縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

門前町琴ケ浜の無斑晶質安山岩で勾玉を試作!・・・能登半島地震ボランティア

2024年07月31日 07時09分47秒 | ぬなかわヒスイ工房
門前町琴ケ浜の無斑晶質安山岩で、弥生時代の北部九州と山陰タイプの勾玉をつくってみた。
写真だと石英粒が白く写ってしまうが、肉眼ではマットな半艶の渋い仕上がり。
ガラス質であることを忘れてしまい、ヒスイと同じ乾式研磨の摩擦熱で顎部と尾部が白っぽく焼けてしまったので、仕上げは湿式研磨と独自開発の特殊加工をした。
弥生時代中期の北部九州の「丁子頭勾玉」は、考古学者から納得してもらって博物館の収蔵品レベルでつくるのは難しい。もっとも昨今のレプリカは3D造形のプラスチック製が主流だと思うけど。バブル期だったら仕事をもらえたかな?
無尽蔵にある無斑晶質安山岩が、研磨したら売り物になると知ったら地元の人も価値を見直す機会になれば幸い。
フォッサマグナミュージアムの香取学芸員から原石を確認してもらい、溶岩ドームのことなどを教えてもらう。
 
サヌカイトのように薄く割って石の風鈴や石琴といった楽器がつくれるか?これも課題。
 
 

輪島市門前町が石器つくりの聖地になるかも!・・・能登ジオツーリズムの可能性

2024年07月29日 06時42分19秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
輪島市門前町の海岸は、能登の中でとりわけジオツーリズムに適した地域であるように思う。
 
琴ケ浜は地名がしめす通り、花崗岩が崩れた石英砂の浜で、歩くとキュッキュッと音がする「泣き砂」の名所だ。
浜の西にある崩落した柱状節理の岩塊は、フォッサマグナミュージアムの香取学芸員から1,000万年ほど前の中新世の溶岩ドームであると聞いたが、そんな恐ろし気なものが身近にあるとを知る地元民はいないのではないか?
岩塊の断口面を観察すると、石槍や矢じりなどの打製石器に多用されてきた無斑晶質安山岩のようだ。
琴ケ浜を流れる小川には大量の砂鉄も流れているので、上流部に大きな花崗岩の岩山があるに違いない。
 
椰子の実の欠片もおちていて、地形好き・考古学好き・民俗学好きには興味がつきない浜。複雑に入り組んだ沿岸には海浸洞もあるから、シーカヤックで岬めぐりをしても面白そうだ。
 
震災でなにもかもが変わってしまったが、考え様では奇岩名勝地の初期段階を目の当たりにしている訳で、アウトドア遊びと組合わせたジオツーリズムで観光客を誘致できる可能性は大いにある。
 
無尽蔵にある無斑晶質安山岩をつかい、旧石器時代の研究者を講師に打製石器つくり体験会なんてのもありで、まずはヒスイ職人らしく拾った無斑晶質安山岩で勾玉をつくって地元の人にこの石の秘めた可能性を知ってもらう。
 
次回は素潜りセットを持参して、1mちかく隆起した海中も観察してみる。
 
 
 

30年ぶりで屋上で寝る・・・仮設住居の夏

2024年07月27日 06時08分42秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
輪島市門前の私設ボランティア拠点「SUNRIZE」に二泊して、仮設住宅の調査をおこなった。
平日とあって宿泊しているボランティアは少なかったが、一時避難所が閉鎖されて仮設住居の順番待ちをしている被災者家族も宿泊していた。「仮設住居待ち難民」への行政支援はない。
あてがわれた男子部屋は暑くて寝られたものではなかったが、涼しい屋上でテント泊させてもらったら実に快適で、明け方に寒さで目覚めたくらい。
 
30年ほど前に真夏のデカン高原の安宿に泊まった時は、空き部屋がエアコン・扇風機のない屋上の粗末なベッドしかなく、この時は気が狂いそうなくらい暑かったw
阿岸の仮設団地の自治会長に遮熱シートをかける実証実験をもちかけたら、賛同してもらったので自治会の合意と行政への許可申請をお願いした。
 
うまく話が進めば盆前には遮熱シートを張らせてもしいもんだが、能登に出る前はあったメーカー在庫が昨夜チェックしたら完売となっていた・・・あぁぁ・・・振り出しに戻ったか?・・・他のメーカーを調べてみるさ。負けるもんか・・・。
 
 
 
 

遮光ネットの有無で室温の差は24℃もあった!・・・ビニールハウスで暮らす被災者一家

2024年07月26日 07時03分42秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
UXテレビのニュースでビニールハウスに暮らす珠洲市の畠田和美さん一家を知った糸魚川市民から、お菓子・衣類・贈り物などを託されたので、漆器販売の義援金わたしも兼ねて訪問。
家が全壊した被災者は夏物衣料を持ち出せなかった人が多い。
衣類とお菓子、それに手作りコースターを贈ってくれた糸魚川市民のIさんへの証拠写真w
 
気になっていたのはビニールハウスの室温だ。5月に白系の遮光ネットを張ったビニールハウスの室温は26℃。
 
張ってないビニールハウスは午前9時の段階で50℃ちかくあり、午後は50℃の目盛りから針が動かなくなるそうだ。和美さんのお母さんは我慢できない暑さではないと言っていたが、劣悪な環境に順応したのか?麻痺したのか?とにかく要注意!
 
ちなみに温度差24℃もあった畠田さんのビニールハウスにかけた遮光ネットは、㈱ダイアテックス社の「ふわふわ」という商品。ビニールハウスの遮光ネットにも用途にあわせて黒・銀・白があり、もちろん最も遮熱効果が高いのは白。
 
 
 
 

本当にiPhone14PROは防水だった!・・・集中豪雨の冠水に注意!

2024年07月25日 06時46分33秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
水たまりを歩いたら意外と深くて水没!というギャグは、誰かの体験が元になっていることを身をもって学んだw
穴水町の仮設住宅で「グリーンカーテン」を施工したNPOボランティア団体に話しを聞きにいった。集中豪雨で至るところで冠水していて、大雨をさけるために屋根の下を歩いていたら倉庫入り口右横の水たまりで一瞬でわたしは水のなか。
 
浄化槽工事の大穴に水がたまった水たまりで水深4mあるだそうだが、はやく言え~( ´艸`)
 
慌てずさわがず泳いで自力上陸したが、iPhone14PROは水深2mで5秒くらい水没しても壊れないという実証実験をしてしまいましたぞ。
「グリーンカーテン」という名前から、屋根の遮熱ではなく壁面緑化のことだと察してはいたが、行政とボランティア団体の連携がうまくいっている穴水町であっても許可申請は面倒であったらしい。
 
西面の壁面緑化と屋根の遮熱を合わせるとだいぶ暮らしやすくはなるハズ。実現はハードルが高いけどネ。
港は海と陸の境目がわからなくなりつつあるが、雨の峠はこえたようだ。
 
 

コストパフォーマンス抜群で堅牢無比なキャンプマット!・・・防災グッズに「お風呂スノコ」

2024年07月24日 06時40分11秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
わたしが車に常備しているサバイバル用品には、シートベルトとキルト製の養生マットの他にウレタン製の風呂スノコもある。
 
安いのに厚み2㎝もあるので、下手なキャンプマットより断熱性があり多少の凸凹も吸収してくれるから、車中泊や野営のマットに最適で、車載するようになって30年は経つ。
わたしの愛車ソリオは助手席を倒すと身長180㎝の人でも楽々と車中泊できるので、そのスペースにあわせて風呂スノコをカットしてある。「自然界の報道写真家」宮崎学さんも車中泊で愛用していると仰っておられ、身近なモノを応用する工夫好きのお仲間と判明したw。
 
先日は全自動洗濯機が壊れたので、シートベルトと養生マットを駆使して独りで搬出して車に積み、処分場にもっていった。取りに来てもらうより1,800円安くなる。
重量物を車に積む際には、車を傷めないように風呂スノコをハッチより少しだして、養生マットをかぶせるのがコツ。
洗濯機の尻をもってテコの原理で押し上げ、半分弱が載ったら車内から養生マットを引っ張れば簡単に積むことができる。
 
重量物運搬で腰を壊したという人は、工夫が足らないと反省してはどうだろうか?
 
わたしは電気がない雪山で、単独・人力で300キロ近い丸太から丸木舟をつくった経験があるが、知恵を絞ればなんとかなるものだ。
 
 
 

防災備品にシートベルトを!・・・重量物運搬のお助けグッズ

2024年07月23日 06時50分40秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
防災グッズとして車に常備しておいてほしいのが、なんどか紹介している解体屋で入手した廃車のシートベルトだ。
重量物運搬に重宝するので、シートベルトをつかった水をいれたボリタンクの運搬は、わたしのサバイバルワークショップの定番ネタ。
 
能登の被災地でも持つこところがない仏壇や金属キャビネット、3階にある業務用ミシンの搬出などで大活躍した。
 
建築現場でつかうスリングより強度は劣るが、人力移動できる重量なら問題なく、軽量でしなやかなので対象物にフィットして傷つけず、折りたためばコンパクトに収納できるメリットもある。
建築現場でつかうキルト地の養生マットも重量物をのせて滑らして移動するなどで重宝するし、毛布かわりにもなるから車載しておくといいサバイバル用品。90×180㎝サイズで2,000円くらい。
 
特に仏壇は横に倒しては絶対にダメ!という決まり事があるから、仏具運搬のプロは専用の運搬器具をつかって立てた状態で運搬する。金箔が剥がれたりする恐れがあるほかに、ご先祖様を祀った仏壇を横にして運んではバチアタリとする文化がある訳。
文化に頓着せずに仏壇を横倒しにして搬出するボランティアが大多数かもしれないが、わたしは被災者の心情と祖霊に敬意をはらって可能な限り立てたまま搬出する。この時は畳と4寸5分(約13㎝)の段差があったので、瓦礫から4寸角の柱をひっぱりだしてレールをつくり、その上に捨てる毛布をかぶせて軟着陸させた。
 
実のところ高級家具もふくめてプロの運搬器具はシートベルトとキルトマットと同じ素材でできた肩掛け式だから、シートベルトを対象物にあわせて自在にロープワークすればいろんなことに応用できる。
 
しかし便利なシートベルトがあっても、ロープワークを知らないと本領を発揮できない。サバイバルは備品以前にロープワークなどの基礎技術が重要ということネ。
 
 

遮熱シートでコンクリート表面温度がマイナス23.2℃!・・・酷暑対策DIYで被災者支援

2024年07月22日 07時36分11秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
西日が当たって暑いダイニングキッチン前にカーポートがあるので、屋根に遮熱シートと遮光メッシュシート両方をかけて比較してみた。
屋根の奥の白いシートが遮熱シートで、手前の黒いシートが遮光メッシュシート.。屋根の端に40㎝くらい垂らしてあるのは、斜め上から差し込む西日を緩和するため。
奥の黒い部分は遮熱シートで、手前が遮光率80%をうたっている遮光メッシュシート。ホームセンター品の黒いメッシュシートは蓄熱するので、業務用には遮光に加えて遮熱機能をもたせた銀色や白もある。
午後3時の直射日光があたる舗装表面温度は52℃!
遮熱シート下のコンクリート表面温度は28.8℃となんと23.2℃差!
 
遮光メッシュシート下のコンクリート表面温度は遮熱シートとあまり変わらないが、屋根裏から計測した表面温度は5℃くらい高かった。
ついでに融雪ホースで5分ほど散水して打ち水効果を試したら、表面温度はそれほど変化はないが、体感温度は明らかに涼しい。ただし外気温40℃以上となると蒸し風呂になる可能性はあるw
意外に奥まで届く西日を遮るためにメッシュシートを袖壁として追加!
 
明日から能登入りして、仮設住宅屋根を遮熱シートで覆うモデルケースの可能性を調査して、可能なら8月に実証実験をやる。遮熱シートなどの経費実費は、現在のところ20万円を超えている支援金を充てる所存。
 
寄付してくれた皆様はガソリン代にでも使ってくださいと仰るが、わたしは自分の好きなことを好きなようにやっているだけなので不要で、浄財は被災者のために役立てますぞ。
 
室温が5℃でも下がればオッケイ牧場だ。
 
 
 

カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよbyオレ・・・石笛

2024年07月20日 08時16分36秒 | ぬなかわヒスイ工房
ヒスイ原石は小割機でカットするが、カット能力は厚み4㎝くらいまでだから、厚み10㎝もある原石は手に持って回転させながらカットして、最後はクサビをいれて割る。
ところがこれが難しく、カット面に段差ができたりする。
半年間も仕事をしていなかったので、高くうれる商品をつくるために秘蔵品の透明感のある緑系の原石をカットしたら、100点満点で真っ二つにカットできた。神業~!( ´艸`)
小割した不定形をした端材を無駄にせず、超小型の石笛をつくったらすぐ売れた。助かるわ。
わたしの石笛をコピーする人は多いが、いかにも操作願望を感じる予定調和的な印象がするのは、直方体をつくってからシンメトリック形状にしているのかな。
鉱物なのにやわらかさと温もりを感じるヒスイ加工品を目指す!
 
わたしは原石の姿を活かしてつくっているので、工程の3割まではどんな形状になるか自分でもわからないし、研磨方法は原石の質と姿にあわせているから一様ではなく、シンメトリックでもない即興的なつくり方。
 
市販品に多い8㎜の吹き孔直径は、おそらくは一番安いホルソー(ドリル)で在庫を統一しているからだろうが、工夫しないと吹けばピーと音がするだけの「孔をあけた石の塊り」になってしまう。
 
わたしの超小型の石笛は8㎜孔であっても、様々な工夫をしてあるので1オクターブをこえる音域を持つし、芳醇な倍音を持っている。プロなら4音階か5音階あれば即興演奏できるので1オクターブ超えの音域は必ずしも必要ではないのだが、吹き手の即興に応える石笛をつくると自然にそうなってしまう。
「俺のドラムをコピーするのは簡単さ。でも俺を超えられないぜ!」・・・チャーリー・ワッツ(写真はウイキペディアさんより)
 
カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよ。
 
 

遮光か遮熱かでわかれる屋根の断熱・・・被災者の夏

2024年07月18日 06時59分54秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
梅雨明けが近いので、工房玄関のテラス屋根の内側に遮光メッシュシートを張ってみた。
UVカットのポリカーボネート板屋根とはいえ、晴天だと直下はジリジリと耐えがたい熱さ。
 
材木をテラスの屋根桟に挟んで渡し、古くなった遮光率80%のホームセンター品を半分にカットして胴縁をビス止めして押さえただけ。遮光メッシュシートは太陽光を減殺して熱を和らげるだけの物でも、かなり過ごしやすくなったのでコーヒー休憩はテラスで過ごすようになった。
 
対して遮熱シートは太陽光を遮断するので、熱さ対策としては遮光メッシュシートより効果はあり、遮光メッシュシートと遮熱シートのm単価は同じくらいだ。光を通して遮熱したいのか、それとも遮断して最大限の遮熱効果を求めるのかの選択肢。
 
工房の天井には珪藻土100%の壁材を塗ってあるので、朝、工房に入るとヒンヤリして気持ちがよく、風の通りも考えてつくってある。エアコンなしでも過ごしやすい環境であっても、猛暑日となると扇風機とサーキュレーターを組み合わせている。
 
酷暑はいろんな工夫を総動員して凌ぐしかないが、お金をかけられない仮設住宅の屋根なら、空き缶クーラーか遮熱シートが向いていて、空き缶を集める手間暇を考えると遮熱シートが最も現実的なようだ。