縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

明日は「にんじゃ入門講座」・・・本物の手裏剣

2020年01月31日 07時27分18秒 | 整体・動法・稽古会・体験会

糸魚川市文化協会主催の2月1日の体験会「にんじゃ入門講座」は満員御礼らしい。

本物の手裏剣を見せるために、以前に古武術研究家の甲野善紀先生から頂いたままになっていた手裏剣の持つ部分に、木綿紐を巻いて漆を重ね塗り中。


この手裏剣は根岸流の手裏剣を元にして先生好みで作ってもらっているもので、本来は猪の毛を巻いて漆で固めるのだそう。

持つ部分に滑り止めとバランスをよくするために木綿紐をきっちり巻いておく

本漆を塗り重ねること3回・・・漆もどきのカシュー塗料は塗らない本物志向!

手裏剣術は武芸十八般のひとつで、棒手裏剣は諸国を武者修行行脚する武芸者が旅先で小動物を獲って飢えをしのぐ必須アイテムだったそうだから、忍者ならずとも武芸者の必需品だったらしい。

まだ少ししっとりしているが、土曜日までには乾きそうだ。私は漆にかぶれない体質なのだが、完全に乾かないとかぶれる人もいるだろうから気が気ではない。

子供騙しの内容にしたくないし、本物を見せることは大事だと思う。


笑う土偶!・・・石笛つくりは即興セッション

2020年01月30日 07時28分22秒 | ぬなかわヒスイ工房

アハハハハ~ッと高らかに笑ってる!

二次元表現と三次元表現を組わせて線刻したヒスイ石笛。


縄文中期の顔面把手付き深鉢をモチーフにしたが、次作は顔の部分を抽象表現と三次元表現を強調してみたい。


イメージをそのまま立体にするとロクなことはなく、実際に作りながらカタチにしていかないと面白味が出ないし、作品自体も生きてこない。
ヒスイと即興セッションだから図面は不要だ。


ですからねぇ、同じデザインの作品を依頼されても、前作は超えられないし、作っていて面白味がないから困るのですよ。
人真似は絶対にしない主義なのに、自分の作品であっても他人の作品をコピーしているみたいで情けないしねぇ。


ドキュメンタリー映画「くじらびと」公開間近!

2020年01月27日 07時43分50秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

ドキュメンタリー映画「くじらびと」のクラウドファンディング返礼品が届いた。

公開間近になったら再度、映画の前売り鑑賞券を送ってくるそうだが、まとめて送れば送料も安くて済むのに・・・一刻も早く返礼したいのかな?律儀な人だ。

石川梵監督のサイン入りの六切サイズオリジナルプリントなので、ちゃんとした額を買って工房に飾った。

クラウドファンディングはささやかな応援だから返礼品は不要としているのだけど、今回はオリジナルプリントの魅力に勝てなかったのですヨ。

14年前に書店の店頭に張られた写真雑誌「風の旅人」の宣伝ポスターに衝撃を受けた。


その時のポスターと同じ「風の旅人」の掲載ページ。

以来、友人達に凄ぇ写真家がいる!と見せて回り、石川さんの写真集や著作を買い集めるようになったが、今や写真集の中古本価格はとんでもない値段に吊り上がっているようだ。

この記事の短縮版をSNSに投稿したら、石川監督自身がシェアしてくれて感激。

20年以上もかけて地道に取材した渾身のドキュメンタリー映画「くじらびと」、見逃す手はない。


それにしても気が引き締まる写真。工房を飾るに相応しい。

仕事に妥協しそうになった時、くじらびとの銛の一突きが睨みをきかせてくれそうだ。


早めの終活第二弾「はかま売ります!」・・・日本男児の正装必須アイテム

2020年01月26日 08時18分37秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

使わなくなったサーフボードが売れたことに味をしめて、早めの終活不用品販売の第二弾。

帰郷して以来、お茶の稽古や和装で出歩く機会がなくなり、箪笥の肥やしにするに忍びなく絹物のはかま3点を格安で売ろうと思います。

写真1~2枚目は銀鼠の仙台平・・・お茶や活花、謡を嗜む方や冠婚葬祭は羽織袴で!という方にお勧め

ミッシリと重厚な仙台平。何年か前に新潟選出の2世国会議員がアンサンブルの羽織と長着姿で外遊して、ご本人はご満悦な様子で記念写真に納まっていたが、オフィシャルな場では黒紋付袴じゃないとねぇ・・・七五三みたいだった( ´艸`)

はかま3点は身長174㎝の私にジャストな紐下86㎝。

目立った痛みや汚れはないこのサイズの中古はかまは滅多になく、しかも現在のようにm法の裁断でベトナムで縫製された物ではなく、鯨尺裁断の国産縫製だった時代の物らしき貴重な品。

実際に着て見ると、m法と鯨尺の着物は着心地が歴然と違うのが不思議。

2点目は茶の結城紬(?)・・・お洒落着に

伝統工芸品指定の小地谷縮でさえも、素材と紡績は中国、縫製はベトナムの時代となり着物文化は風前の灯。

もっとも国民の大多数が民族衣装を着ない、着ることができない時代だから致し方ないですが・・・。

余談だが、「着物は日本の文化です!」とノーベル賞授賞式に羽織袴姿で出席した日本人の科学者がいたが、衽(おくみ)と襟がに余裕がなくパツパツに窮屈そうだったし帯の位置も高すぎて、こちらも七五三みたいだった。

恐らくあの先生は自分で着付ができず、日本から連れて行ったスタイリストさんも女性で、大人の男の着付に不慣れだったのではないかと、仲間内で話題になっていた。

川端康成みたいに普段から着物を着ている人なら「着物は日本の文化」という発言は格好いいですけどねぇ。

3点目は絹物の茶のめくら縞・・・各種お稽古や着物初心者の入門用に最適。

値段はコメントでお問い合わせください。

着物も沢山あります。取りに来る方には着付指導も致します。


世界最古の文明は縄文か?アトランティス?・・・ネオ皇国史観?

2020年01月24日 08時42分07秒 | 縄文

ラジオを聞いていたら、「世界最古の縄文文明・・・四大河文明に比べて凄いのだ!」と、いかに日本は特別なのかという類いの話が流れてきた。

最近、「縄文文明」という聞きなれない言葉をSNSでも目にする機会が多くなったが、「最盛期の中期でさえ列島内の人口26万人と推測される「狩猟採集民」が日本列島に散らばっていたのに文明が存在し得たのか?

縄文文化ならいいけど、文明とはこれいかに?

26万人と言えば墨田区の人口と同じくらいの人たちが日本列島に住んでいたんだよ~。中期の国内最大級の遺跡とされる糸魚川の長者ケ原遺跡でさえ竪穴住居は14棟しか発掘されてないよ~。遮光器土偶が作られた晩期の人口は7万人に減っているんですよ~。

縄文土器、弓矢、磨製石器は旧石器時代には存在しなかったので、その意味では文明の利器と言えるかも知れんが、広義では中央集権的な社会システムやインフラが整備された都市を持たないと文明とは呼べんと思うが・・・。

日本スゲェ!といった民族アイデンティティの承認欲求か?

日本生まれの世界最古の縄文文明が世界中に広がったなんていう人までいて、ネオ皇国史観みたいで気持ち悪い。

狩猟採集民は散らばって住まないと狩猟圧で獲物が減ってしまう。

だからお互いに距離を置いて暮らすので、土地を所有して他者を支配する概念が育たず、それが1万年の長きに渡って継続した「縄文文化」では?

文明となると人口の一極集中による荒廃、支配者と被支配者の明確化、権力争い、戦争などで存亡の危機が付いてまわり、盛衰は世の常。

私は文明、王朝、国家を持たず、戦争をする必要のなかった共存共生の「縄文」が好きですな。

考古学的な知見抜きの何でもアリで縄文「文明」を語るなら、世界最古の文明はムーとかアトランティスではないのかな?( ´艸`)


ヒスイ製品のリメイク承ります!・・・一期一会

2020年01月22日 07時50分51秒 | ぬなかわヒスイ工房

お得意様から、引出しにしまい込まれていた瓢箪形のヒスイを勾玉を作り直して欲しいと依頼。

切削傷が残る荒っぽい仕事で、研磨も甘いから透明感が出ておらず発色も悪いが、入念に研磨すれば美人になるタイプのヒスイだ。

もったいない・・・実にもったいない・・・一生懸命に作った作品なら大事にしてもらえるでしょうに。

依頼者は着付の先生だから、和装の時の根付を瓢箪のヘタの部分を残してナマズ形に、膨らんだ部分から勾玉を作ったら、キャッ!と声を出すくらいの透明感が出た。

青味が強かった平板な色相もしっとりした深みのある緑に生まれ変わり、彩度も上がってキャンディみたいに甘そうだ。

よい原石を使っていても、作品自体がみすぼらしくて仕舞い込まれているヒスイ製品は沢山あることだろう。

死蔵されているヒスイ製品をリメイクする仕事を増やそうと思う。

私にとってはどんなヒスイとも一期一会。やっつけ仕事はかわいそうだ。


誰でも簡単に火口を作る方法大公開!・・・いつか役に立つ(?)サバイバル技術

2020年01月21日 07時36分11秒 | サバイバル

火打石で発火する時に必要な火口(ほくち)の量産方法を工夫してみた。

火打石と火打金を擦って火花を飛ばすだけでは魔除けの「切り火」はできても焚火はできず、火口に火花を落として息を吹きかけて育て、焚き付けに点火させるためには火口は必須だ。

これまでは和光大学の岩城名誉教授から教えて頂いた、電気コンロに火口素材を乗せて焼き、燃えたら空き缶に入れて蒸し焼きする方法で火口を作っていたが、この方法は焼きムラができやすく一度に沢山作ることができないのが難点。

ぬなかわヒスイ工房では「ヒスイ火打石セット」http://nunakawa.ocnk.net/product/893を販売しているし、体験会で大勢に使わせることもあるので以前から量産したかった訳ですわ。自分で作ってみたい人はご参考までに。

小さな空気孔を開けた空き缶に火口素材を入れ、蓋をして開放型ストーブの乗せて焼く。熱源はコンロでも焚火でも可。

5分もすれば空気孔から白い煙が出てきて、10分くらいで煙いくらいモクモクと出てくる。写真は空気孔から煙が出始めた状態。ちなみに蚊取り線香のお徳用缶なら空気孔をわざわざ開けなくても把手を外すだけ。

煙の出が細くなったら空気孔を木栓で塞いで、火を消して手で持てるくらいまで冷めるまで待つ。これが蒸し焼きの状態。木栓は丸棒や小枝などで事前に作っておく必要有り!

今回はゼンマイ綿、木綿タオル、脱脂綿の3種類を同時に入れたので素材によってバラツキが出たが、同じ素材で蒸し焼きすれば均質な火口ができそう。そのうちに古典的な火口素材のガマの穂でもやってみたい。

不要の茶筒、お徳用蚊取り線香の空き缶などが使いやすく、自分で使うだけなら充分な火口ができそうなピース缶も有り。

アルプスの氷河で発見されたアイスマンは、黄鉄鉱の火打金、フリントの火打石、カンバタケを蒸し焼きした火口を持っていたらしいが、東北や北海道ではホクチタケと俗称されるツリガネダケ、カイメンタケ、マスタケといったサルノコシカケの仲間を火口に使っていたらしい。

この知識があれば山歩きの楽しみも増えるはず。

知っておくと便利なサバイバル技術。


白洲次郎に叱られる!・・・プリンシプルなきヒスイ販売

2020年01月20日 08時25分18秒 | ぬなかわヒスイ工房

たまに新聞広告を出す通販会社のヒスイ販売の新聞広告の文章がヘン。

本翡翠って何なのだ?ニセ翡翠もあるの?

枯渇が深刻化したから緊急入荷ともあるが、それなら保護すべきでしょう?

限定10個緊急入荷したはずなのに限定予約開始?購買意欲を煽りますねぇ。

他の鉱物に類いのない透明感?ヒスイは半透明だからダイヤモンドやルビーは透明だからそれ以上の類いはもっとあるけどなぁ・・・。

この通販会社、私の所にも商品を扱わせてもらえないかと訪ねて来たけど、いくら儲かると言われてもプリンシプル (principle・原理、原則、主義、信条)の無い商いはねぇ・・・そりゃ私だって儲けたいのですよぅ・・・でも(m´・ω・`)m ゴメン…

節操もなく利益を追求する日本の経済人や政治家たちを「プリンシプルが無い!」と一喝していたという白洲次郎さんは、日ごろから口癖のように使っていたそうだ。

オックスフォード仕込みのジェントルマン、風の男、白洲次郎の面目躍如の言葉。

いつか使って見たかったプリンシプル、オレは白洲次郎に憧れる男。


ラオスの火打石セット・・・アウトドア必須アイテム

2020年01月18日 08時01分25秒 | サバイバル

北部ラオスの夜店で買った竹筒に入ったモン族の火打石セットは、チャートの火打石、金切り鋸をリメイクした火打ち金、モグサがセットになっていた。

うつけもの(愚か者)と呼ばれた若き日の織田信長の姿は、荒縄の帯に火打石をぶら下げていたと太閤記で描かれているが、うつけものだから火打石を持ち歩いていた訳でなく、昔の人なら当たり前のアウトドアの必須道具だったろうし、実際には火打石だけでは火を熾せず、これらと同じセットを革袋にでも入れて腰から下げていたのだろう。

黒沢明監督の「七人の侍」では、前半の三船敏郎さんと千秋実さんが小さな革袋を腰からぶら下げているが、恐らく火打石セットだろうと思う。革袋がなくても材料が簡単に入手できる竹筒もアリな訳ですな。

着火したモグサを植物繊維に包んで息を吹きかければ炎に育てることはできるが、昔の人は屋外でどのようにして繊維を手に入れていたのか?杉や松の樹皮の内側の柔らかい部分をほぐして作ったものか調べたが文献には見当たらず、実際を知りたいものだ。

私の場合はジュート紐をほぐしたモシャモシャ状にした繊維を使うが、2月の忍者入門講座で披露したら子供たちはビックリするだろう。

「石のまち糸魚川」を宣伝したいなら鉱物学だけでなく、こんな遊びの要素があると興味を持ってもらえる。

チャート、石英、頁岩、瑪瑙、そしてヒスイと、火打石になる石はゴロゴロ転がっている。


麻生太郎氏の発言に思う・・・バラバラでいいのだ

2020年01月15日 18時15分11秒 | ヒスイ

毎日新聞1月13日の記事

「麻生太郎副総理兼財務相は13日、地元・福岡県飯塚市で開いた国政報告会で、「2000年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と述べた、とある。

写真は朝日新聞電子版より・・・グーブログでは記事のURLを張り付けても文章や写真が表示できないので、申し訳ないけど写真転用。

中曾根康弘氏が総理の時に「日本は単一民族」と発言して炎上した時のことをよく覚えている。

学習しない人なのか、毎度の失言の度に撤回謝罪はしても確信しているのかのどちらですな。

アイヌだけでなく、沖縄は琉球民族だし、在日と呼ばれる朝鮮系日本人はどうなる?

私にしてもヌナカワ系日本人というアイデンティティを持つ男。

私は日本人の定義を文化や言語、出自に関係なく、単に日本国籍を持つ人と認識しているので、「日本人は大和民族・単一民族」と均質に塗り潰して欲しくない。

この考えは、作家の島尾敏夫さんの「日本列島に住む人々」という意味合いの「ヤポネシア」という造語を自分なりに解釈したもの。

ここ数年、一般人が気軽に江戸時代に算定され、明治以降の皇国史観、そして軍国主義のプロパガンダに利用された「神武皇紀」を使ったり、「統合」という言葉を使うことに、きな臭さを感じる。

統合なんかしないでバラバラでいいのだ。多種多様の共存が健全なのだと思う。

私が縄文文化を好きなのは「多様な共存」を感じるからだし、ヒスイも然り。

単結晶鉱物のダイヤモンドは最高の硬度を誇るが、結晶が均質ゆえにハンマーで叩くと簡単に砕け散ってしまう。

ところが多結晶鉱物の硬玉ヒスイは硬度こそダイヤモンドに劣るが、様々な鉱物ががっちりスクラムを組んでハンマーを跳ね返す。

あたかもラクビー日本代表、かって活躍していた時代のなでしこジャパンのようではないか。

硬玉ヒスイは日本列島に住む人々のアイデンティティを表すに相応しく、鉱物学会はよくぞ国石に選んでくれたものだと思う。

凸凹していていい。不均一なのがチカラになる。