縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

ヒスイ製クリスタルボウルの里帰り演奏会~牧野持侑in長者ケ原遺跡

2017年08月30日 20時50分25秒 | ぬなかわヒスイ工房

水晶の粉末をダイキャスト成形して焼成したクリスタルボウルという楽器がある。

元はチベット仏教の法具シンギングボウルだ。

どちらも縁を叩いたり擦ったりするとフア~ンという不思議な音がして、ヒーリング効果があるとされている。

昨年、クリスタルボウルの第一人者、牧野持侑(まきのじゅん)さんにより、糸魚川ヒスイを原料に加えたヒスイ製クリスタルボウルが完成して、忘れもしない糸魚川駅前大火の前日の冬至に横浜でお披露目コンサートがあり、私もゲスト出演した。

クリスタルボウルを演奏する牧野持侑さん

 

その縁で牧野さんが糸魚川に遊びに来る事になった・・・千載一遇のチャンス!

五千年前のヒスイ加工拠点遺跡の長者ケ原遺跡で奉納演奏しませんか?と頼んだら快諾!!

「ヒスイ製クリスタルボウル里帰り奉納演奏会~牧野持侑in長者ケ原遺跡」が決定した。

演奏会場は遺跡公園北端の掘立柱建物。ここは縄文の祭り広場なのである。

 

希望者は縄文文化体験として、復元竪穴住居にも宿泊可能!(先着申込み15名)

こんな感じで宿泊するので、宿泊希望者はテント以外のキャンプ用品を各自用意。


内容

主催;ヒスイ製クリスタルボウル里帰り奉納演奏実行委員会(代表 山田修)

後援;糸魚川市教育委員会

日時;2017年10月8日 開場時間16時~(遺跡ガイド開始)

            演奏会18時くらいから60~90分前後

料金;入場料無料(前日までに事前申し込み必要)

場所;長者ケ原遺跡公園内 掘立柱建物(糸魚川市一の宮)

http://www.city.itoigawa.lg.jp/dd.aspx?menuid=6175

定員;50名(1週間前までに事前予約必要)

*復元竪穴住居での宿泊体験は先着申込み順15名とします

宿泊の場合は縄文文化体験学習を目的としますので、考古館見学と遺跡公園ガイドに参加して頂く必要があります。
宿泊料金は無料ですが、考古館入場料300円(高校生以下無料)と食事代金実費(縄文料理等)が必要となります。宿泊はテント以外のキャンプ道具・食器が必要ですので各自持参してください。

 問合せ先;コメント欄より参加人数と連絡先、宿泊の有無をご連絡下さい。

*雨天決行(各自雨具・グランドシート・椅子を持参して下さい)

*糸魚川駅から車で10分です。バス(美山公園バス停下車)かタクシーをご利用下さい。

*車でお越しの方は指定のテニスコート駐車場をご利用下さい(徒歩3分くらい・無料)

*駐車場から演奏会場までLED照明のアプローチロードを仮設予定

*飲酒と喫煙は、体験学習棟のみとなります。

*駐車場から掘立柱建物までのアプローチが解り難いのですが、お問合せは前日までに済ませて下さい。

*当日のお問合せはご容赦下さい。

 

長者ケ原遺跡は中期の典型的な環状集落で、中央広場には代々のご先祖が埋葬されている。

ヒスイの響き、縄文の風をご先祖様と共に体験できるのだ。

縄文好き、ヒスイ職人、そして糸魚川市民としてこれ程までに面白い体験は滅多にできない。


天然素材100%の家とヒスイの屋根の重石

2017年08月24日 00時11分46秒 | 田舎暮らし

帰省中の高校美術部時代の後輩から、築百年の実家の建具の建付けが悪いので直して欲しいと頼まれた。

持参した大工道具で簡単に直ったが、庭にお宝が沢山転がっていた。

親父さんが子供の頃(七十年前!)に長者ケ原遺跡で拾った石棒!

明治期に屋根の重石に使用されていたであろう、でっかいヒスイ原石!

 

かっての糸魚川では、屋根の重石や漬物石としてヒスイが利用されていたと聞いた事はあったが、実物を観たのは初めて。

ヒスイの希少性以上に、ヒトとヒスイのモノガタリに興味がある私にとって、これは歴史的遺産!

即ち文化財なのである。

 

池の周りに極上のネフライト(軟玉ヒスイ)発見!


お礼に進呈すると言われたが、畏れ多いので石棒だけ頂いてきた。

それにしても窓ガラスも戦前の「吹き硝子」がそのまま使われていたり、玄関には昔ながらの三和土(タタキ)が残っていたり、物置になてはいるものの厩(ウマヤ)まで残っている。

部分的にカタガラスに変えられているが、吹き硝子ともども生産してないからオレ的には文化財!基礎も昔ながらの独立基礎!

家自体が文化財(笑)

碍子(ガイシ)と木綿被覆の電線は使われていないが、実にかっこういい。


天然素材100%の家、冬は寒いだろうが住み心地はいいに決まっている。

後輩は東京で美術教師をしているのだが、定年退職したら是非とも帰郷して、この家を守って欲しいねえ・・・。


あなたも「縄文人!」~身近なもので楽器を作ろう~のご案内

2017年08月18日 06時31分26秒 | ぬなかわヒスイ工房

関西方面の皆様にお知らせ。
大阪市の浄土宗應典院の夏季恒例イベント「キッズ・ミート・アート2017」において、楽器作り体験会の講師を務めます。

身近なもので作る楽器や民族楽器の紹介の他、竹の民族楽器を作ります。

ただし午前中は乳幼児とその保護者が対象のため、危険のない紙製の楽器作りです。

興味ありましたら應典院さんにお問合せください。



内容;あなたも「縄文人!」~身近なもので楽器を作ろう~
日時;8月26日(土)11:00~12:00/14:00~16:00
対象;午前…乳幼児 午後…どなたでも(各回定員20名)
場所;應典院1F研修室A
(大阪府大阪市天王寺区下寺町1丁目1−27)
問合せURL;http://www.outenin.com/article/article-8526/
       tel 06-6771-7641(應典院)


究極のエコロジスト・・・糞土師、伊沢正名さん

2017年08月16日 08時12分47秒 | 田舎暮らし

カフェレストランgaiAでの古武術式薪割り体験会と忍者入門講座が盛況だったようだが、参加者のなかに凄い人がいた。

糞土師を称して正しい野糞の普及活動をしている伊沢正名さんで、変人ではなく有名なエコロジストとして「タモリ俱楽部」なんかにも出演している。

初対面から意気投合して話しが尽きず、師匠の一人になったが、「山田さん、著書があれば教えてください!」と聞かれた(笑)

インド式の洗い方を実演する伊沢さん。持っている瓶は「インド瓶」と呼んでいる愛用品(笑)

gaiAの私の体験会の翌日は、伊沢さんの「正しい野糞講座」で、ハラ原人夫人の洒落心あるお昼ご飯が出た(笑)

葉っぱを見たら触って手触りを確認すべし!興味を持てばただの葉っぱがお宝に見えてくると、私が石に対して言う事と同じ事を仰る。

この日、採集できた伊沢さんお勧めの尻拭き葉っぱ。

このコケは女性の小を吸い取るのに最適なのだとか(笑)

裏が柔らかい産毛が密生した葉っぱがイチオシ。葉っぱで拭きとった後に、薄荷の葉っぱでひと拭きすると清涼感満点のデザートになるそうだ(笑)

 

伊沢さんはキノコ写真家としても著名で、「キノコ図鑑」の写真も伊沢さん撮影によるもの。

通常の図鑑の写真は証明写真のように平板な印象だが、伊沢さんの写真は独特の物語り性と詩心を感じる。

独自に習得した「長時間露光撮影」だそうだ。

私はヒスイ加工職人として商品のブツ撮りを日常的に行っているが、時間的な制約もありどうしても証明写真のようになってしまう。

それでも伊沢さんの写真は素晴らしいが、大病を経過した今、カメラマンは廃業して野糞の普及活動に専念しているのだとか・・・ちょっと惜しい。


長者ケ原遺跡で縄文キャンプ・・・朝日が差し込む1号住居

2017年08月10日 23時18分10秒 | 糸魚川自慢

石川県のフリースクール、ワンネス一行18名が糸魚川にやってきた。

5月に案内した親不知の海の美しさに感動して、一泊二日の予定で素潜り体験会のコーディネートと講師を依頼されたので、せっかくだから宿泊先は長者ケ原遺跡の復元竪穴住居を推薦した。

国指定縄文遺跡といえども、長者ケ原遺跡の竪穴住居は教育委員会に使用許可願を申請して受理されさえすれば宿泊可能なのだ。

一応、教育目的だから夜には私の「海のヒスイロード検証実験航海記」のお話会もした。

飲食や火の扱いは、遺跡公園入口にある体験学習棟で行う事が竪穴住居キャンプのルール。

 

学芸員さんはウルル(糸魚川弁でブユ・ブヨ・ブト類のこと)や蚊が凄いですからと忠告してくれたが、復元住居内は週に一度は虫除けに石囲い炉で焚火をして燻している為なのか虫に悩まさる事はなく、快適だった。

遺跡は標高90m前後の高台にあるせいか夜は涼しく、今回もタオルケットだけで寝た人は寒かったと言っていた。

 

5年ほど前にも縄文キャンプしたのだけど、その時は五千年前のヒスイ職人の先輩に敬意を表して南西端の20号住居に宿泊したので、今回は遺跡公園北西端に位置する1号住居に宿泊してみた。

そこで新たな発見!

午前4時半、1号住居の入り口から差し込む朝日で目覚めた。

表に出てみたら東から昇る朝日が真っ先に1号住居を明るく照らしている。

午前5時にはこんな感じで1号住居のみに朝日が当たっていたが、他の住居群はまだ夜の闇の気配を残していた。

 

つまり1号住居は、長者ケ原遺跡の竪穴住居群の中で最初に朝日が照らされ、最も日照時間が長い立地条件!

1号住居付近は中期中葉の住居密集箇所に位置するとの事だが、その謎が解けた気がする。

今後は冬至、夏至、春分、秋分の日の出と日の入りを確認していくのが課題ですな。

 

 


古武術式薪割り稽古・・・鳥肌が立った・・・人もいる(笑)

2017年08月09日 07時55分56秒 | 整体・動法・稽古会・体験会

南魚沼のカフェレストランgaiAでの古武術式薪割り稽古会と忍者入門講座、大雨の合間を縫って盛況のうちに無事終了。

斧持参のベテランが多く参加したのは、薪ストーブ愛好者や林業従事者の多く住む南魚沼ならではという事だろう。

 

参加者には、薪割り前に居合い用の日本刀を振ってもらい、ヒュ~ンという刃鳴りがしてから次のステップに進んで貰った。

刃鳴りがしないという事は、刃の形状と切れる動線が一致しておらず、その動きと速度では薪は割れないという理論。

次に昔の子供遊びの「釘差し」をしてもらい、「狙いを定めて命中させる」という感覚を覚えてもらう。

 

5寸釘の頭を持って半回転させて投げる釘差しに慣れたら、棒手裏剣の投げ方で「投げるから放つ」に慣れてもらう。

このことで刺さる速度と動線の確認をするのだけど、現代人には難しいのだ。

参加者には糞土師として「正しい野糞普及活動」をしておられるナチラリストの伊沢正名さんも!少年のように嬉々と稽古していた。

ラオスで買った斧身に自分で膝柄を付けた斧は、切り斧として試してもらった。

 

薪割りは古武術式の動きだが、その動きの必然性の理解と検証は整体の稽古会そのもの。

その中である参加者は「すげえ・・・今の説明を聞いて鳥肌が立ちました。」と、鳥肌がびっしりと立った腕を見せてくれた。

佳きかな佳きかな・・・。

未知との出会いである。

たかが薪割りといっても、整体的な視点から掘り下げていくと奥が深いのだ。

 


ラオスの膝柄斧とカンボジアの拝み割り・・・各国薪割り事情シリーズ

2017年08月03日 23時38分11秒 | 民俗学ごっこ

エキサイトブログを使っていた時に紹介した、ラオスの縄文おじさんに再び登場願うことにした。

メコン川支流の小さな村で、川漁師、炭焼き、野菜作りをしながらに自給自足生活しているおじさんと仲良くなった。

驚いたのは彼の使っている斧で、樹の幹と枝の部分を利用した膝柄(ヒザエ)に袋状になった斧身を差し込んであり、古墳時代の斧となんら変わりがないのだ。

千七百年前の斧が現代でも使われていりという衝撃・・・もちろん同じ斧を買って土産にした。

膝柄の登場は、縄文時代前期の福井県鳥浜貝塚出土の「ソケット式石斧」が最初ではなかろうか?

 

中期になると同じ膝柄でもソケット状ではなくなり板で挟んで締め込む様式になるし、こん棒に孔を開けて石斧を差し込んだだけの直柄(ナオエ)も出土している。

おじさんに斧を使わせてもらったが、力任せに振るうと壊れてしまいそうなくらい華奢で、少しづつ切っていく斧という印象を持った。

 

インド、東南アジアはどこでも玉切りした薪を立てて縦に割る薪割りではなく、先端に枕木をかませた薪を横に寝かせた薪割り方式。

カンボジアで初めてこの方式を見た時に、斧の刃先が土にめり込んで欠けやしないかと痛々しかったが、みなさん百発百中でお上手。

特にカンボジアでは極端に上体を前に倒す薪割りで、「拝み割り」と名付けた。

玉切りの台に薪を載せて縦に割る日本式と比較して一見して恰好悪いようだが、チェーンソウや鋸で玉切りしなくていいので、手間暇がかからずサバイバルにうってつけであることは間違いない。

 

お前もやってみろと言われたので斧を持たされ、古武術式薪割りを披露したが、薪割り台がないので低すぎて非常にやり難かった。

カンボジア人には無様に映ったらしく笑われてしまった。