正価格を方々に聞いてまわっても埒が明かず途方に暮れていたら、タイミングよく放送されたNHK番組「プロフェッショナル」で紹介されていた漆器店主が、いかにも誠実で義理人情に篤いサムライの顔をしていて、この人ならと一縷の望みを託してメール問合せ。
見込んだとおりサムライだった。先方から電話をいただいて相談にのってくれて第二関門通過!
昨夜ついに写真と寸法、在庫数、値段、注文方法を記載したカタログつくり終了。
販売に漕ぎつけるのに1ヶ月半かかったが、「家具膳」の種類と寸法はある程度は規格化されているので次回から楽になるハズ。
震災関連ゴミとして捨てられていく漆器がお金になるのだから多少は被災者の支援になるし、被災地ボランティアはハードルが高いという人でも、代行販売の形で在宅でボランティアができると思う。
問合せをいただいている方々には週明けから連絡予定。すでに予約だけで完売の見込みだけど、次回は4月中旬に被災地入りして漆器を集めてくる所存。